「光と水のダフネ(TVアニメ動画)」

総合得点
64.7
感想・評価
114
棚に入れた
531
ランキング
3607
★★★★☆ 3.6 (114)
物語
3.9
作画
3.2
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

水の畔に植えられた木の

時が来ると実を結び、その葉の枯れることなくその為すところ皆栄える。


<物語>
海洋庁の試験に落ちたマイアが、生活費を稼ぐためにアウトローな犯罪取り締まり組織のネレイス社に身を置き、海洋に関わる様々な難事を解決していく前半もスラップスティック調でやはり面白く、またマイアの出生の秘密に迫る後半は、前半に感じていた違和感がすっかり解消される素晴らしい展開でした。
月桂樹の記憶や旧約聖書の一節に込められた意味合いも深く、良いアクセントになっていました。
シベリアシティの月桂樹を見てからマイアの記憶が回復し、マイアが元は海底に沈んだエルピダの生き残りであり、祖父だと思っていた人物が実は兄だったと判明した時は感動したものです。

・何らかの理由で陸地のほとんどが水没してしまった未来の地球(とあらすじにはありますが、公式サイトでは地球温暖化が原因と明記されています)で、人々は8つの海底都市を築き暮らしていた
・陸地に浮上する計画が持ち上がり、いざ実行に移らんという時に、マイア達の住んでいたエルピダでバイオハザードが起きた
・エルピダが浮上することで空気感染を恐れた海洋都市連合(後の海洋庁)は、浮上失敗事故に見せかけてエルピダを封鎖し壊滅に追い込みまれた。
翔とマイアはコールドスリープで生き延びますが、翔のカプセルはマイアより先に発見された事で、年の差が生じる結果となった
・さらに海洋庁に命と引き換えに秘密を保持する制約を交わし、そのため死に際でさえマイアに実の兄だと明かせずにその生涯を閉じた
・マイアが試験に落ちたのもエルピダの秘密を握られまいと海洋庁が試験結果を改竄したため

私なりに事の仔細を纏めてみました。
保身に走る国家機関に癪に障るところでもありますが、当の本人は秘密を公表する事も無く、ネレイスで生きていく選択を決意し、その人格者ぶりに後光が差して見える次第です。
途方もない国家権力に立ち向かうマイア率いるネレイスの面々が見たかった気もしますが、これはこれで悪くない落ちだったと感じてます。

<作画>
この頃のJ.C.STAFFはラノベ原作を主流に扱っていて、オリジナルに手を出すのは珍しかった気がします。
同時並行で漫画も出すメディアミックス展開をしていますが、一応原作もなく、それだけに自由に作りたいものを作っている印象を受けました。
原案は士貴智志さん、世界観が常夏の設定もあって露出が極めて高く、かなり扇情的な衣装になっているのも魅力の一つですね。

<声優>
マイアを演じるのは中原麻衣さん、ヒロイン力高いですよね。
他に大原さやかさん、植田佳奈さん、浅野真澄さん、甲斐田裕子さんなどその時代を思わせる強力な布陣でした、
また、支庁長役の岩田光央さんはラジオパーソナリティーも担当していて、中原さんとの掛け合いが面白かったのを記憶しています。

<音楽>
カポカポした感じのOP「明日のBlue wing」は清涼感あって夏に聴きたい名曲です。
EDは前半はCooRieさんと後半は中原さんが同じ曲を歌っていて、こちらも名曲です。

<キャラ>
グロリアとゆうの関係性が好きです、喧嘩ばかりしてるんですけど、そこが良い。
9話のグロリアが不治の病に掛かったと勘違いした回や17話の赤ちゃんを拾う回は二人の濃厚な掛け合いが見れて眼福でした。
グロリアとキスしたのを疎んじたつかさが、マイアにもキスして中和するとかでしたよね、発想が怖い。
良いぞ!もっとやれ!


本作と言えば24クールの書き間違いが有名で、名前は知っているという人は多いのかもしれません。
丁寧に伏線が積み上げられ、回収の仕方も見事で、引き込まれる作品なので、見てない人には是非ともお勧めしたいですね。

投稿 : 2017/02/23
閲覧 : 385
サンキュー:

6

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