「true tears[トゥルーティアーズ](TVアニメ動画)」

総合得点
87.3
感想・評価
6154
棚に入れた
26365
ランキング
157
★★★★☆ 3.9 (6154)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

恋愛ものとしては深い部分まで表現出来ている。

これ2008年の作品なんですよね。
このレビュー書いている時点で9年前ですが
背景がかなり綺麗ですね。
背景をきちんと描いて綺麗、壁やら細かい部分の作画も丁寧
最近の綺麗だと思われる背景の作画よりも丁寧で綺麗な出来はあると思います。

そして最初の主人公の眞一郎とヒロインの乃絵の出会いもかなり良い
木の上にいるヒロインの光の反射の演出もかなり良くて
その上背景の作画も良く、かなりいい感じでした。
そしてかかっている曲もかなり良くて
個人的にはヒロインと主人公の最初の出会いを重要視している者から
言わせてもらえば、これは中々のいい感じの出会いになっていました。

ヒロインの乃絵に関しては一見何を考えているのかはわからないようにみえるけど
心理描写はかなり良いように見えました。
最初の「木から降りられなくなった。」の発言も、声優さんの演技力もあって
気持ちは伝わってきたし、普通ここまで感情的に言わないので
作風の丁寧さは最初からみられましたね。
乃絵が「不幸が訪れますように」と眞一郎に言ったあと
自分のことで悪いことが起こると「人を呪わば穴ニつ」と悟るように
比較的キャラの心理描写は良く出来ているのでキャラは魅力的に見えました。

ストーリーは最初は何のアニメなのかはわからずに
淡々と普通に生活している場面が写し出されるのだけど
丁寧な作風なのでご飯を食べているシーンでも中々いいかなと思える感じです。
普通に生活している描写だけなのだけど良いと思えるシーンが多く
さりげないシーンも良い場面が多い。
例えばもう1人のヒロイン比呂美が眞一郎に下着姿を偶然見られそうに
なったシーンも主人公に殴りかかるようなアニメ的な反応はなくて
実際にありそうな反応をする男女なので
そういった細かいシーン作りは中々だったと思う。
眞一郎の進路が親と折り合いが付いていないことも
普通にありそうなので作風はアニメ的ではなくて実際にありそうに
出来ているのはいいのではないかと思う。

そういった実際にありそうな作風の中、段々と恋愛要素が強まり
乃絵に男の影が見られる演出がみられたり
ヒロイン同士でのけん制のしあいがみられたり、チョットドロドロしてきたかなと感じます。
ヒロインである比呂美に対して眞一郎の母親が辛くあたるので
暗い感じの作風にもなります。
ヒロインの1人の愛子も三代吉と付き合ってそうなのに眞一郎とデートしたり
眞一郎とヒロインが歩いている所を他のヒロインが目撃したり
嫌な予感しかしない話の展開
序盤は作品の方向性は見えませんが確実にいい感じにはならない鬱系の雰囲気です。
ただし、恋愛ものとしての序盤の展開は丁寧な方かな
眞一郎が比呂美に興味が出るきっかけも
第三者との会話からのきっかけだったりして惚れる過程が
自然な感じにあるのは良いと思う。
ドロドロな展開も誤解やすれ違いから発生するものだったり
誰かが悪いわけではないのだけど上手くいかない
展開は恋愛の難しさの描写は出来ているので恋愛ものとしては
深い部分まで表現出来ているのではないでしょうか

さらにそんなただらぬ雰囲気の中、心理描写はかなり良い。
比呂美が眞一郎を自分の部屋に初めて入れるのですが
さり気なく、意味ありげに眞一郎にそのことを言ったり
そういった細かい女心の心理が感じられる丁寧な会話は個人的には好印象
眞一郎が比呂美に対して他の男がお前のこと可愛いって言ってたと
言ったことに対して不機嫌になったりと比呂美の気持ちは直接は言わなくても
気持ちは伝わってきたので心理描写はいいようです。
そして眞一郎の男であるがゆえの無神経さで難しい恋愛模様の見せ方は上手い。
この場面、眞一郎視点、比呂美視点の2バージョンが見られるのですが
そうしなくても良かったくらい眞一郎視点でも比呂美の気持ちは伝わってきました。
つまり女性側の心理描者の良さは評価出来ると思う。

ただ、物語が進んでもテーマ性はみられないかな
何か色々複雑な恋愛模様、人間関係が複数出てくるんですよね。
眞一郎の母親と比呂美の関係
愛子と眞一郎と三代吉の関係、眞一郎と比呂美と乃絵と純の関係と
群像劇と呼ぶには色々散らかりすぎていて
どれを焦点に当てているのかはわからないので
どう見たらいいのか視聴スタイルに困りますね。
その関係もけして健全ではないので一般向けとは言いにくい。
ストーリーを素直に楽しむというよりはドロドロとした雰囲気が
馴染めるかどうかです。

誤解やすれ違いで上手くいかない展開で恋愛の難しさは描けているのだけど
そのせいであまり楽しめる恋愛としては見れなかったかな
そういこともあって恋愛展開で楽しめたのは
三代吉から愛子への思いだった気がするんですよね。
三代吉は気持がわかる描写が多いので好意的に見れました。
それ以外は個人的に悲しい気持ちで見てましたね。

乃絵に関しては成長をさせたいキャラなのはわかるけど
かなり抽象的な表現しかされてないので
彼女のストーリーは理解はしづらかったですね。

結末もシナリオ上、序盤のフラグの立て方からも
何となくわかりましたけど
感想は人によって色々あるではないかの終わり方ですね。
そのせいもあって
悲しい気持ちで終わるアニメだと思います。
これだけ誤解やすれ違いの三角関係が発生すれば
悲しいことになるのはある意味自然なのかもしれませんが

声優さんの演技も実写系向きの熱演だったのでかなり良かったです。
乃絵役の高垣さんは、かなりハッキリとした演技で
気持は伝わってきましたね。
比呂美役の名塚さんは大人っぽい女の子の演技が出来ていて
良い演技だったですね。

個人的にはキャラデザインは好きでした。
特に比呂美のデザインは顔付きが美人て感じが出ていて
体の方も女性らしい体付きで、作品の設定通りなので
かなり好きでした。下着姿の場面も結構あったので
スタッフは自信があったんでしょうね。

最初の淡々と普通に生活している感じで進むのは雰囲気的に良かった。
誤解やすれ違いなど恋愛の難しさは描けているし
最初のころは心理描写もいいのでキャラの気持ちもわかりましたし
好意的に見れる部分も多い。
後半はどのキャラに肩入れして見ても最後は悲しい気持ちになりますね。
チョット生意気言って申し訳ないですが
何でも完璧でなければいけないと考えている人には
群像劇と呼ぶにはストーリーが色々散らかりすぎていて
健全でないドロドロした展開から過大評価かもしれないんですけど
そのおかげでストーリーのいろんな意味で恋愛を考えらせられる作風だし
恋愛ものとしては深い部分まで表現出来ているので
恋愛ドラマとしてはある程度は評価は出来るのではないでしょうか
うーん、なんだろう人を選ぶ作風だけど、そのおかげで
一筋縄ではいかない、しっかりとした恋愛を描けているアニメだったかな

投稿 : 2017/03/23
閲覧 : 211
サンキュー:

11

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