「もののけ姫(アニメ映画)」

総合得点
90.5
感想・評価
2046
棚に入れた
13278
ランキング
53
★★★★★ 4.2 (2046)
物語
4.2
作画
4.3
声優
3.9
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

生命の息吹

宮崎駿監督作品。

若い頃に照葉樹林文化に触れた宮崎氏が、
集大成として15世紀を舞台に選んだのは、
アニミズムが衰退し、
神から貨幣へと信仰の対象を変え、
日本人の精神性に根差した自然観に、
変革が起こったのだと確信したからでしょう。
土地に根差した信仰を捨て、
現代に通じる価値観が生まれ始める。
森は本来、不気味なものの象徴であり、
幾多の生命を育む場所であったはずが、
時代の流れとともにその価値も薄れていく。
この作品からは「慈愛」と「凶暴」さを併せ持つ、
「森」が本来の形で写されています。

主人公アシタカに主体性はなく、
サンはまともなコミュニケーションを取れない。
過去作に比べ魅力の乏しい主人公とヒロイン。
宮崎氏がここで描きたかったのは、
ジゴ坊とエボシではないでしょうか!?
{netabare}ジゴ坊は天子様の命でシシ神の首を追う、
帝はシシ神の絶対的な力を手に入れ国を統べる。
森の神に対する反逆、草木は枯れ生命は衰退する。
自然との共生を描く物語の結末はご存知の通りですが、
制作時の宮崎氏の苦闘は「生きろ!」ではなく、
「滅びよ!」に傾いてはいなかったのかと感じます。{/netabare}

聖なる場所としての森と生命を、
鮮烈に見事に描き切ったこの作品を、
彼の最高傑作に推したいと思います。

投稿 : 2023/07/22
閲覧 : 1240
サンキュー:

103

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