「月がきれい(TVアニメ動画)」

総合得点
93.7
感想・評価
1794
棚に入れた
7552
ランキング
9
★★★★☆ 4.0 (1794)
物語
4.1
作画
4.0
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.0

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たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

80年代の青春に帰る。。のか?

「月がきれい」とは文豪夏目漱石が英語の教師をしていた時代、生徒が「I LOVE YOU.」を「我君ヲ愛ス。」と訳した際に、「日本人がそんな事を言うものか。「月が綺麗ですね。」とでも訳しなさい。それで十分に伝わる。」と言いはなった説話を元に作られた純恋愛アニメである。

一昨年「君の名は」が歴史的に大当たりしたことにより制作されたであろう本作は、思春期の男女のお互い理解しきれない感情を丁寧に紡ぎ出し、追うことにより思春期の儚さ(桜が散るシーンが暗喩してる)未熟さに加え、互いに相手を意識し想う気持ちが伝わって来る作りになっている。

キャラクターデザインにこれまた大ヒット恋愛小説「君の膵臓を食べたい」で人気を博した若干23歳のイラストレーターloundrawを連れて、監督がベテランの岸誠二監督と豪華な布陣である。

岸監督の特徴は日本映画や文学的なものをアニメで表現するのに長けた人物であり、演出や空気感に市川崑、大林宣彦、小津安二郎などの引用が多く見られる。カットの長ましや俯瞰視点などがそうである。

これは新海誠監督や長井龍雪監督、京都アニメーションなどでも多用された手法であり、現実世界の人間の時間間隔よりゆったりとした独特な「空気」を作品に与える。

主に70年代の少女漫画、80年代の日本の青春映画から多用されてきたことなのだが、僕個人はこういった手法はあまり好きではない。好みの問題だと思うが、ゆったりとした「二人きりの世界」というものにリアリティを感じないのである。

欧米の恋愛映画例えば、「アニー・ホール」ウッディ・アレンや「ブルーバレンタイン」デレクフランシスなどのドキュメンタリータッチなやりとりの方が好きで、「ララランド」のような演劇的手法が好きではない。

これは完全に自分の恋愛経験と照らし合わせているからであり、批評と言えないのだが、ギャクマンガのそれと同じで好みがすっぱり分かれると思う。というより、恋愛経験の浅い人やしたことのない中高生にはウケがいいだろうが、大人が見て楽しめるかはまた別の話である。

投稿 : 2019/08/20
閲覧 : 424
サンキュー:

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