「ギルティクラウン [GUILTY CROWN](TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
7195
棚に入れた
30366
ランキング
149
★★★★★ 4.1 (7195)
物語
3.8
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.4
キャラ
3.9

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ネタバレ

reath さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

もったいない作品だった

dアニメで一気に見ての感想です。

音楽作画共に非常に高レベルで、キャラクターデザインも可愛く、遺伝子(ジーン)から心の形を武器にするヴォイドなど、設定的にもとても面白かったです。

好きな場面もありますが、全体的に見てやはりそこまでいいシナリオだったとは言えなかったんじゃないかっていうのが自分の感想です。

特にヒロインの祈ちゃんの心理描写が弱く、終盤の展開の説得力の薄さ、その他細かい点で不満点が多かったのが正直な感想です。

以下ネタバレ感想になります。

{netabare}
この作品、色々と惜しい部分もあるのですが、やはり決定的に大きな不満点につながる所は、祈とハレの扱いの差です。

まずメインヒロインの祈についてですが、物語が始まってからほとんど主人公の傍にいるので、注意深く見ていれば祈が集に惹かれていくのはまあ自然かなとは思います。

ただ、ストーリー上、祈が集に惹かれる様子が描かれる場面はほぼなく、寂しさを感じるシーンや好意を自覚していない描写はありますが、その想いが深くなっていく描写はやはりやや不足しており、終盤どうしてあそこまで主人公を愛してるのかの心情変化がやはり靄ッとするところです。
展開的にもハレがいなくなってから、ハレが今まで集を支えていた役割に祈がすっぽり収まる形で集を支えている等の描写がなされるようになりますので、どうしてもハレの後釜に座った感が強い感覚があります。

ハレは物語開始当初から集に想いを寄せてますが、集にとっては親友以上の存在ではなく、最初から祈に気がある描写があるので、まあ、扱いに差があるのは仕方ないのですが・・・。

しかしハレが死んだ後が本当に酷くて、集はハレを失った事で「ハレは信じて・・・僕にいい所が一杯あるって・・・」と泣きながら颯太を殴りますが、16話以降、集の回想やセリフからはハレが出てこなくなります。

そして最終版で集から出たセリフが「祈だけが僕を信じてくれた」です。

主人公の中からぽっかりハレが消えてるんですよね。
あんなに主人公の一番の理解者で、傍で支えてくれたハレを忘れて、後にその鞘に収まった祈にしか、目が言ってない点がこじんてきにはすごく気になりすごく残念な感じになったところです。

ただ、集は姉が死んだときのショックで幼い記憶をすべて忘れた過去があるので、もしかするとハレが死んだ際も、ショックでハレ自信を記憶から消し去ったのかもしれませんが・・・。
(補足 17話で回想がちらっと出たときにハレを確認しました。ということは集の記憶からハレが消えたわけではないようです。ということは集がハレを忘れるくらいハレに対しての想いが薄かったか、脚本がハレの事をすっかり忘れたかないがしろにしたかのどちらかですね。ハッキリ言ってキャラの行動原理にキャラクター同士の人間ドラマが含まれていないということでしょうかね。ハレの想いや行動は一体何だったんでしょうか)

一応補足で一番最後に皆で集まり、バースデーケーキに「ハッピーバースデーハレ」と書かれている上で、集は目が見えなくなっているみたいなので、ハレが全く終盤語られなかったのはスタッフが忘れているからというよりは、集くんだけがわかってないだけって設定になってるのかもしれませんが、もしそうなっているならそうとわかる様に描写してもらわないとわかりませんし、そうなってないなら、ハレの事をないがしろにして祈しか見えてない奴に見えてしまいます。

ハレは死ぬ前に集のことをきっちりと支えて、勇気づけるために打ち明けるつもりもなかった告白までしてます。それなのに、集のなかではそれくらいの存在でしかなかったってのかと思ってしまって非常に気分が悪くなってしまいました。

あくまでメインではなく退場済みのサブヒロインなので別に深く描写する必要はないという認識はあるかもしれませんが、やはり「祈しかいなかった」というセリフはどうにも擁護できません・・・。

その他の周りの人が裏切る様子や、人間臭い部分は自分は特に嫌ではなく、恐怖政治で支配していたからこそ、解放されたら裏切るっていうのはすごく納得できるのですが、やはりハレの扱いについては本当に腑に落ちません。

またメインのキャラクターである涯についても、1期でなぜ誰がどのヴォイドを持っているか知っているのかについての説明がとくにありません。

非常に高い洞察力で、相手の心の形がわかるっていうのもあるかもしれませんが、それがどんなヴォイドであるかまでヴォイドを取り出さなくてもわかってしまうんでしょうか。

けど確かに涯は切れ者ですが、人の心が全て読めるくらいの深い洞察力があるといった伏線がありません。

つまり色々つじつまが合わず、強引に物語進行に合わせたご都合主義的な展開がいたるところに見えてしまっている雑さがにじみ出てしまってます。

そういう細かいけどすごく大切なポイントが抜け落ちているせいでキャラクターやそのキャラクターが作り出す空間に入ることが出来ずとても痒い気分になることが多かったです。

そういう部分で、本当にこの作品はもったいないと思いました。
{/netabare}

ちなみにやっぱり一番好きなヒロインはやっぱりハレちゃんですね。

投稿 : 2018/04/12
閲覧 : 249
サンキュー:

5

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