「リズと青い鳥(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
548
棚に入れた
2286
ランキング
215
★★★★★ 4.1 (548)
物語
4.0
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

あぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

青春の残酷さと美しさが素敵な作品

この作品の感想としてまず、とても素晴らしいです!
今後、この作品と似たような作品が出てもこれを越えられないと考えています。(京アニの作画、監督の力を含めて)私はなんだかんだ4回行きました…

実際に出来れば…上映期間も少なく場所も限られていますが劇場で見て欲しいです。ネタバレがあまり意味のない作品かもしれませんね…見ない方がいいですが、あまり伝わらないかもしれません。
セリフだけではなく仕草や音、表情、風景、机や窓にも感情が込められていて90分目を離せない。緊張感あります。ただただ青春を感じて欲しい。高校にいるあの感じを劇場で味わって欲しいと感じました。

内容はエンタメ性に溢れたものではないので、向かない人はいるかもしれません。静かな作品です。
心理描写が上手いです。最高です。
今作は少女漫画ような作品で、ユーフォの方は少年漫画のような。

原作、監督、脚本家が女性ともあり、女性にしか作れない繊細で上質な作品だったと思います。切なくて、でも優しかったです。

見た直後の感想は表すのが難しいです。2、3回見ると見方が変わったり、色々な点に気づいたりします。

あと、この作品は人によって解釈が異なっていたりするので感想を見るのが面白いです。

劇場の年齢層は幅広い感じでした。吹奏楽部かな?女子高生グループもたくさんいましたし、おじさんやご年配の夫婦なども。

今回の映画では、テレビシリーズでは陽気で鈍感な希美の内面が少し描かれていました。良かったです。さらに、好きになりました!

特にここ良かったです。
{netabare} 演奏シーンと生物学室はヤバかったですね…圧巻です。感動しました。2回目ではみぞれとの出会いも覚えていたところ!私は泣きそうでした。個人的には、希美のフルートの反射のシーンも好きです。みぞれの嬉しそうな笑顔が可愛くて、そして切なくて。そこの流れる音楽も好きです。{/netabare}皆さんはみぞれ、希美どっちに感情移入しましたか?


正直、私はアニメシリーズを見ていたのですが、初見の方はどう言った感想を思ったのか気になります。
他の感想を見るとテレビシリーズを見てる方が多いので。誘った友人は感動してくれました。あとその後、響けに興味持ってくれて、完走したらしいですw


見終わるとテレビシリーズの2人とは全く違う印象でした。3年の卒業から時系列的には2カ月?後の話ですよね。特に{netabare} 希美 {/netabare}の印象が全然変わります。でもより、好きなキャラクターになったかなと感じます。


本編の私の解釈だいたい 総括 ネタバレ含みます。
少し長いですw

{netabare}
2人が学校に入るシーンでは青い鳥が2羽窓に映ります。
そして、2人が勉強練習と別々のシーンでは2羽の青い鳥はお互い逆方向に飛び立ちます。そして、2人が学校を出ていって終わります。

どちらも青い鳥であることがわかります。最後の2羽の白い鳥は2人の未来の暗示かこれからの希望を思わせる描写でした。結果的に、離れる時間が増えてしまったけど、それでも前よりも互いに確かなものが築き始めた思います。まだまだすれ違いや大きな何かが解決したわけではないが、2人なら大丈夫だと感じられました。
バットにも見えますが、でもハッピーエンドではなくハッピーエンドの予感エンドでした。


 

人間関係ではリズ→みぞれ 青い鳥→希美 でしたが
音楽の才能ではリズ→希美 青い鳥→みぞれでしたね。
初めて見た時は、この展開になるとは驚きました。

みぞれにとっての希美の好きは、恋に近い友愛だと考えていて
その感情には感謝、尊敬、憧れも含んでいると思います。
希美が世界の全てで彼女の行動が全部、特別なのを感じました。
映画の冒頭で希美の足音を識別してるぐらいですからね。
希美がまた自分の前からいなくなるのではないか、希美に慕う周りの人を嫉妬しています。一途で切ないです。かなり依存しています。



みぞれは、ただ希美のそばに居たいんだと思います。好きって言って欲しいだとか好きになって欲しいとか、そんなの望んではいなくて。希美にっとって私は友達にしかすぎないと思っているからこそ、どんな形でも希美のそばに一生居たい。その許可が確証が欲しかったんだと思います。生物学室のシーンでは、許可が貰いたかった。でも返ってきた言葉は確証できるものではないけど、離れていても希美が愛してくれるそんな言葉として彼女は認識し、オーボエを希美のために続けていくのだと思います。


剣崎後輩との関わりで少し心を開き、新山先生との会話で覚醒し希美のために吹くソロのシーンは自然と涙が出ました。告白シーンも良かったです。やっとこれまでの想いが伝えられて。「希美にとって違くても…」ここ切なかったです。





希美にとってのみぞれの好きは奏者としての尊敬と愛の2つ存在してると思います。
音楽が好きな希美にとって、みぞれのオーボエは好きですし、その才能に尊敬しています。映画の序盤では「ソロ嬉しい…だって…練習頑張ろうね!」とありますが、だっての後に続くのはみぞれのオーボエと演奏できるからだと考えられます。またそれと同時にその才能に嫉妬しています。TV版のプールシーンや演奏音大の件など

それとはまた別にみぞれを大切にしています。みぞれにとって私しかいないというのを理解しています。歩くシーンからも彼女が必ず私の後ろをついてきてくれると思っています。だから、わざと祭り誘ったときも他に誘う人がいないと知っていて、いるか確認しています。


みぞれには、私しかいないから。
私がみぞれを支えて上げないとと思っていたのでしょう。だから上手くなって、みぞれを導いてあげたいと…

彼女も彼女でみぞれに依存していることが分かります。
プールに他の人を誘ったときの動揺、後輩と練習しているのを聞いて嫉妬し、また寂しい、悲しいと希美の中でみぞれがたくさんいる友達の中の一人ではないと思えます。みぞれとの出会いもしっかりと憶えていましたし。



後輩の剣崎ちゃんの登場はみぞれを成長させましたね。
剣と鎧とだけに正反対の2人でした。最初は、のぞみぞの方が正反対のように考えていましたが、元を辿るとこの2人は相手に本音で話していない。希美は広く浅く友達がたくさんいるけど、本音が言えない点では一人とも言えます。だから、この2人は元は似ている属性?だと感じました。
剣崎ちゃんは、本音でグイグイくるタイプぽいので、みぞれとは正反対ですね。

鷲?学校の周りを徘徊しているシーンが何回かあります。どれも剣崎とみぞれ関連で登場します。なので、剣崎=鷲?それとも、みぞれの成長を表しているのかもしれません。
作中の中で鳥がいろんなところに飛んでいました。
ペン図やjointの話もありますよね。
2人の歩く距離や足音など
カラフル傘のシーンも興味深かったです。雨→みぞれ、傘→希美かな?



{/netabare}

希美の解釈がこの作品の意見の分かれ目になっていますよね。
{netabare}
実際どれだけみぞれのことが好きなのか、声優さん?は監督に聞いたと書いている記事がありましたね。

原作者は2つの好きを書いたと言ってたので、希美も好きでしょうが意味は違う好きですよね。


みぞれはピュアだけど。希美は仮面が厚い。広く浅く交友関係を築いていて本心を見せてこない。
みぞれは想いを話せないで、希美は話さないだと思う。
みぞれが髪を撫でるのは言いたいことを言えない仕草で、希美は知ってて知らないふりをしたり、本心か建前なのか迷うところ。

希美の行動は無意識なのか自覚ありなのかで人によって解釈が変わると思います。


その感情を本人はいつから自覚しているのかが気になる。本人はみぞれとの出会いは覚えていないと言ってたけど、しっかりと覚えていた。

その時から特別なのかもしれない。中学の時からだとするとみぞれから消えた後、みぞれのことを実は気にかけていたかも。響け2期では鈍感のふりをして謝っていたのかもしれない。2期の見方が変わるかも。 
そう見ると、序盤の近づいてみぞれから離れたり、ハッピーアイスクリームの意味を聞かなかったり、フルートの光の反射を当てたのもわざとかもと考えてしまう。

つまり希美の行動は無意識とも、自覚があるともとれますよね。
考えすぎなだけかも知れませんけど。




物語後半ではみぞれは青い鳥の気持ちを知り覚醒、希美はリズの気持ちを知りみぞれを手放す決心をする。希美はこの場面で「なぜ私に青い鳥を逃がす方法を教えたのですか」と言っていて、この時すでに「私はみぞれの、、」を言うつもりだったと…考えています。

希美にとって辛い選択だったことがわかる。オーボエが好きなのは本当だけど、それだけではない部分が切ないです。

自分の才能に向き合い認めること。みぞれを導くことができる人間ではないこと。共存関係からの解放すること。そして、彼女を羽ばたかせること。
みぞれの楽譜に羽ばたけ!と書いていて、希美の優しさが溢れていました(´;ω;`)


前の関係の方が近く、お互い需要と供給された関係でした。
お互いに相手の幸せを願い相手から離れ自分の道を別々に歩み始め、遠くなったように見え、でも確実に信頼関係が形成されつつある感じでしたね。

最後一瞬だけ重なる瞬間、お互いに肯定的な意味になっていて良かった。
変わったようであまり変わっていないような、まだまだ噛み合っていないことばかりですが、ほんの少しだけ変化しました。
みぞれに向き合って最後、振り返った希美の笑顔きっとは1番の笑顔だったんだと思います。

{/netabare}

その他にも、監督や原作者の対談など見てください。
色んな事が書いてあって面白いです。

本編の唯一の欠点だと思っているのは、完全な初見さんがみるのには厳しいかなという点です。あらすじなど読むか勘の鋭い人は大丈夫かもしれません。童話の少女の声は童話の演出として何も問題はないと感じました。子供ぽい感じ、2人1役というのも。



京アニさん、ありがとう…見れてとても良かった。
上映場所がかなり限られていて残念ですが、観れる方は是非!

投稿 : 2019/01/28
閲覧 : 421
サンキュー:

39

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