インスタントユージョー宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画)

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「宇宙よりも遠い場所」

よみがな:そらよりもとおいばしょ

放送中:2018年冬アニメ(2018年1月~放送中)

★★★★★ 4.2
物語:4.3 作画:4.1 声優:4.3 音楽:4.1 キャラ:4.2
総合得点 77.8
感想・評価 806
棚に入れた人 2416
ランキング 265
いつだってボクらの一歩は好奇心から始まった。
見たことのない風景を、
聞いたことのない音を、
嗅いだことのない香りを、
触れたことのない質感を、
味わったことのない食物を、
そして感じたことのない胸の高鳴りを、
いつの間にか忘れてしまった欠片を、
置き去りにしてきた感動を拾い集める旅。
そこにたどり着いたとき、
ボクたちは何を思うのだろう。
吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度、
荒れる海原を超えた先にある原生地域。
地球の天辺にある文明を遠く離れた遥か南の果て。
これは《南極》[宇宙よりも遠い場所]に向かう
4人の女の子たちの旅の物語。
ボクらは彼女たちを通して、
明日を生きるキラメキを思い出す。(TVアニメ動画『宇宙よりも遠い場所』のwikipedia・公式サイト等参照)

ブリキ男さんの感想・評価

2018.05.16 06:31 ブリキ男の評価 | 観終わった| 286が閲覧 ★★★☆☆ 3.8 評価対象: 宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画) 物語 : 2.0  作画 : 4.5  声優 : 5.0  音楽 : 5.0  キャラ : 2.5

インスタントユージョー

南極で消息を断った母親を追う様にして彼の地を目指す一人の女子高生とその3人のお供の物語。

若い頃はやりたい事が沢山あっても知識も経験も追いつかなくて、出来なくて、思いだけが空回りする事はあるもの。

冒頭のシーンから、多かれ少なかれ青春時代に誰しも経験するであろうフラストレーションと、その開放を描くお話なのかな? と、早くも察する事が出来たので、そんなお話なら、きっと胸のすく様な痛快な場面に巡り会えはず!と、ワクワクしながら視聴に望んだのですが、初回からの作為的過ぎる物語の流れに強烈な連打を浴びせられびっくり仰天(汗)

物語の発端となる学校をサボって~の下りはやった事ある人、割といるんじゃないかと思うんですけど(わたしもやった事あるし笑)
{netabare}
1.南極を目指すためにある女の子がバイトで100万円を貯めて
2.落っことしたら同じ学校に通っている女の子が拾ってくれて
3.意気投合したと思ったら、近所でバイトをしていた、やっぱり同年代の女の子とも仲良くなって
4.あれよあれよという間に、アイドルの女の子とも知り合いになって、この4人で南極を目指す!

こんな事信じられるだろーか?
{/netabare}
16~7歳ともなれば趣味嗜好はもちろんの事、近い将来限定で、進むべき道のベクトルもおぼろげながら定まっている人も多いはず。偶然知り合った4人の少女たちが、南極を目指すという目的で、あっという間に一致団結し、共に旅立つ!という展開はどう考えてもトンデモで、アニメと言う前提をもってしても俄かには受け入れ難いものがありました。

多分ですけど、彼女等と同世代の女の子で南極に行きたがる人なんて、日本広しと言えどもほんの一握りしかいないのではないでしょーか?

けいおん!、ヤマノススメ、ゆるキャン△の様な、手の届きそうなものものに向かって一歩を踏み出すお話と比べると、敷居の高さに大きな隔たりがあるのです。
{netabare}
演出面もかな~りおかしい。初回の、ホームで札束入りの茶封筒がバッグから落ちても気付かない報瀬さんの緊張感の無さ、無理があり過ぎでした。一般的な高校生にしてみれば100万円はとてつもない大金。それだけのオカネを茶封筒に入れて、無造作に学校のカバンに突っ込んで持ち歩くという行為からして現実味薄し。後の展開へ繋がる布石としては、あまりにも強引な力技だったと思います。

続く学校のトイレのシーン、これについてもわたしの理解の範疇外でした。南極と言うあだ名を付けられて学校で孤立しているはずの報瀬さんが、初対面のキマリに抱きつく? 救いの神降臨!な場面にしても、とても血の通った人間の行動に見えず、ただただ唖然とするばかりでした(汗)

号泣&抱き付きシーンは、後のお話でも何回か見られるのですが、気心の知れた幼馴染同士ならともかく、主人公4人は初回時点ではお互いに面識無しですし、加えてキマリ以外の3人には全てぼっち属性があるというのに、それぞれ他者に対する警戒心が無さ過ぎるのです。

人間関係の構築をそれなりに丁寧に描いたアニメ、例えばギャグ寄りのものでも「干物妹うまるちゃん」辺りと比較すれば一目瞭然なのですが、このアニメには友情が成立する為に不可欠な、歩み寄り、磨り合わせの部分が無いのです。過程を丸っきり端折っている様に見受けられました。

尺的な厳しさを割り引きしても、初回近くのキマリとめぐっちゃんのエピソードを除き、一朝一夕で構築されたか、予め構築された人間関係のお話を見せられている様で、それぞれのエピソードは素晴らしいのですが、ほぼ全編に渡って根幹が無い友情を見せられている感じで、釈然としない後味が残ってしまうのでした。
{/netabare}
ファンタジーにせよ、そうでないものにせよ、優れた作画によって表現されたアニメキャラの情感の機微は、画面のこちら側にいるわたしたちに、真摯に、直接的に訴えかけて来るものがありますが、その表現が大げさであったり、不自然であったりすると、不気味の谷の問題と言いましょうか、やはり何らかの違和感、ストレスを感じるものです。本作における、大粒の涙を含むキャラ表情のディフォルメ加減と過剰演出の組み合わせは、そのストレスを無視出来ない水準まで引き上げてしまっていた様にわたしには思われます。

他方で、声優さんの演技は、スタッフ名に目を通して頂ければ分かる通り、言わずもがな最高レベルのお歴々によるもの。それ故に、上に述べさせて頂いた類のいくつもの不条理を、一瞬で全て踏み倒すだけの迫力があり、どこか化かされた様な、振り返ると声に泣かされた印象のみが色濃く残っていまうのでした。

化かしと言う観点で見れば、OP、EDの功績も極めて大きかったと思います。キャッチーさと本編との調和の高さに関しては、同シーズンのアニメの中でも突出した出来栄えでした。OPでは心が湧き立ち高揚し、EDでは次回が待ち遠しくなってしまう。キマリが180°回転する開幕は爽快過ぎて、画と音による洗脳に近かったです(笑)


最終話のあれこれ
{netabare}
母の死を受け入れ、前に進む決意に至る報瀬さんの第一歩。宇宙よりも遠い場所とは、南極延いては冥界を指す表現という事で納得させて頂きました。

ただ、蛇足とも言えるシロップ撒きのシーンには非常な不快感を覚えました。

野球をするために赤いシロップで氷原にラインを引くという行為。観測隊の名誉に関わる事なので、きちんと取材した上での描写だと思うのですが、それだけに彼等のモラルの低さ、科学者(じゃない人もいるけど)としての自覚の無さを目の当たりにしてしまった様で残念に思いました。

環境問題に感心のあるわたしとて、それが地球規模で見ればちっぽけな汚染だと言う事は認識してはいるのですが、行為そのものにあまり意味がありませんし、浄化のサイクルが緩慢な南極だし、塵も積もれば山になると言う言葉もありますし…。

登場人物の内の誰一人として、その行為に対して難色を示さなかった点、更に言えば、半部外者である主人公の4人の高校生でさえ疑問の声一つ上げなかった点も驚きです。

近年では※1旅行会社の企画した南極ツアーというものもある様で、金さえ払えば一般人ですらこの地を踏む事が出来るという話も聞きます。ですが、もし彼等観光客達が、先に挙げた観測隊員のした事と、全く同じ事をしていたらと想像するとどうでしょう? オブラートを取り除く為に敢えて言いますが、日本人でもなく、女子高生でもなく、ましてや観測隊員でもなく、例えばマナーの悪い外国人観光客が同じ事をしていたとしたら?

そんな想像をすると、観測隊員たちの掲げる、地質調査、オゾンホールの観測、地球温暖化の影響の調査等という立派な大義名分(前面に置かれたテーマではなかったけれど)が、急に胡散臭く見えてきて、失望を禁じ得ない気持ちになってしまうのでした。

そして最後の最後でもがっかり。いつの間にか北極に行っている人がいたり、100万円を南極に置き去りにしたり、取って付け過ぎでした(汗)前者はもうギャグアニメの領域で、後者については、南極に来る為に貯めたお金で、それが叶ったのだから、もう必要ないというニュアンスは分かるのですが、美談にしてもやり過ぎだったのではないでしょうか。

藤堂さんや結月ちゃんのお母さんのコネが、4人の旅の成功に決定的な役割を果たした事は明白ですが、一方で、仲間も無く1からのスタートを切ったであろうめぐっちゃんが(難易度は低いと思いますが)唐突に北極行きを成功させているのを見ると、脚本の匙加減でどうにでも物語を操作出来る、全能者の鎮座する舞台裏が、どうしても見透かされてしまうのです。

私的には、めぐっちゃんは日本で何かしらの目的の為に頑張っていて(キマリ達がバイトしていた店で働いているとか)、報瀬さんは100万円はしたたかに持って帰って、気前良く4人お揃いの腕時計(再び観測隊に参加した時に役立ちそうな機能性の高いやつ)とかを買って、ぱーっと使ってしまった方が、さっぱりと気持ちの良い結末になったんじゃないかと思います。

オカネ、結局は見つけた大人が藤堂さん経由で報瀬さんに返すと思いますし…(汗)

※1:全世界で(年間)2万人前後の観光客が南極を訪れているらしい。(環境省調べ)
{/netabare}
総評。友情物語としては出発点となる歩み寄りの部分の描写が足りていないため、主人公4人の結束の固さに説得力が無く、また私的には最大の見どころになるはずと期待していた、南極そのものの魅力、※2厳しさの表現についても淡白で物足りない印象を受けました。

導入では等身大の女子高生を描き、それ以降は嘘の様な本当の話を装った、デウスエクスマキナの介入しまくる都合の良い展開の連続‥。シリアスなお話に添ぐわぬご都合な脚本、過剰演出については最後まで受け入れ切れず、泣きどころでは声優さんの演技力とBGM、挿入歌に圧倒されていた部分が大きかった様に思います。

人の負の面と捉えられがちな、嫉妬や怒りに類する感情に焦点を当て、その醜さをありのまま描き、場合によっては、その激しさに肯定的な解釈を与えていた点については、脚本の思い切りの良さ、勇気を感じました。ただ、主人公側のキャラは一人を除いて全員概ね潔白で、悪人とのきっぱりとした色分けがされていた点については設定におけるバランスの悪さがあった様に思います。

そこそこの薀蓄、※3美しい背景作画、OPED含む作中で使用された全ての楽曲、声優さんの熱演には大きな魅力がある作品だと思いますので、主人公達と一緒に観光旅行に行くつもりで見てみたら、案外と色々な発見があるかも知れません。

何となく、お正月とか寒い時期に軽い気持ちで見てみたくなりそうなアニメです(笑)


※2:昭和基地近辺の夏期の平均気温は0℃前後だそうなので、南極の厳しさが感じられないのは仕方がない気もしますが、閉鎖環境における軋轢や物質的な不便さの描写が少なく、ストレスフリーな生活をしている様に見えてしまいました(汗)

※3:ペンギン饅頭号の甲板上からクジラを観測した時、静止画になっていたのがちょっと残念でした。

 サンキュー(34)

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