「聲の形(アニメ映画)」

総合得点
88.8
感想・評価
1496
棚に入れた
7400
ランキング
96
★★★★★ 4.1 (1496)
物語
4.2
作画
4.3
声優
4.2
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

ツークツワンク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

硝子という聖人

心に響く場面(小学校のリアルないじめシーン)があったものの全体としてどうなのかなぁという感想

小学生時代の将也のいじめがえげつなさ過ぎて冒頭の自殺シーンは因果応報というか、理解できなくはないけど共感はできない
小中といじめられたなら高校くらいは少し離れた学校に通うとかしても良かったんじゃないかな
罪から逃げないっていう解釈だと自殺未遂とは繋がらないので、地元の高校に通う時点で生きるのを諦めてたのだろうか

硝子に謝るために手話を練習していたのは分かるけど、真っ先に謝ろうとせず大量の悪口書かれたノートを返すのは理解に苦しむ
過去のトラウマを抉るだけのノートを渡すとか鬼畜か
悪口が書かれたページくらい消しゴムで消すか破っておけよと
硝子が聖人だから許されてるけどどういう想いでノート受け取ったんだろうと疑問
将也のことが好き過ぎて盲目になってしまい、昔のノートを手話を交えて返してくれるなんて素敵だとでも思ったのだろうか
最初は拒絶されて段々と~といったステップも踏まずにいきなり赦されるものだから拍子抜けしてしまい、将也の贖罪が薄れて見える

硝子は自分の存在のせいで両親も離婚し、転校したことで将也がいじめられるといった経緯もあって全部の罪を背負い込み自殺しようとするのだけれど
障害者=聖人っていう安易な見せ方もこうなると疑問に感じる
エンタメだから良い面しか書かないにしても、全てを赦せる聖母レベルで人間味が全くないとなると障害者を美化し過ぎなんじゃないのかなって穿った見方をしてしまう
全部私のせいですからと背負い込む自己犠牲的人間がいないわけでもないのだが……
リアルないじめを描くのとは対照的に、あまりにも硝子が純粋無垢の聖人という点が歪に感じてしまう

観覧車での植野は罪を背負った硝子にトドメをさすのだが、そんなことも知らず硝子の母が土下座して謝るシーンは辛い
最後開き直ってる感あるけどお前の責任だぞって一番言いたい

尺の都合で描けないのは仕方がないけれども川井も大して改心した様子もなく、島田についても後で仲直りするかもね程度の投げっぱなしなので気持ち良く終われたという印象はない
コミュニケーションがテーマなのだから最後は全員と和解して綺麗に終わって欲しかった
植野とは最後に対等なコミュニケーションが取れたとしても前述の理由があるため謝罪くらいはしないと納得がいかない

川井のゾッとする気持ち悪さ、いじめの描写、小学校の先生など妙なところでリアリティを追及する割には硝子の存在がファンタジーになってしまったことと、気持ち良く終われる最後ではなかったので残念
障害=罪、障害者=聖人のような見せ方も実際の人から見たらどうなんでしょう

ただ早見沙織の演技は凄かったと一言だけ付け加えたい

投稿 : 2019/09/30
閲覧 : 333
サンキュー:

6

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