「ハウルの動く城(アニメ映画)」

総合得点
76.7
感想・評価
1048
棚に入れた
6604
ランキング
671
★★★★☆ 3.8 (1048)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.5
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

USB_DAC さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

こんな城に一度は住んでみたいものです

物語:
イギリスのファンタジー小説を原作とする魔法の世界。企画当初は細田守氏
を監督として進められていたようですが、様々な事情によってジブリが制作
を行ったという訳ありの作品。フライングカヤックと呼ばれる小型飛行機械
や巨大な爆撃機など、如何にもジブリらしい乗り物が多く登場します。そし
て我楽多を繋ぎ合わせた動く城は、今見てもその不思議な様相とコミカルな
動きで独特の魅力があります。

作画:
とても優しいタッチで描く作品。やたら物の多い城の中。細々とした装飾品
の鮮やかさ。サリマンの屋敷の神々しさ。新たな装いへと変わる部屋の変化
への驚き。そして城のコミカルな動き。作画を協力したと言われる幾つかの
名門プロダクションの名前からも、その拘りへの苦労が伺い知れます。

声優:
例に漏れず多くの俳優陣を主としたキャスト。賛否はありますが皆とても良
い仕事をしていると思います。ただソフィー役の倍賞千恵子さん、もう少し
若さと老いの差をハッキリさせても良かったかなという思いです。それにし
ても使い犬のヒンを演じた原田大二郎さん。キャスティングを知った時は本
当に驚きました。またマルクル役の神木隆之介さん。今聴くととても幼くて
子役らしく可愛い声をしています。

音楽:
「ソフィーの気持ちが持続するように、音楽に一貫性を持たせた」と久石氏
や宮崎監督が語るように一貫したテーマ性をこの作品には感じます。若さと
老いを演じるソフィーに通じる「人生のメリーゴーランド」の様々なアレン
ジ。そして同じ曲調の「世界の約束」はこの作品にとても良く合う楽曲だと
思います。

キャラ:
サリマンの屋敷へと向かう荒れ地の魔女とソフィー。息絶え絶えながらも意
気揚々と階段を上るソフィーとは対照的に、如何にも苦しそうに次第に老い
ていく荒れ地の魔女。この二人のギャップが当時とても印象的でした。それ
にしても美輪さんの引き出しの多さには感動さえ覚えます。そして最後に失
恋した案山子のカブ。チョットだけ可哀そうでした。w



[感想]

帽子屋に勤める18歳の少女ソフィー。ある日、荒れ地の魔女の呪いにより
90歳の老婆にされてしまう。呪いを解く為に家を飛び出し、ハウルの城に
掃除婦として居座るようになる。やがてハウルと過ごす内に次第に恋心を抱
いていく。そしてサリマン達との戦いに傷付いたハウルを助けると同時に呪
いが解け、若さを取り戻した彼女は彼等と共に生きることを決意する。

ソフィーが時折見せる本来の若い姿の謎。この呪いは老婆に姿を変えるもの
ではなく、その時の気持ち(精神年齢・若々しさ)を姿に表す呪い。恋も知
らない地味な容姿に抱く劣等感。そんな後ろ向きな彼女の気持ちが、周りに
老婆の姿を見せていたということでしょうか。

ハウルは当然そのことに気付いていました。だからこそ模様替えをした城で、
美しい花園へと繋がる赤い扉を作り彼女にプレゼントした。いつ迄もこの花
園で若々しい気持ちと姿を見せて欲しいと。そして花屋を営み、ずっとその
若さを保ち続けて貰いたい。そんなハウルの想いが込められている様な気が
します。魔法が解けた終盤、行動力のある女性に変わった彼女は心も身体も
若返り、より美しくなった様に見えます。そして唯一変わらぬ白い髪。それ
は彼女の心の成長を表すもの、そう言う意味なのでしょうか。

最後には皆が優しい姿に変わっている。いつの時代も人を動かすのは優しい
心根と温かさ。それはとても大事なことなのだと改めて思いました。


以上、拙い感想でした。


2019.11.01  初回投稿
2019.11.05  誤字修正

投稿 : 2019/11/05
閲覧 : 222
サンキュー:

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