蒼い星 さんの感想・評価

3.0
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態：観終わった

特撮っぽい＆ロボット＆美少女なアニメ。

【概要】

アニメーション制作：AIC

戦え!!イクサー1 ACT.I（1985年10月19日発売）
戦え!!イクサー1 ACT.II イクサーΣの挑戦（1986年7月23日発売）
戦え!!イクサー1 ACT.III 完結編（1987年3月4日発売）

全3巻のOVAシリーズの第1作。
原作は、漫画雑誌『レモンピープル』に掲載されていた、阿乱霊による短編漫画。
なお、アニメは完全に別物らしい。
監督は、平野俊貴。

【あらすじ】

深夜の無人の街中を走って逃げる青年。
追跡者は金髪で尖った耳をしていて変わったコスチュームに身を包まれた少女。
いざ、逃げられなくなると青年は唸り声をあげて頭が弾け飛んだ。
そして青年の身体を食い破るようにしてタコのような体表のバケモノが現れて襲いかかったが、
少女の手から放たれた光弾によってバケモノは一瞬で消滅した。

地球は狙われていた。宇宙の彼方から安住の地を求めて放浪している種族・クトゥルフによって。
クトゥルフは生物兵器を地球に送り込んで人間に寄生させて醜い怪物の姿に変え、
地球を地獄に変えて人類を滅ぼしたのちに、地球を母星にしようとしていた。

金髪の少女の名前はイクサー1。クトゥルフが作った人造人間戦士であるが、
残酷な侵略者と化したクトゥルフの寄生生物から地球を護るために戦っていた。

イクサー1は、自分とシンクロすることで能力を目覚めさせてくれる地球人を探していた。
パートナーとして選ばれたのは、加納渚という少女。だが、イクサー1から選ばれたことによって、
クトゥルフから目をつけられた渚は尋常でなく過酷な目に遭うのだった。

【感想】

全3巻視聴終了。

エロ、グロ、美少女、メカの四大要素で構成されている作品。
少女の悲鳴と涙と泣き声、あと時々の全裸ばかり印象に残ってストーリー面ではイマイチ。
襲われている少女（渚）と幼女（小夜）のパンツがちらちら画面にとにかく映っている。

イクサー1と渚がイクサーロボという巨大ロボットに乗って敵と戦うのですが、
渚が全裸で液体に浸かって操縦していたり(そういやOVA版のレイアースも同じ平野監督で全裸仕様)、
渚を襲う怪物（人間に寄生して変質化）が触手だらけで18禁アニメみたいな絵面だったり、
女の子の親が怪物に乗っ取られてグロテスクなバケモノの姿になって我が子を襲うトラウマ展開など、
自分が親の立場なら子供に見せたくないかなあ（笑）

展開はシリアスかつ超ハードで、猟奇的であったり怪物のグロテスクな描写に本当に気合が入っていて、
観ていて本当に気持ち悪いというか、目の前で怪物になった友達や家族に襲われるという、
女の子たちの精神的被害が大きすぎて可哀相になってきます。
結末も含めて全体的に展開が大雑把で強引。
何故？とイチイチ疑問に思っても多分詳細な設定が存在しないと思います。

（シリアスなだけでなく1話16分40秒頃に『Zガンダム』のカミーユとファのカメオ出演、
　地球防衛軍の出撃などの、アニメーターのお遊び要素がありますが）

何故こんな話になったかと言うと、初のOVAが1983年の『ダロス』であり、これは1985年作品。
TVアニメがメジャーリーグとすると当時のOVA市場はマイナーリーグでインディーズな存在であって、
売るためには、ショッキングな映像でボリュームたっぷりにせざるを得なかったのか？と思ったり。
スプラッタ映画的な要素と扇情的な嗜好を目指した作りに当時としてはハイレベルな美少女作画を加えて、
更にロボアニメとしてのメカへのこだわりなどアニメ動画屋として良い仕事をした作品だったのでしょう。
ですが、きちんと設定や展開が練られた文芸的な作品が作られている今の基準では、
シナリオ面でガバガバ、ウケ狙い、雑で脆弱という印象が強いですね。

90年代に続編が出たそうですが、市場が拡大したアニメファンの需要に合わせて、
ホラー的な作風が薄れて萌え成分が増強されたそうです。
やはり85年当時としては、売るためにはグロ気味の作風では良かったのでしょうけど、
今になって視聴する分には作家性という点で個人的には趣味に合いませんでした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。