ひろたん さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

賭ケグルイは、人間のDNAに刷り込まれた生存戦略だから仕方ないんじゃない？

この作品の面白さは、大金を賭けた、ギリギリの精神状態の人間模様です。
それはドロドロのはずなのに、なんとも言えない清々しさも感じます。
やはり、極限状態の緊張感と勝負がついた後の解放感の差が心地よいのでしょう。
投資で言うところの含み損を損切りした後の解放感と言う感じでしょうか。
また、いかさまを暴くところに正義感も感じるのもその理由の１つでしょう。
ドラマ「銀と金」にも似たような面白さがありました。

また、早見沙織さんの演技とOPとEDは、文句のつけようがないほど素晴らしいです。


さて、人はなぜギャンブルに魅せられるでしょうか。
やめときゃいいのにどうしてもギャンブルをしてしまいます。

それは、人間は、もともとリスクテイカーだからです。
人間にとって、賭けることは、生きるために必要なことだったからです。

人間は、歴史が始まって以来、常に自然とギャンブルをしてきました。
獲物はこっちにいるのか、それとも、あっちにいるのか？
種を蒔く時期は、今がいいのか、それとも、もう少し待った方がいいのか？

また、人間の行動は、基本的に「見る」、「考える」、「行動する」の順番です。
この中で一番大切なのは、「行動する」ことです。
なぜなら、「行動」しなければ、変化は起きないからです。

科学が無いころは、自然相手に「見て」も「考えて」も分かりませんでした。
しかし、お腹がすいたら「行動」を起こさないかぎりは、死んでしまいます。
そこで、人間は、イチかバチかの賭けに出ないといけなかったのです。
人間は、こうして生き抜いてきました。
賭けをすると言うことは、人間のDNAに刷り込まれた生存戦略なのです。

今の時代は、自然相手に賭けをしないと食いっぱぐれることは稀です。
しかし、DNAには逆らえません。
そこで、お遊びの賭けごとに気持ちが向かってしまうのでしょう。
賭けは、もともとは生きていくための生存行動です。
そう言う行動の場合、アドレナリンは大量に分泌されるはずです。
しかも、生存行動なので、生きるか死ぬかが決まるまでは、続くことになります。
そうなると、あとは、狂っていくだけですよね。
賭ケグルイです。

この作品は、人間のそういう根源的な部分を垣間見ることができるので面白いです。