「スーパーカブ(TVアニメ動画)」

総合得点
75.3
感想・評価
479
棚に入れた
1360
ランキング
803
★★★★☆ 3.5 (479)
物語
3.4
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.4

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ネタバレ

正直者のだむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

フラットに評価すると良作で間違いない出来のアニメであった

 まず全体的に作品を楽しめたので普通に満足感があるアニメだった。

 題材的に(近代社会を支えた馴染みある商業用バイク)、視聴者の層がただのアニメ好き以外に、カブに思い入れがある人も見るわけで、評価の仕方や熱意が他のアニメとは異なるのがこのアニメだと思う。

 カブは特に思い入れが無いのでフラットにアニメを評価していくと・・・
 主人公(小熊)は原作の人物設定を見てみると「父親は生後間もなく他界し、母親は高校入学と同時に失踪、頼れる親族もいない=天涯孤独であり、地味で現実的な性格故の毒舌で心の中で悪態をつく」とあり、コミュ力が低いが気が弱い子ではない。しかし実は少し寂しがり。
 それをアニメでどう演技するのか迷ったのだろうけど・・・
 正直に言うと会話時に主人公声優の「片手に台本があってマイクに向かって感情込めてます」感が時々伝わってきてしまったので、心の中の呟きなら満点だけども、二人と喋る時もその調子だと、キャラが会話し合ってるようには見えないのが凄く気になってしまった。
 ただ、上記は声優の演技指導の仕方に問題があると思う
なぜなら、語り手も兼任しているため、そこと会話時は口調を分けないと、かなり不自然であるのが伝わってきてしまうため。
なので、声優その人のポテンシャルはこんなもんではないのでは?とも思えた。
 一方ロングの子(礼子)と青髪の子(椎)の二人は凄くキャラに馴染んでいたのでしっくりきた。特に青髪の子は、武装少女マキャヴェリズムで 因幡月夜役の「がっっっかりです!!」で有名な日岡なつみである為、まさに低身長である椎のキャラに合っていて、個人的に今期のナンバーワンキャラだった。

 一方物語はというと、序盤は丁寧な作画に合わせるかのようにゆったりとした進行で現実感があり、見てる側も少し寂しい気がしてきくる感じだったのだが、それを救ったのはやはりあの爽やかなOP曲の演出が素晴らしかった(今期覇権OP)ため、わくわくしながら話が進んでいった。
 物語の前中盤は、カブがある生活によって人生の視野が広がり、そんな時に礼子と関わり始め、カブに対する知識とカスタム愛の話を礼子に聞かされながら、自分でもメンテナンスをするようになり、カブについて詳しくなっていく。そして夏休みにバイク便で資金調達活動を行い、一方礼子という変人はカブで富士山アタックを試みる視聴者も苦痛の回でこのアニメの行く末が心配になったが、なんとか乗り越えそれぞれの夏を過ごした礼子と小熊の再開で一気に距離が近くなった。
 中中盤では、修学旅行回となり、小熊の不安定な体調不良?により途中参加でカブで旅行先まで行くことを決行し、二日目では若気の至りでカブ二人で旅行先を楽しむ炎上回(草)となった。
↑この回では様々な場所が場面場面で登場し、既知の人にも、まだ行ったことがない人にも後々影響を与える回になるのだろうと思う。
コメント:自分もバイクでならまた行ってみたいと思える場所もあり、生きる意味になりそうなほど良い作画であった。
 後中盤ではやっと(待ちわびた)、小熊にとっては今まで関わり合いの無いクラスメイトである椎と、文化祭の出し物の件で関係を持つようになり、礼子と小熊で手助けをすることでとうとう三人が親密になる第一歩となった。
 その後、椎の世界で二人が視野に入るようになり、関わってみようという歩みが、小熊と礼子の性格だけでは決してそうはならなかった三人グループの誕生に繋がる。
 その歩みとして文化祭のお礼として椎の両親が経営する(礼子が毎朝通う)国際色豊かなしっかりとしたパン屋さんで、コーヒーを提供したり、お店の話で三人の仲が進展していく。
 ここで小熊は礼子同様、今度は礼子と共にまだ少し気さくには接せない椎と徐々に打ち解けていく。
 そんな日常で椎の不満としては、カブが無いことによる二人との差があり、当初乗り気ではない父親から押し付けられた自転車で、通学や買い物以外でも、ツーリング目的で小道に入るなど二人の後を追いかけていた。
そしてカブ乗りの二人はというと、おてんば礼子によって、カブで雪山滑走をする(草)シーンでなんだこりゃってなる。
そんな時、椎が小道で事故り、小熊が助けたが、自転車を失い精神的になぜか滅茶苦茶シリアスになるので「えぇ…無傷だし、自転車失っただけじゃん…」となるので富士山アタック回同様飛躍し過ぎな脚本に困惑する事に
 その後三人は暫く日常を過ごしていくのだが、椎の景気づけの為に礼子が発案した、カブで日本列島端の初桜を見に行く旅に、渋る小熊だが、実は彼女(椎)は小熊の憧れとする人物であり、冒頭では追いかける側であったことが明かされ、行ってみようかと考え始めその思いをこぼした時「私も連れてってくださいっ!」と最高の演出でお願いされ、連れていくことに決定。
 旅行中は、スムーズに三人が旅を楽しみ、カブで道中と目的地への達成を果たす。そしてそれ以外に作品の目的的にも、様々な場所が紹介されるようなシーンが盛り沢山で、是非バイクで行ってみたいと思わせる演出だった。
 また作画に至っては、都会的なビジネスホテルから見える夜景では「かたい表現」が使われ、また田舎道では少し朽ちた道路道、そして桜のシーンでは「やわらかい表現」が使われるなど、さらに所々の一枚絵の労力に力が入りすぎていて、最終話により丁寧に作ったのはフラットなアニメ好きにはたまらない回になった。いつか円盤買おうかと本気で思う。
 帰ってきてからは、春になるととうとう椎がカブを手に入れることになり、めでたく三人でカブを乗り回す描写に心温まる結末になった。

 全体的に評価すると、バイク(カブ)×女子高生というジャンルではあるが、作風的にチャラけた感じもなく、またカブという題材故の古臭さというのはほとんどない。
 安易に他人を介入させない点も現実感が相まって、終わってみればまとまりがあったと思えたので、もう一度見てみようと思う。
コメント:見終わってみれば今期のリアリティ系では間違いなく覇権アニメといっていいほど、これからも残り続ける素晴らしいアニメの出来だった!

投稿 : 2021/07/03
閲覧 : 177
サンキュー:

8

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