「結城友奈は勇者である 大満開の章 (TVアニメ動画)」

総合得点
72.1
感想・評価
167
棚に入れた
545
ランキング
1175
★★★★☆ 3.7 (167)
物語
3.5
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

ナルユキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

300年分のカタルシスを貴方は感じ取ることが出来ますか?

好きな長期シリーズが完結を迎えた時、ファンなら誰もが「お疲れ様でした」という労いの言葉や「ありがとうございました」という感謝の言葉、「さようなら」という別れの言葉を紡ぎたくなるだろう。しかし“レビュー”にそれらの言葉は不要だと考えるのが私の信念である。
結局、人が知りたいのはその作品が面白いかつまらないか、オススメできるかできないかの二択だ。本作のレビューはファンとしての知識をひれらかしつつもファンとしてのバイアスをなるだけ捨てて挑みたい。

【ここがひどい:主人公の乱立と膨れ上がったキャラクター数】
本作はノベル作品『楠芽吹は勇者である』(以下、くめゆ)、『乃木若葉は勇者である』(以下、のわゆ)のシナリオを使い、前作の『結城友奈は勇者である-勇者の章-』の補完を行った作品だ。公式では勇者の章を「A面」、本作を「B面」としている。
各々の作品は『結城友奈は勇者である』(以下、ゆゆゆ)と密接な繋がりがあるものの、やはり本来は独立した作品でもある。くめゆには楠芽吹、のわゆには乃木若葉という主人公がいて当然、各々に取り巻く登場人物たちも勇者部と同じくらいいる。しかものわゆはゆゆゆから300年前の話ということで世界観そのものが随分と違っているのだ。
それらを強引に1クールに詰め合わせた弊害はやはり大きく、先ずキャラ人数はモブを除いてくめゆから6人+のわゆから6人+ゆゆゆから6人+大赦神官(安芸先生)の計19人。前に『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』のキャラ人数を酷評したことがあるが、それよりも多くなってしまった。あちらと違ってそこまでごちゃごちゃとしたストーリーではないが、各々に主人公がいる3つの物語が1クールの尺を3分割するという構成は普通に考えてよろしくない。
{netabare}また、鷲尾須美と結城友奈とでキッチリ前半後半クールに分けた前作と違い、第1話は勇者部による微笑ましい日常を描き、最後にサプライズとして防人を登場させて彼女らの物語の火蓋を切る──といった構成にしている。これにはノベルに手を出している私も驚かされたが、「今回は結城友奈たち勇者部が第1話から存分に活躍するんだ」と思っていた視聴者の期待は裏切ってしまった様に思う。 {/netabare}

【でもココが嬉しい:出したからには防人優遇!】
{netabare}しかしこの斜め下と思われていた防人登場というサプライズ、いい意味でさらに予想を裏切ってくれた。
原作ノベルからして、彼女らの物語は“徒労感”で固められている。なにせ大赦の命令で四国外に住めるように神樹の苗を植えに行き、命からがら帰ってきたら「やっぱムリ。植えた苗を神樹様に返すから回収してきて」と命令される始末。ノベルでは「受刑者に穴を掘らせて、それを埋めさせる罰のようだ」と例えられていたが正にそんな物語だ。読了した人に残るのはやはり少女を消耗品として扱う大赦への怒りしかなく、そしてゆゆゆという本編にはまるで影響を与えていなかったくめゆは人によっては「読まなくて良かった」とも評される作品でもある。
そんな1作をさらに書き下ろし小説『柳は緑、花は紅』、『落花枝に帰らず、破鏡再び照らさず』の2篇も加えて本編に爪痕を残すような魅力的な物語にアレンジさせたことに感服した。友を傷つけ失意に陥る三好夏凜を再起させたのは誰か。天の神にダメージを与え、友奈が拳を打ち込む亀裂という弱点を作ったのは誰か。アニメでの楠芽吹と防人の物語はそこに大きく関わるよう再構成されている。{/netabare}

【でもココが悲しい:のわゆは不遇】
一方で「西暦勇者編」と称される第5~8話は過去話にしては長く、のわゆの再現としての程度は文字通り“半減”された残念作だ。
原作ノベルは上下巻という『鷲尾須美は勇者である』(以下、わすゆ)の倍以上のボリュームを誇る。わすゆは単巻ほぼ全てを使い6話分のアニメ化が成されたため、のわゆのアニメ化には本来、1クール(12話)分の尺が適切である。それを4話で表現するというのは非常に強引な手法だとファンの誰もが思う所。
{netabare}
しかし敢えて上巻部分のシナリオをバッサリとカットし、伊予島杏(いよじま あんず)と土居球子(どい たまこ)の死亡シーンから始めることで西暦時代の厳しさ・凄惨さをより際立たせたのは上手いと感じた。恵まれた神世紀とは違った激動の西暦時代に生きる勇者たちでも根本は少女であり、そんな彼女たちの日常と非日常のコントラストでのわゆも構成されていた。一定の“温さ”も描かれている上巻を敢えて見せなかったのは尺の節約でもあり、物語に落差をつけるのにも一役買ったのである。もちろん彼女らを推しとしているファンからしたらいきなり死亡シーンを見せられて終わり、なのでたまったものではないのだが(笑)、私はファンとしてのバイアスを捨てると誓ったからこそこの部分は評価したい。 {/netabare}

【そしてココが面白い:再び描かれる最終決戦】
防人・西暦勇者の存在を知らしめた上で再び2期最終話の内容が描かれる。尺の関係で当時は泣く泣くカットしたという勇者部VS天の神の戦闘シーンや各キャラの心情描写、伏線回収などが盛り込まれ、ファンにとってもそうでない人にもより感情移入や考察の捗る濃い内容に生まれ変わっていた。人によっては「使いまわし」となじる輩も見かけたのだが、そう書く人は2期最終話の描写で満足していたのだろうか? 違うだろう? 当時の感想を思い返して欲しい。2期最終話はハッキリ書いて駆け足だった。明らかに1~2話足りないと私も思っていたし、結果「よくわからなかった」とか「結局ご都合主義じゃん」という感想が出てくるのも仕方がなかったと考える。
そういった意見を制作陣が真摯に受け止めて作られた第10・11話は言わば勇者の章最速の“リメイク”。規格外の猛攻を行う天の神。それを掻い潜り穿たれる夏凜と園子の一撃は確かに天の神に傷を付けていたし、勇者部の部長たる犬吠埼風の心情吐露で改めて皆が友奈を喪いたくないという気持ち、そして犠牲を前提として成り立たせている今の世界を終わらせたいという意思がよく伝わるように出来ていた。

【ココも面白い:神々の消えた世界】
そしてようやく、たった1話ではあるが「これから」の物語、勇者の章の続編が描かれる。なぜ1話だけか? {netabare}それはもう友奈たちの物語がこれで終わるからだ。{/netabare}
{netabare}天の神を倒すだけの力を友奈に注いだ神樹は枯れて消滅した。お互いがコインの表と裏のようなものだったのだろう。神を倒すにはこちらの神を犠牲にしなければならなかったのは御都合ではなく至極、全うな道理である。
これにより神樹を崇拝する大赦の指揮で成り立っていた社会が混乱を一途を辿っていた。神樹が只の崇拝対象ではなく、ありとあらゆるエネルギーや資源を賄っていること(例えば海を壁で覆ってたのに濁らないのは神樹が浄水してたおかげ)はこれまでの劇中で明確に描写されてはいないけども、消えたその後の悪影響の描写で神樹のあった世界がいかに恵まれていたのかがよく解る。ジャガイモ1袋¥764だぞ……物価3倍は主婦泣かせとかいうレベルじゃない!
そんな不安と混乱に包まれる世界に手をさしのべるべく、勇者部は今後を見据えた話し合いを行う。そこで園子が取り出したるは知る人ぞ知る「白鳥歌野の鍬」。これについて話すなら『白鳥歌野は勇者である』の話や西暦勇者の遠征の話もやって欲しかったんだけどねー、今回は尺が厳しかったか。
それでも視聴者に解るよう、園子がこの鍬に込められた想いを語り、勇者部の皆がその想いを受け継ごうとする。
『勇者の本懐は戦うことだけにあらず。戦いが終わった後、人々が元の暮らしに戻れるよう尽力する。そこまでが“勇者”なのだ』と。
神樹が消えてしまったことで彼女らはもう「変身ヒロイン」だの「魔法少女」だのと呼ばれる存在にはなれなくなってしまった。これはもう揺るぎない現状だ。それでも彼女らは只の人として、不安に包まれる世界を少しずつ善くすることが出来る。勇者部はこれからも誰1人欠けることなく無理をすることもなく、世のため人のための活動を続けていくこと────『勇者』であり続けることを誓った。{/netabare}
{netabare}そして4年の歳月が流れ、各部員が各々の方法で世界をより善くしようと活動する姿が描かれる。思わぬ変貌を遂げた犬吠埼姉妹に驚愕する一方で、友奈と東郷の容姿や距離感は相変わらずといったところ。しかしこの2人が神世紀で初めて四国を飛び出し本土を調査するようだ。
世界はどこまで無事なのか。2人はどこまで歩むことができるのか。それらが気になりつつも、この3期最終話でオリジナルアニメから始まった『勇者である』シリーズの終端を垣間見れたと確信し、視聴後しばらくは感慨無量に浸ってしまった。 {/netabare}

【キャラクター評価】
結城友奈&東郷美森
{netabare}疑ってはなかったけど、改めて全てが終わってこの2人が4年後も一緒にいる所を観れて本当に安心した。コンセプト上、1クールとしての出番は実はそんなに多くないけれども第1話と11話、最終話の濃ゆーい描写で十分ですね、はい
東郷が自己犠牲に走る友奈を責めたのは、死の間際で銀に会ってそう教えられたからだったんだね……2期レビューの時に「おまいう」みたいなこと書いてごめんなさい。そして改めて友奈救出のシーンを見て感動しました。
あのシーン、大勢の勇者の魂と共にバリアを打ち破っているように見えるけど実は神樹が自らバリアを解いているのだという。そうなると神樹が東郷の「皆から私の記憶を消してください」という願いを聞き入れたことも含めて、東郷は神樹の神託を受け取る巫女の素養だけでなく神樹に自分の声と意思を届ける何かしらの力も備わっていることになるんだよね。うーむ、彼女らの話は終わったけども謎はまだまだ残されているようだ。
最後に、4年後で変わったキャラクターの中では友奈が好きです。中学生の頃のあどけなさと4年の歳月を感じさせる大人っぽさが両立してて、なんだか真面目に惚れそうになりますね────おや、ボクの身体に赤い点があr {/netabare}

犬吠埼風&樹
{netabare}4年後の姿が各々、破壊力があった姉妹。確かに風先輩は視力を落としている(普通にね)描写があったけど、まさか眼鏡かけて新エネルギーの研究をする科学者になるなんて……(゜_゜;) 樹のロングヘアー姿も新鮮だ。
2期ではダイジェストで見せた樹の新部長就任。3期最終話ではその役職に相応しいお説教ぶりを見せたのが印象的。11話で夏凜を叱ったのもそうだけど、樹は緊張でオドオドしてても上級生に物怖じすることは無いんだよね。異例の1年生部長でもきっと上手く勇者部を回して来たに違いない。何故かOGのお姉ちゃんもいたしな!(笑) {/netabare}

三好夏凜
楠芽吹のライバルとしてくめゆの話にも食い込んでくる彼女は友奈に代わって今期の主人公だったかも?
{netabare}戦う力しか持たされていない自分たちに友奈を助ける術はない。その燦然たる事実に潰されそうになっている時に芽吹と再会。そして喧嘩という肉体言語を交わし合う。相手の言うことは只の根性論・感情論だ。それでもその“気合いと根性”だけで何とかしてきた自分たちだということを思い出し、再起する様は少年マンガ要素もあって悪くない。
天の神に1番に向かっていったのは、きっと自分が友奈のためにできることが戦いしかないって自覚もあったんだろうと考察。芽吹とのやり取りを観た後だと大分、印象が変わったシーンの1つである。
4年後はツインテールをやめてしまってなんだか「怒らせると怖い上司」みたいな感じになってしまったが、チョロさは相変わらずの模様。1期では戦いが無くなった後の自分について思い悩んでいたこともあったが、これからは本土調査隊の隊長を生き甲斐としていくようだ。実に三好夏凜らしい進路である。{/netabare}

乃木園子
{netabare}4年後は大赦の顔役として四国を統治している模様。乃木家とはいえ高校生だよね……!?
とはいえこれでもまだ穏やかな手法のようで神樹消滅直後では混乱していてガタガタな大赦を「ぶっ潰す!!」と宣言していた。その方法によっては讃州中学を離れなければならず実は懐に退部届を忍ばせていたが、それを止めたのが新部長の樹だ。
歌野の鍬に込められたメッセージを実は取り違えそうになった園子。しかし幸せにする人々の中には“自分”も含まなければならないのである。やはり勇者部六箇条の1つ『無理せず、自分も幸せであること』は色んな人物を戒める言葉なんだなぁとしみじみ思った。
東郷と訪れた銀の墓前で彼女の流した涙は何だったのだろうか……本人は「安心したからかも」と言ってたが、私が思うにやはり「銀が死ぬ前にこうなって欲しかった」という後悔なのだろう……。{/netabare}

楠芽吹(くすのき めぶき)
防人からも1人、紹介と評価をしたい。何しろこの大満開の章、実は主人公は芽吹だったんじゃないかと私の中で専らの噂である(まあ、こんな感じで誰も彼もが主人公して尺を取り合ったのが本作の欠点でもあるんだけど……)。
{netabare}彼女はとても怒りの表情が多かった。まああれだけ訓練して誰よりも強くなったのに勇者には選ばれなかったのだから、大赦や夏凜には言いようもない鬱憤を常に貯めていたのは想像に辛くない。でもあの時は他人に優しく出来なかったから、そういうのが先代勇者である三ノ輪銀と性質が微妙に異なっていて弾かれたんだな、とは誰もが理解できる所だよね。
そんな彼女が防人のリーダーとして、各メンバーの命を預かることで変わっていく。本当は山伏シズクとの決闘や弥勒夕海子の説教なども芽吹が変わる切欠となるイベントなのだけど、それ抜きでも「隊員の命を預かる」「仲間から決して犠牲を出さない」ということを全面に押し出して彼女の成長を描いており、第4話では2丁の銃剣による大立ち回りを見せてくれた。2丁の銃剣……それはかつて無駄になったと思われていた勇者になる訓練──二刀流の鍛練が役に立ったという証。この世に無駄なことなんてないんだというメッセージ性を感じる部分でもある。
終盤は神婚を受け入れようとする、そして神樹を喪い途方に暮れる国土亜耶にかける言葉が正にヒロインを救う1人の主人公のようだった。
以上の点から『楠芽吹は勇者である』の再現は及第点だったと評することができるだろう。{/netabare}

郡千景(こおり ちかげ)
西暦勇者からは1人、彼女を紹介したい。
尺の関係上、大幅に削られた『乃木若葉は勇者である』パートだがやはりというべきか、彼女を中心にして話が組み立てられていた。
{netabare}それだけに上巻にあった「千景が何のために勇者をやっていたか」というのも削られていたのが惜しい。彼女だけは他の勇者のような“善意”はなく「勇者をやっていればみんなが自分を好きになってくれるから」という打算でやっていた。そう考えるに至る彼女の凄惨な家庭・学校環境もより詳しく描写しているのはやはりノベル版である。
それでも仲間をちゃんと想っていたところは彼女が凶行に及ぶ切欠を観ればよく解る。仲間を侮辱した悪に向けて刃を振るう。それはおとぎ話の勇者と何も変わらないのではないだろうか。
死後の話だが、彼女の変身を神樹が解除したことが切欠で勇者システムは神樹でも勝手に解除されないようアップデートしたことには触れて欲しかった。それが東郷や風の神樹・大赦への反逆に繋がったのだから。{/netabare}

【総評】
4年ぶりの続編ということでかなり期待値が高まっていた本作だが、フタを開けてみれば小説で出ていたスピンオフ作品を2作詰め合わせたちょっと無理のある3期だった。1期・2期内容をきちんと把握しておかないと各パートの時系列すら捉えることは難しく、前作の見直しを怠り、小説シリーズも読んだことがないアニメ勢にはかなり厳しい内容だと言わざるを得ない。
{netabare}シリーズファンにとってはのわゆがかなり中途半端な描写になってしまっているのが残念である。恐らく物語の〆となる友奈の大満開に『高嶋友奈』が関わっているからこそのわゆを詰め込む必要があったのだろうが、扱うならせめて「四国の外がどうして炎の世界になったのか」までを描かないと。2期時点で取り戻せる大地があったことをアニメ勢は知らないから「最後よくわからなかった」とか書かれたわけで、今作が『勇者の章のB面』だと主張するならばA面である勇者の章とB面である今作で物語が理解できるよう、そこは妥協するべきではなかったように思う。まあ『乃木若葉は勇者である』をノベル版かマンガ版で読んでいれば些細な問題ではあるのだが。{/netabare}
一方でくめゆは原作再現としては及第点(まあ、描いてほしかったイベントもあるが)であり結城友奈たちに関われるようなアレンジも施されていて物語・キャラクター共に魅力的に仕上がっていた。
作画も地味に向上しているように感じる。今作は試合や組手という形で“対人戦”という動きの激しいシーンが多く挿しこまれていたが、それでもあの凛々しさと可愛さを両立したBUNBUN氏原案のキャラクターデザインが崩れることはなく、夏凜VS芽吹や若葉VS高嶋のシーンは息を呑むような殺陣として描かれていた。あとは一部、3Dをゴリゴリに使う所さえ無ければ文句無しの作画だと言える。
────後はもう、観る人が『勇者である』シリーズをどれだけ好きでいるかで本作の評価は変わってくるんじゃないかと思う。
{netabare}本作がまさか勇者の章の補完をする内容とは思いもしなかったのだが、それを受け入れればこれほど嬉しい誤算は無いと現在は思っている。確かに私は2期最終話に物足りなさを感じていて、だからこそ友奈たちの物語はまだまだ続くと考えていた。天の神が倒されたからといってバーテックスまで引き揚げたとは限らない。神樹がいなくなってしまったからこそ、今後の戦いは勇者部の身体にある神樹製パーツがカギとなるのではないか、と。
そんな妄執が11話と最終話を観ることで見事に取り払われてしまい、次作の有無に関わらず友奈たちの物語の終わりを受け入れることができ、初めて彼女らの平和と幸せ──日常が非日常を挟むことなく末永く続くようにと願えるようになった。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』がエヴァの卒業なら、こちらは結城友奈たちへの卒業ではないだろうか。2014年から『結城友奈は勇者である』が始まって7年。アニメだけでなく小説やゲームなどのメディア展開を行い、およそ300年分の歴史を創作しては世間に発表するを繰り返してきた『勇者である』シリーズ。それらを網羅してきた生粋のファンこそ、11話の天の神を倒すシーンや、最終話で打たれたシリーズのピリオドに300年分のカタルシスを感じることが出来るのである。{/netabare}

投稿 : 2022/01/24
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