「劇場版「幼女戦記」(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
472
棚に入れた
2470
ランキング
215
★★★★★ 4.1 (472)
物語
4.0
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

エンタメ極振り。最高に面白いです。

 圧倒的なエンターテイメントでした。最後のおっさんたちの話合いの場面がちょっと冗長だった以外、ほぼ目を離す瞬間がなくあっと言う間でした。アニメの動き、視点や構図の立体感、作画、表情、演出どれをとっても素晴らしいです。
 魔導大隊が目まぐるしく動きまわしますが、位置関係が明確だし見やすいのは大したものです。

 TVシリーズの続きということで、制作姿勢としてできればTVでやって欲しいという気持ち分をちょっと割り引いてみたとしても、このクオリティを出せるのは劇場版だからだとしたら納得できる作品になっていると思います。

 冒頭、幼女が戦ってたり偉そうにしていたり、人間が群れになって飛んでいるシーンで一瞬違和感(俺何馬鹿なもの見てるんだろう?みたいな)があることはあります。私はもともとTVシリーズのファンで慣れているのですぐに適応できました。ここで醒めると、見られないでしょう。
 ただ、しばらく見ていると意表を突く場面転換ですぐに世界観に引き込まれます。ここはそういう計算なのかなあという気がします。

 メアリー・スーというキャラ。良かったですよね。因縁はTVシリーズから張られた伏線になります。要は合衆国への疎開、父の戦死、義勇兵志願という流れの復讐劇ですね。このキャラに関して描かれたのは悲劇や愛ではなく、狂気にしていました。これが素晴らしいです。
 テーマとして復讐というのはあるかもしれませんが、味付け程度です。ここは戦争のプロであるデグレチャフとの対比でしたね。多分、メアリー・スーは神に祈ってましたし、バカみたいに強くなっていたので場面は無かったですが存在Xに何か力を与えられたのでしょう。

{netabare}  おかげでチート持ちともいえるデグレチャフを混乱させるほどの強さ。ただ、そこに隙がありましたね。結末はあれ生きてるの?というくらいでしたが、今後が楽しみです。{/netabare}キャラデザもTVだとちょっとモブっぽいデザインだったのがちゃんと主役級のデザインになってました。

 テーマ性はやっぱり考えないほうがいいと思います。これはエンタメに思いっ切り振った作品でしょう。デグレチャフの言動を見ていると戦争について何か語っている気がしますがそこに戦争に対する思想性は無い気がします。
 
 つまり反戦やヒューマンドラマではなく、デグレチャフと存在X、デグレチャフと帝国の行方、デグレチャフの戦場での活躍…この視点で物語を追えばいいのでしょう。デグレチャフ以外のキャラの性格や感情はテンプレでほとんど内面が無い感じです。メアリ・スーですら父の仇に復讐する少女という意味ではテンプレです。主要キャラであるセレブリャコーフすら内面が見えません。

 冒頭の宝珠を開発したマッドサイエンティストが取材を受ける場面があります。ここでは現在デグレチャフが活躍している時期からかなりの年月が経った後になっている雰囲気があります。
 自由な雰囲気から判断すると帝国主義から資本主義に転換したような感じですね。この場面についてはあきらかに伏線ですね。本作では回収されませんでしたが、これは後からアニメ内かどうか知りませんが回収されることは確実でしょう。

 2期も決まりましたので、是非ずっと続けて欲しいですね。

 

投稿 : 2021/12/06
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サンキュー:

17

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