「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(TVアニメ動画)」

総合得点
70.7
感想・評価
279
棚に入れた
913
ランキング
1455
★★★★☆ 3.4 (279)
物語
3.5
作画
3.0
声優
3.5
音楽
3.3
キャラ
3.5

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ネタバレ

クソアニメの魔女 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 2.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

もっと評価されても良い、いや、されてるっちゃされてますね

1話はよくあるなろうで鬼門です。これを越えれば面白いです。

2話
1話から打って変わり、ガードロボが出る以外は地に足の着いた乙女ゲーらしい学園ものの話。伏線らしいものも撒かれているようで、先が気になるストーリーでした。主人公は俺ガイルの八幡みたいな性格。めんどくさがりながら面倒見は良く、根は優しい人間なので好感が持てました。他のキャラは2話から初登場がほとんどなのでまだなんとも言えない段階ですね。
しかしながら作画がフルダイブやたんもしを手掛けたENGIだからか、アニメーションの質は結構低め。序盤からフルダイブの中盤以降レベルで微妙です。

3話
作画は相変わらず劣悪なのでそちらは諦めた方が良いかも。

アンジェリカたちに代わって王子たちとくっついているマリエの正体が明らかになり、主人公リオンが王子たちが気に食わないという私怨マシマシな理由で孤立無縁となったアンジェリカの代理を務め、彼ら全員に決闘をふっかけます。

いわゆるため回ですね。かなり面白かったです。主人公のゲスさが前面に出ていた回でもあります。

10話まで視聴
無双系というより、無職転生みたいな丁寧な心理描写と人間ドラマが魅力のアニメですね。リオンの無双を単なる無双で終わらせるのではなく、それをオリヴィエの成長を妨げる要因として繋げている。
王子たちも主人公の噛ませにするだけにせず、成長の余地をしっかりと用意しているのが好感アップに繋がっています。まあ、マリエにべったりなのは変わらずなので成長に時間は掛かりそうな感じですが。
そろそろクライマックスの11話。次も楽しみにしています。

良い点
階級社会をはめふら以上にシビアに表現している。
リオンが良い意味でクズ。自主的に動き、周りに流されないキャラで好感が持てる。
ヒロインのアンジェリカとオリヴィアのキャラクターも奥が深い。アンジェリカのユリウスへの一途な想いや曲がったことに対しての気性の激しさ、オリヴィアが悪役に徹するがゆえにヘイトを集めがちなリオンをしっかりと叱って諌めたり、またモブたちがしきりに印籠のごとく見せつけてくる階級差に弱腰にならない持ち前の大胆さがあったりなど、この手の作品にありがちな単なる記号的なキャラクターの枠を大きく超えている。
作中ではリオンを交えた三人のキャラクター同士の深いドラマが主に描かれており、階級差ゆえの苦悩や拗れの描写も巧い。
リオンのモブに徹しようとするのも良い意味ではゲームシナリオに必要以上に干渉しようとしない誠意、裏を返せばある程度親密になった相手にも必要以上に関わろうとしないという、ある種の消極性を浮き彫りにしており、彼の強さであり弱さである二面性をシナリオを通して示している。リオンの行き過ぎた庇護により成長の機会を奪われたことが祟り、ステファニーの悪意ですっかりと憔悴してしまったオリヴィアとリオンが一度絶縁したことに関して、この部分が強く表れていた。
サブヒロイン(?)のマリエはクズい部分が目立ち、ヘイトキャラの一面があるが、良くも悪くも野心家として努力している描写がある。最終的には調子に乗っては失敗する、よくいる愛されキャラに収まっている。
王子たちもユリウスとジルクはリオンに負けた後もアホでどうしようもないが、ブラッド、クリス、グレッグはしっかりと己の弱さを受け入れて自分を高めようとしており、そこは純粋に好きになれる部分になっている。

悪い点
作画とキャラデザが劣悪。アンジェリカやオリヴィアの見た目はそれでかなり損をしている。
階級社会をシビアに表現しているのが裏目に出ている部分もあり、モブキャラがほぼ自尊心塗れのクズ。これが同じカーストを取り扱う魔法科高校の劣等生以上にえぐい。リオン派閥はリオンが喧嘩腰で火に油を注ぐのもあって終始モブたちから悪意を向けられており、観ていてやや疲れる部分ではある。

最後まで観て
リオンと乙女ゲーのキャラの中で最強格である黒騎士の決戦。まあ、多少は経験の差で苦戦していましたが、その後はルクシオンのチートもあって後半は一方的にボコっていました。そしてリオンは相変わらずの外道。
Bパートはアンジェリカ、オリヴィアと完全に和解した上でのいつもの学園生活ですが、リオンの扱いは相変わらずでした。彼の地位を狙って政略結婚を狙う女子が増えたくらいですね。そしてまたもや望まぬ昇進をしてしまうリオン。リオンへのリベンジに燃えるユリウスたちも変わらずアホでした。
最後は大団円で締められた形で終わりました。

総評して作画、キャラデザ以外は高水準。タイトルがこてこてのなろう系なのでそこが敬遠されがちでしょうが、ガワに反して中身はしっかりと整っていてジュブナイル、恋愛ものとしてレベルが高いです。作画に耐えられるならおすすめできる作品ですね。

投稿 : 2022/07/03
閲覧 : 296
サンキュー:

14

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