「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)」

総合得点
89.3
感想・評価
851
棚に入れた
5111
ランキング
83
★★★★★ 4.1 (851)
物語
4.1
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

苦手だった人への劇場版

原作未読


略称がそこそこ知れ渡ってる数少ないやつのひとつ。“ノゲノラ”の劇場版106分でございます。
TV版の当方評点は3.6点。説明するとやや“つまらない”寄りの“普通”な出来と評価しました。あにこれでの高評価と比して低めです。元ネタ好きかどうかは指標の一つとなるためご参考まで。

棚ぼたでTV版と少し空いての劇場版を再放送しててそのまま流されてみました。「TV本編より劇場版のがいーよ」とのご推薦も念頭に。やや視聴にあたっては前のめりではなく、往々にしてこういう場合いざ試しても上方修正することは稀なんですよね。

結果、、、TV版から上方修正します。
理由は後述するとしてまずは概要から。一言でTV版の“前日譚”です。『○○(作品名)ゼロ』と銘打たれると鼻の利く方はタイトルだけで察することが出来ましょう。前の話か後の話かだけでもイメージ湧いてれば迷子にはなりづらい。ただ『 』(くうはく)兄妹らのではない別の昔話というのは少しばかりやっかいです。

次に中身。これも端的に“創世記”ということになるかと。前日譚としての創世記ということになりましょうや。あのゲームでなんでも決まる独特な世界の成り立ちのお話。
{netabare}盛大なる勘違い。主役二人リクとシュヴィの声がそれぞれ松岡さん茅野さんで、キャラ見た目の違いはアバターだからかなくらいかと、しばし『 』(くうはく)兄妹がまた違った世界で奮闘してるのかしらん?と思ってました。どうやら違うと気づいたものの終盤のネタばらしまでもやっとしてた私です。{/netabare}

TV版との繋がりはあるけれど独立したエピソードとして起承転結しっかりしてる106分です。そのため視聴順がTV版と前後してもそれほど弊害はないと思われます。
そしてこの起承転結しっかりした独立エピソードというのが上方修正の理由となります。なお

 ヒキコニートが謎の万能感で無双するのが苦手

いかんともしがたいTV版での苦手要素が一切ありませんでした。ヒキコ兄妹出てこないので当然ですね。当方の偏屈なバイアス抜きで作品に向き合えたのが大きいです。雑味が無くなれば物語に没入できますし映像など演出面では実績あるわけで問題ありません。
ヒキコ云々は作品評価というより自分の趣味志向みたいなもんで、こんなん堂々と言うのもアレでしたが、数少ない!?TV版イマイチ勢でも大丈夫じゃね?な良作だったと思います。



※ネタバレ所感

■感想
 マイナス要素が無いからといって面白いとは限りません。もちろん加点要素ありましたよ。
{netabare}“心を知りたい”シュヴィは欠陥AIみたいなもんという理解でいいんですかね? 
その後2018年冬クールで“愛してるを知りたいのです”なのと仲良く覇権を分け合った化け物アニメを制作したスタッフらの作品というのもなかなかパンチが効いてます。
さておき、本作での欠陥AIが心を知っていく作業って全く空(カラ)の容器に学習内容を入れてくことではなく、概念がない/演算できない状態から適正化していくことを意味してたわけですが、これ似てるようで全く違うんですよね。前者だとカウンターパートは教師役となります。後者だとパートナーと化します。パートナーであるから互いにすれ違いも生じるわけで、当然感動を生むとしたら後者となります。そして前者で同じことやろうとして失敗する作品は枚挙にいとまがありません。本作はきちんとお作法をわきまえており失敗とは無縁でした。{/netabare}

{netabare}それでもって長寿命のほうが先に果てる展開が個人的にはツボでした。驚きと言い換えても良い。
長寿命側が見送るからこそ両者の埋めがたい溝に心千々に乱れる!みたいな様式美を踏襲しなかったのです。しかもコンピューター的彼女が不合理な選択をしたというのが味わい深い。ご存知プログラムは演算できなければエラーとなります。彼女の最期って本来エラーとなるところに解を見つけて無理やりにでも動かしきった感がありました。Y or N の高速演算しながらの“らしい”描写から揺らぎが生じ処理しきれなくてABEND起こすか?と思ったところを突破するの胸アツです。そこで「リク。私“心”を知ることができたよ」的なセリフは一切なし。
セリフではなくバトルの中身で雄弁に語らせる。{/netabare}

無機物と人間との関係性ではお作法を守りながら、オチで変化をつける見事なお手前でした。
バイアスで迷子になりかけたことを除けば文句はありません。
松岡さんの苦悩する演技はもはや名人芸の域ですね。作品をしっかり底上げしてました。
あ、映像について抜けてました。えーと、、、良かったです。


■ビール好きヲタクに捧ぐ

{netabare}命名タイムでリクから「長いから短くしろ」とダメ出しされた素案“シュヴァルツァー”。短くまとめて“シュヴィ”に落ち着いたのでした。
まとめる前の“シュヴァルツ”と冠した海外銘柄ありますよね。なんなら国内地ビールでもたまに見かけます。えぇ黒ビールのことです。広い世の中ギネスだけではありません。でもむしろ馴染み深いのはヴァイスビア(白ビール)だったりするのかしら?
いずれにせよ黒ときたら「あー白ね」と11歳不登校児を想像するのに時間はかかりませんでした。配信専用勢ではなく地上波でもアニメ観てるならブシロードCM『ヴァイスシュバルツ』を一時期ヘビロテしてたの覚えてるヲタさんも多いことでしょう。よって馴染み深い。対する男も空(ソラ)に対してリク(陸)ってことねと早合点するのにこれまた時間はかかりませんでした。{/netabare}

空と白の話だと思ってたんだよなぁ(しつこい)。

投稿 : 2022/05/04
閲覧 : 494
サンキュー:

24

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