「ホリミヤ(TVアニメ動画)」

総合得点
76.9
感想・評価
495
棚に入れた
1816
ランキング
650
★★★★☆ 3.7 (495)
物語
3.6
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ハイスペックカメラで高い建物の上から街並みを撮ったら…平凡な風景画になった感じ

2021年1月~。原作︰HERO(月刊Gファンタジー連載作品)。
制作︰CloverWorks。全13話。視聴済。原作未読。学園ラブコメを軸とした青春群像劇。

【まえがき】
ラブコメ作品はあまり得意では無い。男子高だった故、日常の至近距離に女子がいる環境を知らずに過ごしたので(恋愛とか至って普通ですが)、タイトルが気になったので観ました。キャラ、作画・表現力、音楽は悪くないですが。やや詰め込みすぎており、連続して観ると辛いかもしれません。
ラストまで頑張って見ましたが、やはり不得手なものに手を出すと、苦労が報われないと改めて悟りました。

【本編・ストーリー等について】
キャラの心理が大切にされており、恋愛のかたちは様々である事を描いた作品。思春期は自分の存在に迷うし、自己主張は大人でもとても勇気が必要です。人の心は表裏一体。時間の流れも年齢によって様々。物事には始まりがあって、区切りは有るけど終わりはなく、グルグル周っています。例えるなら四季かな...と。
芽吹き・始まりの春は少しの不安とワクワク。燃える魅惑の夏が過ぎ、名残惜しさ、寂しさの秋、そして厳しい試練の冬...。
作中ではキャラ夫々の中で、四季は高速で回転し、凝縮された時間が過ぎてゆきます。
前半が良くて、瓶入りのラムネを味わう様な、お祭り的な刺激と甘さ。口に残る不思議な感覚を期待しましたが…。中盤以降…。素敵な表現やシーン描写は沢山あるのに、原作に忠実なためか、構成、演出に工夫が足りないと感じました。ラストは何とか綺麗に締めたましたが…勿体ない結果に疲れました。
一応、せっかく書いたのでレビューは載せます。

【前半】
{netabare}
1話。
堀 京子。頭脳明晰・容姿端麗。面倒みが良くて全学年的な人気女子。歳の離れた弟(創太)がおり、母も仕事が忙しく帰宅が遅いので、家事全般をこなすパワーもある。母子家庭かと思いました。
年の離れた弟 創太を伴っての帰宅途中、学校の容姿と異なるクラスメートに気づかず…。

翌日。転んで鼻血ブーで、軽い怪我をした創太を家に送り届けるピアスまみれの得体の知れない男子、宮村伊澄。創太の直感?に引き止められ、お礼をすると家に上げる堀!?
見ず知らずの若い男を家に上げるのか!?堀も変なやつなのか!?
「家のことを自分でやってるなんて、以外です堀さん」
「えっ!?私を知ってるって同じ高校!?」
「何言ってるんですか。同じクラスの宮村ですよ」と告げる。驚く堀!!
翌日。学生服姿の宮村と昨日の姿とのギャップを埋められず戸惑うが、創太をダシにして家に誘うの!?なに?この女の子は…。
何気なく「創太に絵本買ってってやろう」とか心が綺麗な優しい系男子なの?宮村。
堀が外見で人を判断しない事に好感度。
こんな娘なかなかいない。いい感じ。
宮村は度々堀の家に招かれて、ピアスの穴の数、家はケーキ屋、勉強出来ない系とか話し、既に家族っぽい。
堀が卵のタイムセールを逃すまいとする主婦魂に(笑)。結果パシリに使われる宮村。運動神経いいんじゃん!!
クラスの女子に見られたと言う宮村に「ほかの娘に宮村の素を見られたくない」と堀...。乙女か!!
そして宮村も堀との時間は俺だけのものと告げる。Loveだな。ドギマギする堀。
創太も良いクッション役「姉ちゃんのバカ発言は1回言うと止まらない」爆笑。
堀と宮村は、他人には見せない時間の共有者となった。

プールが始まると怯える宮村は掘りまくったタトゥーを堀見せる。
堀の心の言葉「貴方がマジで凄いのかバカなのか判らなくなる」だよねぇ!!

教室で、堀&宮村セットを眺め、不思議に思う石川 透と吉川由紀。透の話し方で、透が堀を好きだと悟る。透は「堀に告るけど」良いか?と宮村に聞くが、宮村は堀さんは友達だし決めるのは堀さんだからと...。あ~あっ。

宮村は創太を迎えに行き、堀の家で出禁を覚悟で待つが、帰宅した堀にもうぜんと叱責される。
「つり合わないとか、私に仲良くしてもらってるとか、そんな風に思って家に来てたわけ!?」ブチッ...。
何かが切れる音が聞こえた気がする。
ボコられる描写は家全体が光を放つとか(笑)

「宮村は透の事好きなわけ?いっそ付き合えば?」「俺と石川くんじゃ釣り合わなく無い?」「そっち!?」
この掛け合い迄の流れに良いかもぉ♪と期待したのだが…。

2話。
二人は街に買い出しに出かけ、初めて堀が口ずさむ歌声を聞く。綺麗な声と褒められるが、それは創太のアニメ好きの影響だと取り繕い、流行りの歌を知らない自分に焦る。
帰宅したら母(百合子)が居る。百合子は創太から宮村の事を聞いており興味津々。
百合子に彼の名前を聞かれ、宮村の下の名を知らない自分に驚く。
名前を知らない事を気にし色々考えるが、男子更衣室覗いちゃダメっしょ!!
翌日、堀家を訪れた宮村を出迎えたのは百合子。買い物から帰宅した堀に「小学校ぶりに下の名前で呼ばれた」と笑顔の宮村。堀の挙動不審が名前を知るためだと知り、爆笑する宮村。創太にも「お姉ちゃんダッセエ」と言われる始末。

学校では生徒会長 仙石 翔(かける)に頼られている。何でも引き受ける堀の性格に、疑問を投げかける吉川由紀。
宮村は「千石は学年1の秀才でイケメン。人気もあるため好意を持ってるから手伝ってる」と思っている。空振ってるわぁ。
堀が疲れた顔で先に下校するが、書類を運ぶレミと宮村が接触し書類が散らばってしまう。レミは急いでいると重要な会計報告書を放置して行ってしまう。

翌日、書類の一部が抜けていると千石ら生徒会から責められ、千石ファンの女子らも含め騒動になる。謝りかける堀を黙らせ、千石に近ずいた宮村はヘッドバットを食らわす!!
そして、レミに捨てといてと言われた会計報告書を差し出し、不始末の犯人はレミだと知れ大泣きし謝るするレミ。
誤解は解けたが、宮村は生徒会の言いなりになる堀を不自然に思い「千石に弱みでも握られてるのか?」と問う。
実は...堀は千石と幼なじみで中学までイジメ・パシリ・イヌとして使い倒してきた黒歴史があった!!堀怖ぇ…。

自宅で創太に「いつまでお兄ちゃんは家に来てくれるの?高校卒業まで?。お姉ちゃんはお兄ちゃんが来なくなったら嫌じゃないの?」と問われ「私だって嫌」と言うと「お姉ちゃんって素直じゃないよね」と図星をつかれる。そして堀の誕生日に、欲しかったCDをプレゼントされ、宮村への想いの変化に動揺する自分に驚くのであった。
此処までも流れは良い。

3話。
高校で初めて堀に暗くないと言われた事で、グループの一員になった気になっていたが、本当に友達なのか不安だった。透に指摘され「変だ」と言われるも「嫌いじゃない。お前は少し不器用なだけ」と言われ、蟠りから少し解放された安堵感を覚えるが…。

堀が早朝の教室で時間を余している所に、レミが現れ「宮村の彼女?」と問われ「違う」と答えてしまう。
「なら宮村くん貰っていい?宮村くんと仲良くするのは堀さんには関係ない事だよね?宮村くん貰った」と言うレミ。
堀は「ダメ!!やっぱりあげない!!。宮村は私のだもん!!絶対あげないから!!」そう言ってその場を離れた堀は、自分の動揺に呆れる。

レミは堀とのやり取りを河野桜に話してるところを、透に聞いてしまう。透は既に堀にフラれたが、家に通うほどの仲なのに、堀を友達の範疇として先に進まない宮森に腹を立て喧嘩になる。
透の様に、当たって砕け散っても立ち直れる強さを皆が持ってる訳じゃないんだけどね。

4話。
河野桜(生徒会を影から支える常識人。自分に自信が持てず、自分を主張でないのがコンプレックス)は、風で飛ばされた書類を透が拾い、桜に「誰が見てなくても頑張れるってカッコイイ」と言われハッとする。

生徒会室にクーラーあるの!?贅沢だわぁ!!
飲み物買い出しで、宮村はコーラを落下させてしまう。下ネタ耐性と脆弱度試験??わちゃわちゃ日常描写。仲間・友達が増えた表現であっても良いかな。
宮村が中学時の同級生に「堀は彼女じゃない。堀に失礼」と。こういう無神経、スパッと自分の気持を伝えられないって、男性諸氏は優柔不断にイラッとするだろう。

38℃越えでも学校に行こうとする堀は、風邪はバカが引くものって。てか39℃近くで動けるとか…変な描写。よろけるとかしないし。
創太のが余程しっかりしてるってる。
心は身体に支えられてる。体調が悪ければ大人だって気弱になる。
小さな弟の世話をし家事を回し、勉強も手を抜かず頑張ってきた。母にも、甘えたいのを抑えて来た。吹き出す感情...。
「お前なんかいらない。顔も見るのも嫌だ。何処かに行ってって堀さんが思わない限り、俺は此処にいるいる」。寝たふりする堀に、起きていると知ってて告って立ち去る宮村。この期に及んでも戸惑う堀。本気で気持ちを伝えられない臆病者で卑怯な宮村。
この辺から展開に違和感が出始める。
{/netabare}

【中盤】
{netabare}

5話。
宮村に顔向け出来ずズル休みする堀。
創太は通学途中で、宮村が知らない女子と親しげに歩いて居るのを目撃する。
「超腕組んで仲良さそうだった」と教えられ動揺する堀。
回復して登校するが、お互いの勘違いからすれ違う二人。堀は自分が名前で呼ばれてないのに一緒だった女子高生をちかちゃんと呼ぶ宮村にキレる。
面倒臭い系の設定って、女子視点でもどうなんだろう??。
堀、踏み込みきれない宮村にも、かなりイラッとする。

更に!!えっ!?父親いたの!?母子家庭で頑張ってきたから色々許してたけど...ガッカリ。
堀さんがやっと宮村を彼氏と認めた。何だよこの展開!?
てか...手を繋いで歩くだけなのに...君ら異性免疫低すぎないかぁ!?高三にして初恋なのか!?毎日の様に堀の家に入り浸ってるのに、何を表現したくて、こんなにズラすのか理解不能。

レミと桜は親友。一番お互いを知ってるはずなのに、それでも桜は可愛いレミ、綺麗な堀にコンプレックスを感じて、何も言えない程何か抱えてる。
中間話でこれだけキャラのウジウジと煮え切らない感を見せられると、流石に疲れてくる。

6話。
流れで、宮村がが堀家に泊まるとか非常識演出に脱力しか覚えない。親として彼氏の両親への配慮が皆無とか有り得無い。不自然まっしぐら。
更に堀の家から二人で通学とかもありえない。釣り合わないって噂されたから、髪切っただけで、めっちゃ周囲の反応変化も不要。女子にもモテモテに、めっちゃ嫉妬する堀の描写もいらない。要は堀も自分を騙し、表現出来ない精神好き弱者。なのに突然のKissシーンって、めちゃくちゃだよ。何だよこの構成と演出!!。

更にら唐突に現れる沢田 ほのか(二年生)。
宮村狙いかと思いきや、堀が好きとか解んねぇ!!同性を好きになるのはテーマだから構わないのよ。でも、持っていき方素人かよ。宮村と沢田の家は実はお隣とかのご都合主義も物語を台無しにしてる。ここで評価ダダ下がり。切ろうかと迷った。

7話。
今更、透がまだ堀への気持ちを引きずってる描写に、由紀が透を好いている表現を重ねる観ている者をイラつかせる。火に油を注ぐ演出。続けて、千石がレミを好いている理由を明かす描写も必要なのか?全部のキャラの心理をいちいち説明するのかよ。スマートに出来ないのか?
由紀は、桜が透を好いてる事を知って、自分の気持ちに蓋をしたはっきりしない後出しジャンケン系女子。その理由は堀の心理で語られるが、多分、私が一番嫌いな性格キャラ。敢えて登場させてる意図は解るが、物語として成り立つのか?。
夫々、綺麗なシーンなはずなのに響かない、届かないのは由紀の立ち位置を知ってしまったからかもしれない。流れを塞き止め淀ませる演出。不快にさせて裏返すのだろうか?
「私...醜い」ってセリフも響かない。例え、カップケーキの頑張りを見せても、透のフォローがあってもだ。そこでも本音を隠す立ち回りにもイラッとなる。
そして、堀がホラー好きで、宮村は毎回無理して付き合うのに、堀は観るのを止めない無神経っぷりのギャップの違和感。怖くないのを怖がれないとしても、好きな相手が嫌がるなら普通止めるよね?。そんな単純な事を出来ない自分を嫌うのに、宮村にそんな堀さんが好きだと言われ、唐突に愛を受け入れちゃうとか...。どんな構成展開なんだよ。
お姉ちゃんを取らないでと泣く創太に「お姉ちゃんは取らないから、京子をくれないか」って...素敵な芝居なのに構成がおかしくて、全く響かない。この辺の中間話は捨てたい。

8話。
宮村が過去の自分と向き合う描写。
レミが千石が好きな理由を語る描写。
ギャグを入れるタイミングの悪さが寒い。
どんどん印象が崩れていく...。ドS演技を要求されて演じる描写。もはや観ていて辛い。
更に、由紀のはっきりしない女子描写が延々と続けられ。それでも耐えて観る。
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【後半】
{netabare}
9話。
後半に入っての堀の嫉妬ギャグが寒い。
宮村が堀の前なのに、虐められてた奴に出会った途端弱体化。それを堀がボコるギャグの手遅れ感。まぁ、好きな人を詰られて怒らない人は少ないけど、高三男子をグーで殴るとか必要な描写か?それこそ言葉で怒って「私の大好きな彼をバカにしないでよ!!」とか言わせるだけでいいんじゃん?

10話。
冬。もう、疲れたけど最後まで観ると決めたので。
ここに来て、由紀に頼まれ偽りの恋人ごっこを続けてた透が由紀を好きになってて。
潔い人間とそうでない人間。そして無関心を装って物事から逃げる・避けるずるい人間。
あぁ、世の中には三種類存在すると再確認した。例え、ティーンでも卒業まじかの高校三年生(進路も決まってるはず)がこんなに中途半端で脆弱な面ばかりのはずがないのだ。
例え、現実では本当に難しい事ばかりで、辛いことの方が多いとしても、創作の世界でそれを再認識させられて喜ぶ人は少ない。

11話。
ここまで踏ん張って観て、一つ得られたこと。登場キャラが殆ど一人っ子か、兄弟・兄妹がいても歳が離れている。そして、明示されていないが、幼い頃~中学生にかけて、部活や習い事を通じて、人と競った事がなく、勝ったり負けたりした時の感情を持っていない設定だから、こうなるって事。
ここに来て、井浦 秀と妹の兄弟愛とか引っ張りだされてもなぁ...。良いシーンなのに...。
んで、秀が堀に、妹の勉強を見てくれるよう頼むとか、堀と妹の会話とかも良いシーンなのに...。

12話。
Xmasシーズン。透の家が金持ち...てかお手伝いさん雇えるほど富豪設定に意味あるんかなぁ...。流れ的に、両親どちらか、兄弟・兄妹が登場ならわかり易いけど。結局、由紀とは好きだけど、友達以上恋人未満設定に落ち着かせちゃうのね。それは、恋愛のかたちは多様で自由って言いたいんだろうけど...。
それ皆さん納得できます?
で、卒業を意識したシーンで堀が進路が決まってない描写!?大学生はXmasに就活してるのに...。
でっ!!えええっ~!!プロポーズ!?卒業したら結婚かよ!?
でっ堀!!私がが宮村を幸せにするってどうやんだよぉ...。宮村はケーキ屋さんで、ケーキ作れる腕はあるから、本格的に家を継げばパティシエとしてやってけるって構図は解るけど、他の子は全部見えてない。進路が...。

13話。
卒業間近。基本早ければ2月中旬、普通は3月初旬。例によって堀家にて宮村は過去の自分を振り返りつつ、今の自分を「色んな偶然が重なって今の自分が有ると思うと、一つでも掛けたら違う世界もあったのかなって」「だとしたら、今こうして一緒に居ることに運命みたいなものがあるかもしれないね」と堀…。そして、運命なんて無くても、世界は自分の思った方向に少しずつ進んで行くのかもしれない…と思う宮村。プロポーズまでして…君の頭の中はどうなってるんだ?

卒業式当日。自分の影と語る宮村。春風の中、宮村は過去の自分を漸く認め、今がある事を知り思いを馳せる。そして、夫々も自分の気持ちに向き合って新たな一歩を踏み出す。境界線を無くすことが怖かった。自分にこんなに沢山の表情が有るなんて知らなかった。俺の日常を壊してくれてありがとう。俺とこれからを望んでくれてありがとう。君に生クリームのたっぷり乗ったケーキを…。それも独り言か…。
{/netabare}

【あとがき】
OP曲 「色香水」 歌唱︰神山羊。作詞・作曲・編曲︰神山羊。
ED曲「約束」 歌唱︰フレンズ。作詞︰おかもとえみ。作曲︰ひろせひろせ。編曲︰フレンズ。

多感な時期の心理を、多角的に描いた作品として、一定の評価はできる。しかし、1クールと短い中で描くには、詰め込みすぎてストーリーが崩壊しておりとても残念。ラストは綺麗に纏めたが、この作品の思いを知るには、原作を読まないと理解できないのだろう。

投稿 : 2022/09/09
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