「赤い光弾ジリオン(TVアニメ動画)」

総合得点
67.6
感想・評価
35
棚に入れた
199
ランキング
2291
★★★★☆ 3.8 (35)
物語
3.6
作画
3.5
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

昭和タツノコアニメ。

【概要】

アニメーション制作:竜の子制作分室、京都アニメーション
1987年4月12日 - 12月13日に放映された全31話のTVアニメ。
1988年6月21日発売のOVAもあり。

監督は、西久保瑞穂。

【あらすじ】

西暦2387年、人類は銀河系宇宙開拓時代に入っていた。

多くの人類が入植して暮らしていた植民惑星マリスは「第二の地球」と呼ばれていた。
だが、凶悪な宇宙の侵略者であるノーザ星人は惑星マリスから人類を排除しようと攻撃し、
戦火に包まれた人類は危機に陥っていた。
ノーザ星人に激しく抵抗するマリス防衛軍であるが、
人類の科学力と兵器ではノーザ星人に対して圧倒的な不利で、
マリス防衛軍の敗北は時間の問題だった。

このとき、謎を秘めた未知の超文明から3丁の銃が人類にもたらされた。
ジリオニウムをエネルギー源とし、光線が当たれば原子崩壊を引き起こす、
その光線銃は、「ジリオン」と名付けられた。

そして、その光線銃の持ち主はコンピューターによって選抜された3人。
スペシャルチーム「ホワイト・ナッツ」を構成するのは、JJ、アップル、チャンプの、
16歳~18歳の3人であるが、結成の顔合わせの日にJJだけ顔を見せない。
3人揃わないうちの初出動。ノーザ星人たちに虐殺される人類の居住地にJJはいた。
出動した、アップル、チャンプとJJは互いの正体を知らないままに、
3人で光線銃「ジリオン」でノーザ星人を倒していく。

その日から、長官であるMr.ゴードの指令のもと、ノーザ星人の攻撃から街を守ったり、
逆に拠点を叩きにいくなど、いくつものミッションが彼らに課せられて、
圧倒的に不利だった状況から戦局が変化していくのだった。

【感想】

ジリオンの名前は知っていましたが何十年も見て無くて、令和の今になって初めて見てみました。
後のProduction I.Gとなる会社の設立に、昭和期の仕上げ(彩色)業者だった頃の京都アニメーションが、
密接に関わっていまして、というかProduction I.Gの創立者の石川光久氏と、
京アニの八田社長らが共同の出資者(タツノコプロやアニメーターの後藤氏もいますが)であって、
経営が軌道に乗るまで杉山卓氏や八田陽子氏ら三人の兄妹の支援があったご様子。
アニメ業界は、こういった横のつながりで出来ていまして、仮にも業界の人間を名乗る者が、
悪いことしたり中傷行為をすれば、すぐに業界の中で犯人の名前が拡散してしまいますよね。
そして、このアニメはProduction I.Gの創立メンバーとなる竜の子制作分室が、
京都アニメーションからかなりの協力を得て作られた作品らしいです。

前置きはこれぐらいにして、作品の話に入ります。
これは、セガのおもちゃの光線銃の販促アニメです。
よって、従来の昭和の日本のアニメだと可変ロボットに乗って戦闘するところが、
銃を使った白兵戦がメインなのですが、人間の生身の身体に敵の銃撃が当たれば、
即詰みなので基本的には皮膚を掠めるのみで、逆にジリオン銃の光線が当たれば、
悪の?宇宙人は粉々に消滅するところ、作画の質が全く違うのですが、
チャージマン研を思い出してしまいました。一話完結でミッションをクリアしたり、
ゲストキャラの問題が解決の繰り返し。中には敵の宇宙人が美女に変身して、
主人公に色仕掛けをしてくるといったものもあり、チャー研でも似た話があったのですが、
むしろタイムボカンシリーズなどの、従来のタツノコアニメの延長線上にこのアニメが生まれた。

アニメージュの人気投票で当時のアニメファンから高い支持を得ているっぽい作品ですが、
平成初期の月刊ニュータイプの漫画みたいなキャラデザで、
等身大の少年少女らが感情のままに行動する青春グラフィティのアクションアニメ。

令和4年の今でいうところの、「リコリス・リコイル」のポジションにこのアニメがあったのかと。

生き生きとした喜怒哀楽の表現が豊富なキャラクターが作品の魅力ということでしょうけど、
バブル期を連想させるキャラデザであったり、
バカでスケベでお調子者だけど、やるときはやる男が主人公。
それが立ちションをしたり今でいうとセクハラ丸出しの行動があったり、締まりのない表情が多い。

表情や仕草がタツノコの「OKAWARI-BOY スターザンS」に似たコメディタッチであったり、
戦うヒロインのアップル以外の多くの女性キャラの口調が「~だもん!」でぶりっ子してたり、
男女の価値観が昭和そのもので今の価値観で言うと、表現が古くてダサいものでありますが、
1987年当時ではナウくて(死後)かっこいい表現の最先端だったのですね。

「天使のたまご」から業界で干されていた押井守氏が変名で演出家として参加して、
それが部分的に、「うる星やつら」っぽさ丸出しになっているのが笑えるところなのですが、
その仕事が、のちの「攻殻機動隊」につながるコネクションになっていたり、
作品の善し悪しとは別に前述の京アニとのつながりなど、
様々な意味のある作品としては興味深いですね。

でもやっぱり個人的にはいまいちなアニメでしたね。

いちおうはバイクであるトライチャージャーが可変してパワードスーツになるのですが、
主力商品である光線銃よりメカが目立ってはマズイという理由で、
マクロスのバルキリーなどといった他作品の主役メカに比べて存在感が限りなく薄い。

おもちゃの光線銃の販促アニメであるのが第一目的ですので、
主人公のJJ(16歳)の情緒面が購入層に合わせて小学生レベル。
無計画・無鉄砲・出たとこ勝負でイチかバチかの賭けで難局を乗り越える。
「慎重勇者」の主人公の過去の失敗が全肯定されるような価値観は、
子供ならともかく、成人済みの人間が見るときついかな。

セガのシューティングゲームのファンタジーゾーンの主役機のオパオパ(とウパウパ)が、
ガンダムのハロの口調で喋るマスコットキャラとしてレギュラー入りしてるのが、
SF戦争アニメにしては世界観を軽くしているようにも見えますね。
一部のエピソードでマクロスやキャプテン翼やこち亀などのキャラがカメオ出演してる、
このアニメに対して、こんな事を言っても虚しいのですけどね。
やはりこのアニメの本質は登場人物をハイティーンにしたキッズアニメなのでしょう。

決戦では、「超時空要塞マクロス」で培ったノウハウが流用されていたりするのですが、
光線銃が主役という商業上の理由で組織的なメカ戦闘が十分に発揮できない。
昭和のアニメの多くがメーカーとのタイアップで、何らかの制約を受けていた。
他社ではガンダムの富野由悠季監督らが、メーカーの要望に応えながら、
自分らスタッフのやりたいことを通していったのを見るに、
『アニメは監督のもの!』というのは幻想で、企業活動に組み込まれた仕事であって、
「クリエイターの自由」もスポンサーらを説得して、許された裁量の中でやるもの。
制限の中でベストをつくすのがプロの仕事だったりしてた、そんな時代でしたね。

数日で全31話を見るというやり方が悪かったのか、今どきのアニメに見慣れていると、
一話ごとの話の進みが冗長に見えたりしますよね。
時代劇とか特撮ヒーロー物のパターンでシナリオが作られているので、
最後の数分で敵を倒してめでたしめでたしの繰り返し。
ジリオンの謎とかも最後のほうに出るだけで、キャラの導線も弱い。

物語を読んでもらった人に、主人公の行動やセリフを通して、何を伝えたいか?
が過剰になると、キャラが監督のメッセージを伝える人形になるので、
それも好きではないですが、考えのない主人公たちが新人類?の若者の感覚で、
戦争に直面して、見て聞いて感じたこと。これを視聴者に判断してもらって、
最初から答えを作って押し付けたりはしない。感覚重視のアニメだとは思うのですが、
最終回での結末もカンフー映画のようにアッサリ風味であり、
余韻が薄い結末に辿り着くまでの全31話はちょっと長すぎたかな?
これが2時間の映画だったり、1クールのアニメならともかく、
視聴に費やした時間と比べて得られた感情の効率が悪すぎるということで、
あまり人にはおすすめしにくい作品であるとは思いました。

ターゲットである昭和末期当時の小学生男子ならば、また別の感想を持ったかもですが、
時代ごとのアニメスタイルのギャップであったり、見るときの年齢の都合で、
単純に自分が作品にミスマッチであったかもしれませんね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/09/16
閲覧 : 134
サンキュー:

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