「リコリス・リコイル(TVアニメ動画)」

総合得点
86.4
感想・評価
981
棚に入れた
2672
ランキング
198
★★★★☆ 4.0 (981)
物語
3.7
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

鬼滅との共通点 ※22/10/13修正

僕は近頃、リアルタイムでアニメを見ない
過去の名作や好きなアニメを見たいときに見るようにしている
ネットでは発信はしない、いわゆるROM専であるが、あるアニメの話題が目に止まった
それがリコリコであった
2人の少女が主人公のガンアクション
百合好きであり、輝く女の子が好きな僕には、絶対にハマるだろうと思った
結果としては、美味しくいただいたが魚の小骨が喉につっかえた、という具合である

この作品がヒットした理由をなんとなく想像しよう
ホンモノのアニメとは女の子が可愛くて、輝いているものだ
『鬼滅の刃』や『スパイファミリー』などでアニメを知った若い子達が、リコリスリコイルというホンモノのアニメに出会ったことでショックを受けたのであろう
往年のアニメファンも、ホンモノのアニメということで惹かれたように思える
それだけではなく、「こういうのが好きなんでしょ?」と言わんばかりの要素がアラカルトのように提供された
例えば、百合、{netabare}BL{/netabare}、{netabare}見た目はロリのハッカー{/netabare}、実は気が合いそうな敵キャラなどなど
百合でも、4話の千束がたきなを抱き抱えるシーンなんかは、周りの景色と相まってすごくロマンチックであった
また、いい相手が見つからずに焦る大人のお姉さんなんかは、非モテ男性を中心に好感を得たのではないか
そんな中でも、注目したい「こういうのが好きなんでしょ?」な要素は、「みんなが知らないところで戦っている人たちのおかげで平和が守られている」というものだ

これは『鬼滅の刃』でも見られた
戦っている人たちのおかげで平和がある、という考え方が、どうも日本人には好みらしい
DAという組織が孤児の少女たち「リコリス」を使い、悪人と戦わせて、その事後処理は警察も知らないうちに秘密裏に行われる
一般人には何も知られないまま、ただ平和な生活だけがある、という具合だ
しかし、秘密裏に行われるため、行方不明者は出るし、リコリスの女の子たちの人権も考慮されることはない

人権があるとは選択肢があることでもある
自分の人生の道筋を選択できること
それは、{netabare} たきなが敵を撃ち殺し、仲間を守ったように
あるいは、たきながリコリコで働くことを選び続けるように
そして、たきなが千束のために、DAに復帰したように
そして、たきなが千束のためにDAの任務を放棄したように
はたまた、千束がよしさんに救われた命を、命を守るために使う{/netabare}ように
選択し続ける、あるいは自分の人生は過去に自分が選択したように進んでいると思うことが幸せになる方法だ

しかし、この作中の世界では、人権をDAによって侵され、未来の選択肢を奪われる人がいるかもしれない
なぜなら、あらゆる事件が知らないうちに秘密裏に解決されてしまうからだ
DAの行いが報道されることはなく、検証することができない
すると、権力を持ったDAが、治安を守るためと言って、暴走し、市民の人権を脅かすかもわからない
そうならないためには透明性が必要だ
どのよう組織がどのような事件を防いでどのように対処しているのか周知する必要がある
何もかも隠されているということは、DAにやましいことがあっても、放任されてしまうということだ
例えば、犯罪行為を未然に防ぐためという理由で、冤罪で殺され、行方不明者として扱われるかもしれない
犯罪者に対して、必要以上にひどい扱いをすることもあるだろう
ある趣向を持った人が犯罪者予備軍とレッテルを貼られ、監視され、プライバシーが筒抜けになっているかもしれない
場合によっては、DAの都合で犯罪行為自体が見逃されるかもしれない
リコリスの命が消し去られそうになったこともあった
そもそも、孤児を集めて命懸けの任務をさせること自体、少女たちの人権を奪ってないか
いつ自分が行方不明者になるのかという不安を抱くこともできず、人権を蔑ろにされる可能性もある
これが本当に平和で、本当に幸せなのだろうか

そう、僕は、真島に共感してしまったのだ
リコリス達に暴力をふるう点は共感できないが、そこは悪役であるために“バランス”をとっている、というところか
DAが強大な力を持って、ある意味好き勝手やっている、そこに抵抗を感じるのだ
平和であればそれでいい?その下に犠牲があってもか?
見えないところで守られている平和はそんなに過ごしやすいか?
市民から隠れて平和を守ることで、どんな満足を得られるのだろうか?

その体制は結局{netabare}変わらぬまま{/netabare}終わったので、喉の小骨がなかなか奥に流し込めない、といった状態
例えば、国家間の戦争ならわかる
秘密を守ったり、スパイを送り込んだりもするだろう
しかし、国民に犯罪行為を隠す必要はなんだ?
そんな設定まで作るくらい「みんなが知らないところで戦っている人たちのおかげで平和が守られている」話が好きなのか
なんで好きなのか、僕にはわからない
国のために戦う人々の犠牲のおかげで生きているという意識が自己肯定感を生むのだろうか
どうも何か引っかかる
そんな小骨なんか気にせず、料理の「さかな〜」を楽しんでいる人が多数なのだろう
うん、たきな可愛かった
チンアナゴ〜

投稿 : 2022/10/17
閲覧 : 186

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