「ココロ図書館(TVアニメ動画)」

総合得点
62.2
感想・評価
42
棚に入れた
270
ランキング
4899
★★★★☆ 3.5 (42)
物語
3.4
作画
3.2
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.6

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

司書三姉妹のハートフル系、斎藤千和氏の初主演作。こなれていない面もあるが、隠れた良作

人里離れた図書館の司書三姉妹と人々が織りなすハートフルストーリー。全13話。
斎藤千和氏の初主演作である。
※作品データベース様より転載

【良い点】
図書館、10歳の女の子司書がお仕事する、そのためのSF(すこしふしぎ)世界観を構築、各話やキャラも優しい世界で癒し系。
日本ぽいが明らかに日本ではない、ごちうさの舞台的な。司書アンドロイドや、マニアックなメカ類の描写も世界観に華を添えている。
主にドイツ系のクラシックメカ多数、マニアックな面白味。背景作画や楽曲も併せて、優しい雰囲気アニメとして魅力的。
ヒロインのこころちゃんの可愛らしさ、三姉妹の温かい絆、短編な原作には登場しないオリキャラたちとの交流も良い。
あざとい萌え要素ありつつ、未だ日常系萌えアニメのジャンルが固まっていない時期の試行錯誤あり。
この点は良し悪しだけど、後世のテンプレな日常系萌えとは一味違った良さはある。
こころちゃんの服装にバリエーションあるのも見所。大変可愛らしい。

三姉妹の絆はこころんを溺愛するいいな姉の暴走ぷりがあざといが、しっかり者な眼鏡っ娘次女あるとも良いキャラしていた。
苦労人にして冷静に見ているあると視点で、三姉妹の絆の強さがふんわりと伝わる感じ。
ここもテンプレな姉妹百合に留まらない魅力がある。

ストーリーはゆるふわ癒し一辺倒ではなく、結構シビアなお仕事アニメの側面もあり。
悪人誰もいないやさしい物語ながら、こころの真心では一筋縄ではいかない展開も多く、それでも善意が小さな奇跡を起こす。
6話こころが都会の図書館の研修で、利用者一人に寄り添うよりも効率求められて葛藤する話、理想と現実を丁寧に描いた。
司書アンドロイドのシュネさんが効率主義からこころちゃんの影響でデレる過程が微笑ましい。
ゲストヒロインとの百合未満な交流回も多い。純粋に微笑ましいシーン多々な上で、骨太な内容のある良回いくつかある。
4話病弱お嬢様ミサトちゃん回が一番良かった。
病弱な娘を想うあまり籠の鳥に押し込めていた父親と向き合う、こころちゃんの本を読んでほしい純真さが善意の結果を生んだ。

終盤10話〜12話の急展開からの大団円。
11話過去編の戦争と平和への想い込めたココロ図書館誕生話は、一話完結として完成度高い。
実は過去編の彼らが現在の三姉妹をずっと見守っていた構図が良く出来ている、これを踏まえると2度目以降の視聴で印象が変わる。
市長も悪意無く、シリアスもあまり尾を引かず一気にハッピーエンドに持っていく流れも小気味良い。
テーマとして本を通して優しいこころ、あると、いいな。
大局的な平和も、一人の女の子の幸せも、根底にある願いは同じである。
一見地味な各エピソードが、振り返ると尊く思える構成になっているのは見事。
11話軍用アンドロイドのシュリの想いが、6話司書コンパロイドのシュネに受け継がれていたり。
どちらも同じ声優(坂本真綾氏)という演出も粋。

声優陣は斎藤千和氏が初主演ながら抜群に可愛らしい好演。涙声になる場面も多いが、この時点で泣きの千和さん流石。
更に若い新人ながら姉キャラ好演した沢城みゆき氏も流石。

【悪い点】
良い点とも裏腹だけど、純粋無邪気な日常系癒し系ではない点。
こころちゃんの笑顔が曇る湿っぽい展開がかなり多く、呑気な癒しアニメ期待しているとコレジャナイと感じる可能性大。
8話9話ひかりちゃん回は途中経過でギスりがちだったり。

必ずしも悪い点ではないが、日常系萌えアニメのテンプレが固まっていないぎこちなさを感じる。
萌え要素がいいな姉の溺愛一辺倒だったり、ゲストヒロインとの交流回も地味な展開で盛り上がりには欠けたり。
ゲストヒロインは大人しい地味な子ばかり、こころちゃんもグイグイ行くタイプでもないためか、全般的に話が地味。
各話のクオリティーが高い割には退屈を感じがち。
交流したゲストヒロインをその後あまり活かせなかったのも勿体ない。

本の内容を活かしたドラマとしては物足りなかった面も。

舞台となる図書館の内部描写や、街の描写が乏しい。折角のステキな世界観の魅力出せていたかは微妙。
また街の人々との交流も物足りない。人里離れた図書館という舞台設定が、ドラマの幅狭めた感も。
このためか、実質クライマックスだった12話の大団円も唐突感が否めず。
構成は良かったにせよ、この結末のための積み重ねが足りなかった。

ある種の御伽噺と見れば許容範囲ではあるが、ココロ図書館の立地や存続の是非に関して、やはり無理は否めない。
ファンタジーならばいいんだけど、10話で市民の税金とか生臭い話出ちゃってるので…
※蒼い星氏が厳しく論じられてますが、まあ仰る通りな訳で。
ここを許容できるか否かで評価が割れそう?

【総合評価】6~5点
21世紀初頭のテレビ東京の地味なマイナーアニメだけど、オンリーワンの捨て難い魅力がある。
評価はとても良い付けたい位の思い入れはあるんだけど、後世の人気アニメと比較すると難も多し。
「良い」

あると役の市原由美氏は機動戦士Vガンダムのシャクティの人なんですな。
全ガンダムでVガンが一番好きな自分としては、シャクティの人が出ているアニメという意味でも外せない一作。
シャクティとあると姉、全然イメージが違う…

投稿 : 2022/12/05
閲覧 : 132
サンキュー:

3

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