「STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)」

総合得点
92.6
感想・評価
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ランキング
18
ネタバレ

プラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

リアリティあるSF

未来の科学を主題にしたリアリティあるSF。

とある理系大学に通う大学生・岡部倫太郎。彼は狂気のマッドサイエンティスト:鳳凰院凶真という、なんとも厨ニくさい二つ名を名乗っていた。彼とその仲間たちは"未来ガジェット研究所"という名のただの賃貸アパートの一室で、日々研究(というよりはダラダラした日常)に勤しんでいた。

ある日、タイムマシン理論の講演会に出席した岡部はとある事件を目撃する。講演会と同じビルの一室で、さっきまで話をしていた牧瀬紅莉栖が刺殺されていたのだ。このことをラボメンバーに伝えようと急いでメールしたところ、不思議な感覚に襲われる。その後、同ビルで死んだはずの牧瀬紅莉栖を目撃するところから物語が始まる。

見た目も言動もアホっぽい岡部だが、勘だけは良いのでラボの電子レンジがこの一件の原因であることにすぐ気付く。電子レンジが稼働してるときにメールを送るとタイムリープ"世界線移動"できるのであった。岡部は、このレンジを"電話レンジ(仮)"、メールを"Dメール"と名付けた。

世紀の大発見をしてタイムマシン開発という夢に大きく近づき調子づいた岡部は、岡部に所縁のある人物たちをラボメンとして引き入れ、彼らが変えたいと願った過去を1人1つずつ変えていく。この"タイムリープマシン"が彼らを悲劇へと導いていくことも知らずに。

そして、事件は起こる。タイムリープマシンを狙ってとある機関がラボを襲撃する。武装した彼らのうち1人が銃を撃つと…幼馴染のまゆりが死んだ。岡部はすぐさまタイムリープしまゆりを死なせないように行動を起こすが、また死んでしまう。その後、岡部は何度もタイムリープを繰り返すも、結局まゆりは死んでしまう運命にあるのであった…

"世界線の収束"によりまゆりが死んでしまうとわかった岡部は決意する。ラボメンたちの変えた過去を元に戻し、まゆりが死なない元いた世界線に移動しようと奔走する。方法は、ラボメンたちが送ったDメールを消去するというものであった。ラボメン(だった)者たちの想いをふいにしてしまうことに苦しむ岡部だったが、あることに気付く。まゆりが死なない"元いた"世界線では、大切な仲間である紅莉栖が死ぬという事実に。

紅莉栖には自分が犠牲なってもいいと言われるが、岡部は納得するはずもなかっ。そこに現れたのが"ジョン・タイター"であった。彼女は未来の岡部が作ったとされるタイムマシンを使って過去に戻ってきた。そして、岡部はタイム巻きを使って2人が両方とも助かる方法を模索するのであった。

岡部は渡り歩いた世界線の記憶を引き継ぐ"リーディングシュタイナー"と呼ばれる能力を持った特殊な存在であった。しかし、岡部はすべての世界線で"視認した事実"(真実とは限らない)を改変することは不可能である。岡部はタイムマシンで過去にワープし、過去の岡部自身に紅莉栖が死んだと思い込ませることに成功する。そして、2人の助かる世界を創り上げたところでストーリーは終わる。

気になるところを挙げるとすれば…物語中にSERN(おそらくCERNを意識したもの)の名前が何回も出てくるのに組織自体の詳細な描写がなかったこと、岡部の持つリーディングシュタイナーの代償はないのか、というところかな。

ちょっと余談。ジョンタイターについては10年くらい前に調べたことがあったので、このアニメで名前が出てきたびっくりした。ジョンタイターは実在したとされる未来からやってきた人物。いくつかの予言を的中させているが、北京五輪が中止になるという予言は外している(世界線移動したから?)。ちなみに、今年(2015年)のうちに核戦争が起こると予言している。シリア・ウクライナ問題の情勢が急変すればあり得るのかもしれない。誰かが世界線移動のために奮闘してくれていることを願う。…半分冗談だが←

タイムマシンなんて夢のまた夢なんて自分は思っていたが、ほんの少しであるが実現に近づいているのかもと思えるようなことがあった。SERNのモデルであろうCERN(欧州原子核研究機構)が、光速度よりも速い粒子を観測したと発表したのだ。のちに、ただの時計の誤差による測定ミスだと判明したが、タイムマシン開発部門があるとしたら、着実に進んでいるのではないかと感じなくもない。ただ、CERNはタイムマシン開発はしてないし、してたとしても研究しているという事実はきちんと公表するとしている。いろいろな作品でCERNが犯人扱いされてて可哀想ですね←

相対性理論を少し勉強すれば、いまの理論では時間遡行は無理だということがわかるはずである(…「時間」という概念の定義の話は置いておいて)。ただ、未来に"存在する"ことはできるとされている(未来に"行ける"とは言えない?)。この作品は"過去改変"をテーマにしているという点では完全なるフィクションである。ただ、もしかしたら将来こんな世界が存在するのかもと思わせてくれるほどのリアリティがあったので、非常に楽しめた。

この作品を面白く見られたのは自分が理系だったから、かもしれない。しかし、この作品を好きになったなら、いろいろ勉強してみるとさらに面白くなると思う。

総評。最初の方はなかなか難解なストーリー展開で進む。人物関係や事実関係を整理するのに時間がかかる。ただ中盤にかけて散りばめられた伏線はすべて収束し、最後は綺麗にまとまっていて見応えがあった。そして、何より見ててワクワクする気持ち、これが最高だった。また見返したいと思う。

投稿 : 2017/01/29
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サンキュー:

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