Witch さんの感想・評価
3.2
物語 : 5.0
作画 : 1.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
【失敗作の典型例-1】(作画崩壊w)制作ガチャの悲運!→「引き」が良ければ超名作にも成り得た逸材
【レビューNo.28】(初回登録:2023/2/8)
コミック原作の2020年作品。全12話。
もともとの動機は、純粋にスポーツもののレビューもひとつ入れたかったから。
【失敗作の典型例】は今期の某アニメをその方向で下書きしてたのですが、制作ガチャでここまで
評価を下げた作品を今後扱う機会もなさそうなので、栄えある1号にしておこうかと。
(本作を失敗作認定するのは個人的には気が引けるのですが・・・)
(ストーリー)
武田詠深(詠)は鋭い変化球を持つ優れた女子中学生投手だったが、捕手に恵まれずその才能を発揮
できずにいた。高校に進学した詠は、幼き日の野球仲間だった山崎珠姫(珠)と出会う。彼女は強豪
チームで捕手として実力を磨いていた。
「超高校級の変化球投手」と「それを捕球できる実力派捕手」・・・2人の時間が再び動き出す!!
(評 価)
・制作ガチャの悲運!→作画崩壊はネタレベルw
この作品の問題は本当ここだけなんですよ!「いもいも」「DYNAMIC CHORD」「おさまけ」等と
同列に語られるほど、ネット民のおもちゃにされている作品のひとつですね。正直脳死じゃない
と結構話の興を削がれるレベル。だからまともな作画でアニメとして魅力ある演出のできる制作
会社を引いていたら・・・本当に惜しまれます。
・きららとは思えない!本格派野球作品
これってきらら作品だったんですね、知らなかったw確認してみたらたしかに珠詠コンビはイチ
ャイチャしてる感はあるのですが、内容はかなりガチの野球モノですね。{netabare}主役2人は実は高校で
野球を続けるつもりはなかったのですがその物語だったり、この高校も実は不祥事で活動中止で
部員がどんどん部を去っていく中、2人の先輩が陰で部を守ってくれていて、そこから部員が集
まってきてというドラマ性もしっかりしてますし、もちろん真面目に練習もします!しかも練習
試合は勝ち負けよりも課題の克服優先とかどんだけガチやねんw
他にも「ここぞ!という場面以外はフォームが崩れるからホームラン狙わない」強打者・中村希
(博多弁がかわいいw)や珠の試合中の配球など、本当に本格的に野球してるんですよ。
「男子野球」に比べスピード・パワーといった描写は格段に劣りますが、「女子野球をどう面白
く魅せるか」原作はかなり考えられてるなという印象を受けます。また1クールという尺の都合
もありますが、男子野球にありがちな「過剰な引き伸ばし演出」がないのが好印象ですね。{/netabare}
・「川口芳乃」とかという超有能な野球オタw
この作品を格段に面白くしているのが彼女の存在。
{netabare}・体を触るだけでどれだけ練習してきたかや選手の特徴を把握できる。
・県内の有力選手は全てチェック済み。(珠や先輩のことも知っていた)
・もちろん野球に対する造詣も深く、練習メニュー立案や技術・メンタル面のアドバイス、試合
では作戦等の采配を振るい、ちゃんとノックも上手い。それにオタの真骨頂・データ分析も。
・トドメに栄養管理から手際よく雑務まで担当
ってどんだけ有能やねん!って感じで、彼女を見ているだけでも全然飽きません。
だって「場面ごとに守備のシフト変更」サイン出すとかwこの娘どんだけ野球好きやねん!!
上述「本格派野球作品」は彼女の存在によるところ非常に大きいです。{/netabare}
ただ「スポーツアニメはこうあるべき」という固定観念の強い方から見ると、迫力や熱量といったも
のが足りてないという評価になるかも。でもそういうのって絶対「男子野球」に敵わないと思うんで
すよ。だから同じ土俵では戦わず「女子」を活かしたうえで、別角度から野球の魅力を伝えていく。
「何故野球を『女子野球』で描くのか?」
個人的には、この命題にひとつの答えを提示した良作かなっと。
それだけに作画だけでなく、演出面でもこの作品の魅力をもっと引き出しようがあったのでは・・・
「制作ガチャ」が!!!!!!! 本当に勿体ないです。
それ以外はよくできた作品なので、作画耐性がある方には是非観てもらいたい作品ですね。
(追 記)
作画がアレで1クールで終った(多分2期はないでしょう)なので、原作を買うか迷ってる作品です。
正直「娘に引かれるかも?!」ってとこで躊躇してるんですが(笑)
制作ガチャのせいで原作の興味を引いたのなら、ある意味アニメ化は成功といえるのか(皮肉w)
「制作会社を変えて1から作り直して欲しい」こういう作品は誰もが1、2つ持っているのでは。