蒼い星 さんの感想・評価

2.2
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態：観終わった

安直過ぎるチート無双のギャグアニメ。

【概要】

アニメーション制作：HOTLINE
2019年7月 - 9月に放映された全12話のTVアニメ。

原作は、「小説家になろう」に連載していて現在は完結しているweb小説を改訂し
双葉社のモンスター文庫（→Mノベルズ）から刊行されている美紅によるライトノベル。
原作イラストは、U35が担当。
双葉社のwebサイトの『がうがうモンスター』にて、
漫画家・そらの によるコミカライズ版が連載中。

監督は、奥村よしあき。

【あらすじ】

高校2年生の柊誠一は、頭が良くなくても入れる近所の芸能人ご用達の学校に通っていたが、
ブサイクなのと100キロの体重と酷い体臭で豚と呼ばれて暴行されて虐められていた。

そんなある日の放課後の差し掛かり。皆が帰り支度をしているところに、
校内放送による《神の声》でクラス全員が身体を操られて強制的に着席させられて、
学園の人間800人あまりがまるごと、剣と魔法のRPG風異世界に転移させられていった。

その異世界側の人間が勇者召喚の儀式を行っていたので学園の人間は勇者として扱われるのだが、
誠一ひとりだけが勇者でもなく別個に森の中に転移させられた。殆どの数値が1の最弱の誠一は、
猿のモンスターが持っていた、「進化の実」を盗み食いをして飢えをしのいでいたのだが、
その実の影響で肥満が解消されて、レベルが1のままなのに魅力以外の数値が1000を超えてしまう。

更にはおっさん声のメスゴリラのサリアに勝負を挑まれたうえに惚れられてしまった誠一。
種族の違いにサリアを拒絶していた誠一だったが、気の迷い化情が移ってしまう誠一。
誠一とサリアの両方とも「進化の実」を食べていたために、暗黒貴族ゼアノスとの死闘を乗り越えて、
進化条件を満たしてしまい、誠一はスリムイケメンの超人に、サリアは赤髪の人間型の美少女に進化。

そのことは、誠一のチート無双伝説の序章に過ぎないのだった。

【感想】

同じ作者で、「異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する」
というキャラがやたら美形の作品があって放送中なのですが、
内容的には五十歩百歩な代物のアニメ化。
あちらを観る前段階として視聴してみたのですが、こちらは絵が古いギャグ漫画調の作品。

あまり負の先入観で語るべきではないかもしれませんが、
モンスター文庫(がうがうモンスター)のアニメ＝ダメだと思っています。
「魔王様、リトライ!」「最強陰陽師の異世界転生記」がマトモに見えるレベルですからね。
このホットラインって会社も評価の低い「石田とあさくら」「スパロウズホテル」
から8年ぶりの元請けで、クレジットの多くが韓国人と中国人で、個人名でなく組織名の多さ。
動画検査のひとりは、使えないと業界では評判のおばさん。
一応は異世界ファンタジーなので馬が出てくるのですが、極力馬の脚を見せないようにして、
脚が画面に出ているときは、２パターンの絵を繰り返して動いてるように見せかけてるだけ。

フルアニメーションでなくてリミテッド・アニメーションでも実は全然オッケーなのですが、
あまりにも技術的にもお粗末すぎる。それがヤマジュン由来の下ネタといったネットミームや、
パロネタやコロコロコミックレベルのギャグなどと合わせるとあまりにも安っぽすぎる。

主人公のバカバカしいまでの強さとご都合主義展開を笑って流す作品だとは思うのですが、
原作者のセンスの無さとアニメ会社の実力の無さの合体事故みたいな変なアニメですね。

「転生したらスライムだった件」などでおなじみの●●スキルを習得しました展開の連続も、
努力なしにチート能力で主人公の能力のインフレ状態であって、
かつブサメンがイケメンに全身整形して女の子にモテモテ展開。
んでいじめられっ子だった主人公がバンザイバンザイされるだけのアニメ。

一応感動シーンっぽいものもあるのですが、そこまでの過程が何でもチートで一瞬で解決なので、
ありがたみがなくて、キャラの誠一への感謝の感情すら安っぽく見えてしまう、

この手のアニメを疑うことなく素直に楽しんでいる大の大人が実在したら、
相当心の闇が深いかな？と思ったりして。

主人公の我妻善逸声が合っているとか、
ピンクのメスゴリラのサリアがヒロインで人間とゴリラを行ったり来たりできるなどの要素は、
ある意味面白いとは思いますが、
平成初期の小学生向けアニメみたいなノリは自分にはきつかったかな。

じゃあ何で見たんだ！？と言われたら返す言葉もないですね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。