wkr さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
"クレヨンしんちゃん"のフリをした啓発作
物語 ☆5.0
起承転結がしっかりとしているストーリー、クレヨンしんちゃんという作品らしい笑える掛け合いや逃走劇、全体的に綺麗に纏まった作品である。特に演出が光っていた。コメディとホラーを両立した雰囲気作りが秀逸でキャラの台詞、行動、表情、カメラワーク等多くの意味を孕んだ無駄のない演出であった。懐かしさを知らない子供達と懐かしさに身を置きたい大人達の対比も見事である。更にはいい意味でクレヨンしんちゃんらしからぬメッセージ性を持ち合わせている。後半はそれが山場となっており、ストレートに描かれたそれが心に刺さることだろう。(この作品と戦国大合戦の影響で映画シリーズが若干迷走したらしいが)。少し荒唐無稽な展開も多々あるが、逆にそれがクレしんらしくもありマイナスになっていない。"映画"クレヨンしんちゃんということもあり、前提知識は必要だが、理解している人は勿論、アニメを観ない層でも理解をすれば楽しめる。特に親世代に観て欲しい作品である。
作画 ☆4.5
映画の枠でなら特別凄いと言うわけでもないが、クレヨンしんちゃんという作品らしいユーモアのあるコミカルな動きがキャラの面白さを上手く支えていた。シリアスなシーンは丁寧にしっとりと。怪獣と戦うシーン、お菓子を食べるシーン、階段を昇るシーン等単純に凄いと思えるシーンもある。
声優 ☆4.5
野原家の声が良いよね
音楽 ☆4.0
ノスタルジーを感じる挿入歌、bgmの数々。熱いシーンは熱く、はっちゃけたシーンははっちゃける。その場の雰囲気を助長している。
キャラ ☆5.0
メッセージ性も勿論素晴らしいが、濃いキャラの面々も負けない程魅力的である。春日部防衛隊はノリに勢いやユーモアがあり、この作品が"クレヨンしんちゃん"でいられた要素の要となっている。野原家はどこか温かく一体感があり、非常に安心感がある。ラスボス的立ち位置のケンとチャコは特に掘り下げられなかったが、演出がキャラ描写を上手く補完していた。