「岬のマヨイガ(アニメ映画)」

総合得点
67.9
感想・評価
40
棚に入れた
131
ランキング
2212
★★★★☆ 3.5 (40)
物語
3.4
作画
3.7
声優
3.4
音楽
3.4
キャラ
3.5

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

震災と遠野物語の交流映画。淡々としている上に雰囲気が辛気臭い

東日本大震災と遠野物語を題材にした児童文学原作のアニメ映画。105分。
毒親に虐げられた女子高生と、両親を事故で亡くし喋れなくなった小学生女児が、マヨイガのおばあちゃんと交流していく。
※作品データベース様より転載

【良い点】
震災直後の岩手の荒廃と、心に傷を負っている主人公少女が、遠野物語をベースにしたハートフルな交流で救われていく。
女子高生も寡黙で女児は失語症、おばあちゃんも自然体で、淡々としているが、多くを求めない寛容な気風は良かった。
キヨばあちゃんや田舎の民家の温かみのある日々を、淡々と描く雰囲気良し。
作画が綺麗でマヨイガ伝承や料理の描写など見応えがある。
大竹しのぶ氏演じるおばあちゃんが語る遠野物語も良かった。アニメ的な演出も味がある。

淡々と進行するが、クライマックスでふたりが勇気を出して一歩踏み出すに至る成長の成果はちゃんとある。
遠野物語の教訓も下敷きになっており、教育的な良い内容だった。

声優陣は拙いけれど悪くない。 県知事がゲスト出演するなど御当地アニメとしての意気込みも。

【悪い点】
淡々と進行、105分が退屈に感じる。山場の妖怪退治もあまり盛り上がらずアッサリ。
主要キャラ全員あまり喋らず、心情描写や交流掘り下げが分かりづらい。三人は大切な家族だ!と思わせる積み上げが弱い。
文脈で判断はできるが、彼女らを見ていてもあまり楽しくなかった。
マヨイガでの生活や妖怪との交流シーンも弱く、あまり見所になっていない。

毒親関連が極めて生々しく陰鬱。女児の境遇も重い。とにかく楽しくない。
マヨイガでの交流でポジティブに成長するのはラスト分かるが、過程が淡々としていてカタルシスが無い。
ついでに、序盤のモブも不愉快。たぶん震災で人心が荒んでいる描写と思われるけれど、作劇上の意味を感じない。
復興支援作品との事だけど、震災後の人々の描写が殆ど無い上で不愉快モブ、却って岩手の印象悪くなるような。

マヨイガの語りパート自体は面白いが、テンポを損ねている。
同年のサウジアラビア映画「ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語」と似た感じの構成の拙さ。
ジャーニーよりは説教臭くない点はマシだけど。
説話が成長のきっかけであろう事は理屈ではわかるが、作劇としては分かりにくい。

終始盛り上がりに欠いたまま、毒親との関係など未解決で終了。

【総合評価】2点
吉田玲子脚本のダメな所ばかり出ていた印象。
良質な児童文学なんだろうな?という気配はするんだけど、地味かつ陰気すぎる。
毒親作品は自分にとって鬼門。
評価は「悪い」

投稿 : 2023/07/22
閲覧 : 72
サンキュー:

2

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