「すずめの戸締まり(アニメ映画)」

総合得点
77.3
感想・評価
246
棚に入れた
871
ランキング
616
★★★★☆ 4.0 (246)
物語
3.9
作画
4.5
声優
3.8
音楽
4.1
キャラ
3.8

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

災害アニメ第3弾。

【概要】

アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
2022年11月11日に公開された122分間の劇場版作品。
監督は、新海誠。

【あらすじ】

岩戸鈴芽は九州の宮崎県で叔母と二人暮らしの17歳の女子高校生。
鈴芽は夢を見た。4歳の自分が母親を捜しているが見つからずにいると、
髪が長い女性と出会ったところで目が覚めた。

その鈴芽が登校中にロン毛のイケメンとすれ違い、彼に見とれてしまう。
そのイケメンは宗像草太といい、
彼に呼び止められて廃墟がこのあたりに無いか尋ねられて答える鈴芽。

一旦別れたあとで草太が気になった鈴芽は、
彼が行ったと思われる山中の廃墟にて、
水浸しの床に立っている白くてボロボロの扉を見つける。
扉を開けると不思議な草原に繋がっているが、
鈴芽は見ることができても草原に足を踏み入れることはできなかった。

そして、水浸しの床に刺さっている小さな石像に引き寄せられる鈴芽。
鈴芽が引き抜くと石像は猫の姿に変わって逃げていった。

その日から日本列島の各地で地震が頻発するようになる。
扉の向こう側の常世からミミズと呼ばれる災いが溢れ出ると巨大な地震が起き、
草太は代々、扉を戸締まりして災いを鎮める『閉じ師』の家系だった。

日本列島を再び安定させるには要石でミミズを封印しなければならず、
鈴芽が引き抜いた石像が要石だった。猫になった要石のダイジンは、
鈴芽と仲良くなるのに邪魔な草太を三本足の椅子の姿に変えて逃げてしまう。

草太を元の姿に戻すために、ダイジンを追いかけての鈴芽の日本各地の旅が始まる。
そして、ダイジンの行く先々には災いの前兆となる扉が出現するのだった。

【感想】

隕石落下で地域壊滅、水害と続いて今回のアニメは現実にあった大震災がモチーフのファンタジー。

国民的アニメ映画監督の道を歩もうとする新海誠氏は、
日本人共通の普遍性を持つテーマとして2011年の東日本大震災を選択し、
映画公開から11年前の忘れがたき大災害の被災者の内心に踏み込んでの、
共感や話題づくりを狙ったのでしょうか。

家族や友人らを亡くし帰る家を失った者が数多くいる生々しい史実を踏まえるに、
つらい記憶を持つ当事者からみれば、このアニメを見るのはやや苦しいのではないかと?
震災時の気仙沼大火災を彷彿させるシーンもあり、被災地から遠く離れた地にある自分としても、
心苦しさがあったのですが、その手の非難も覚悟の上で敢えてのチャレンジでしょうか?

ずばりこれは、アニメとは楽しいだけの娯楽であってはならないと思う人向けの作品。

大震災という忘れがたい現実を敢えて思い出させ風化させず、被災者たちの記憶や感情に訴えかけて、
失う前の生活、震災、被災後の日常の再生、そして続いていく未来。などを踏まえた上で、
どんなことがあってもの生命の営みと日常は繋がっていて、そして次の世代にバトンが渡っていく、
数多の日本人に向けた心の有り様のメッセージ性を伝えたいためだけの2時間でしたね。
子どもたちを含めた各地で出会った人たちと鈴芽との触れ合いのロードムービーを見せたのも、
日本人の変わらない日常を見せたかったのかなと?

それだけではなくて新海誠らしいラブストーリーやエンタメ要素を混ぜてはいるのですが、
アイスクリームを落とすとか壊れたオープンカーとか車内BGMを色々選ぶとかのシーンに、
エンタメ的には笑えなくてどこが面白いのかちっともわからず、
その軽さにリアルで被災した人から見れば、このアニメのキャラクターの描写はどうなんだろう?
絵空事に見えてしまうのか?納得するのか?とか思ったりで、
それほど良いものでもなかったりでして、
個人的には続きの展開があまり気にならなく特には面白いアニメでもなかったので、
評価は控えめになりました。作画がどうとかの言及も今回は割愛します。
もっといろいろ書くには何周も見る必要がありそうですが、取り敢えず今はやめておきます。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/10/16
閲覧 : 122
サンキュー:

35

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