てとてと さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シリーズ随一(唯一?)の明るいゾイド。破天荒なキャラたちのコミカルさと清々しいバトルが魅力
ゾイドシリーズ2作目、全26話。
初代や4作目ジェネシスような大河ロマン戦記ではなく、3作目フューザーズ同様の競技バトル系。
チーム組んでのリーグ戦で、主人公は相棒ゾイドと共に成長、個性的なチームメイトやライバル達としのぎを削ったりドタバタしたり。
【良い点】
過度なシリアス感が殆ど無く、明るく朗らかで気持ち良く見られる。
他シリーズは結構シャレにならない悪意に晒される展開が多く、本作のみ深刻な悪意が少ない。
一人も死亡者出していないのはシリーズ中本作だけ。
それでいて途中経過はちゃんとハラハラ感ある。
リーグ戦を通じて敵含めて各キャラ少しずつ交流しつつ、ラスト理想的な決着で後味も良し。
ラストで初代主人声バンの事であろう記録シーンも、初代からの視聴を踏まえると感無量。
主人公ビットが探し求めていた伝説のゾイドとは、実は特別なゾイドではなく、共に戦って絆を深めた自分のゾイドだった的な解釈も好感持てる。
個性的で面白いキャラ多数。
ヒロインなのにお転婆?が過ぎて敵より脅威度高かったりするリノン、クールだが茶目っ気もあり決めるとこは決めるバラッド、最年少ながら一番常識人と思いきや…なジェミーなどなど。
子供っぽい破天荒さある博士に振り回されたりと日常・バトル両面でコミカルな掛け合い多くて楽しい。
各チーム個性的で印象に残る。特に三枚目なボンボンのハリーが良きコメディリリーフ、ロボットのベンジャミンが審判ロボットへの恋で暴走する18話は爆笑。
悪役のバックドラフト団も含めて各キャラにスポットが当たり、見せ場や成長や交流あり、群像劇としても良かった。
最強の敵になった天才少年も無垢な良い子だったり、悪の女ボスも天才少年に愛情持ってたり、真に邪悪なキャラがほぼいない。
ゾイドバトルはチーム戦形式で多彩なゾイドの魅力分かり易く見せてくれる。
バックドラフト団の卑怯戦術も含めて毎度バトルが飽きさせない。
卑怯戦術も主人公ビットたちのチームワークと破天荒な活力で撃破、苦戦の末の成長と勝利が王道故に清々しい。
続編フューザーズと違い、盤外の政治的な悪意が無い。
最終26話のライガーゼロとバーサークフューラーのバトルはシリーズ屈指のベストバウト。
ビットの成長やライガーゼロとの絆、物言わずとも伝わるバーサークフューラーの誇り高さ、チームメイトとの信頼の勝利が素晴らしい。
作画は3DCGの躍動感が2023年から見ても色褪せていない。
猛獣モチーフの機械生命体が本当に生きているかのように活き活きと動いてくれる。
【悪い点】
リーグ戦の連続なので縦軸のストーリーとしては地味。
バトルも良シーンは多いものの、展開が大雑把なシーンも多い。
良キャラが多いだけに、しっかり掘り下げられるのが一部のキャラだけなのが勿体無い。
ハリーのお姉ちゃんとか1話のみの活躍は勿体無い。
最強の敵なベガ少年の登場が終盤ぽっと出なのも惜しい。
【総合評価】8~9点
初代やジェネシスのようなシリアスな名作とは毛色が異なるが、こちらも良作。
20年以上昔の作品だが色褪せない。
シリーズで一番純粋にゾイドバトルを楽しめる。
評価は「とても良い」