「風の谷のナウシカ(アニメ映画)」

総合得点
90.6
感想・評価
1959
棚に入れた
12592
ランキング
51
★★★★★ 4.2 (1959)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

原作も読んで欲しい

まず、映画の概要を。
原作(漫画)が2巻あたりの時に、作られたものです。
上手く調和しているようで、実はかなり中途半端。
少し考えてみると、整合性のない点が浮上して来ます。
(原作と照らし合わせながらの方がわかりやすいです)
説明不足により、ご都合主義みたいになっているものもあります。
それらに関しては長くなるので敢えて省きます。
キャラにもかなり手が加えられています。特にクシャナは、まるっきり別人と言って良いですね。
上記のことから、私は映画の方はあまり好きではないです。原作とは別の作品と考えた方が良いと思います。

そして原作。こちらはかなり重い作品です。
しかし、人間として読んでおくべきだ、と私は思います。
形や重さは違えど、同じようなことを現在の人類も行っていますから。他人事ではないでしょう。
そして、なぜナウシカの選択について、是非色々な視点から考えてみて欲しいです。
おそらく賛否両論になるでしょう。それで良いと思います。

これは完全な私見ですが、この作品と同じような状況下となり、
我々人類が旧人類と同じ計画を図ったとしても、その計画が成功することは決してないでしょう。
{netabare}
①旧人類の計画に従う
  旧人類にとって、ナウシカたちは癌そのものです。
  交渉の際に、彼らは「キミらも浄化後の世界で生きられるようにする」と言っていますが、
  これが嘘なのは明々白々。
  最悪見殺し、上手くことが進んでも戦争が待っているだけ。しかも像と蟻の戦い。
  望む未来はありませんし、人類vs人類ですから、不確定要素が絡むこともないに等しいでしょう。
②旧人類を滅ぼす
  ナウシカたちは腐海の毒なしでは生きられませんから、実質自殺行為です。
  しかし、こちらは自然が相手。人類にとっては不確定要素の宝庫です。
  絶望的かもしれませんが、希望はあります。
  また、全ては旧人類の推測に過ぎない(科学に基いてはいますが)ですし、
  彼らは実質嘘を吐いていますから、正しい情報かも疑わしいです。
  普通は、計画に加担するように誘導するでしょうし。

以上のことから、
{/netabare}
ナウシカの思想はともかく、行動は当然のことでしょうね。

長期に渡る制作による思想の変化のためか、この作品には大きな矛盾がいくつかありますが、
その矛盾が人間らしさという演出だとしたら、アッパレですね。
狙いじゃないにしろ、良い味出してます。

長文となりましたが、ここまでお付き合いしてくれて、ありがとうございました。
※評価は映画のものです。原作なら4.7……かな?

投稿 : 2012/08/06
閲覧 : 274
サンキュー:

3

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