入杵(イリキ) さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態：観終わった
科学と魔術が交差する時、物語は始まる。
本作は鎌池和馬の｢とある魔術の禁書目録｣(電撃文庫)を原作に制作されたSF･ファンタジー作品である。
超能力や近未来兵器などオーバーテクノロジーを尽くした科学サイド
聖書や魔道書などオカルトを尽くした魔術サイド
本作はそんな相反する二つの世界が入り乱れる独特の世界観の中で主人公上条さんがインデックスを始めとする仲間を救う為に活躍するバトルアクション作品である。主人公が困難をバトルにより打開する作風は、しばしば少年漫画的と評される。
作者の鎌池曰く「複雑な問題を抱えた魔術師なり能力者なりを、主人公が真正面から叩いていく話」であり、その不屈の姿勢で困難を切り開いていく上条の戦いが作品の柱である。
あらすじ
{netabare}
舞台は総人口230万人弱、東京西部の大部分を占める巨大な都市。
その都市は、人口の約8割が学生ということから、「学園都市」と呼ばれていた。
学園都市の生徒たちは、超能力を発現させるための特殊なカリキュラムに組み込まれ、発現した能力によって、「無能力者(レベル0)」から「超能力者(レベル5)」までの6段階で査定されていた。
主人公"上条当麻"(かみじょうとうま)は、学園都市の高校生だが、その評価は落第寸前のレベル0。
なぜなら彼の右手には、異能の力ならなんでも打ち消す「幻想殺し(イマジンブレイカー)と呼ばれる能力が宿っていたからだ。
そして彼はその能力のせいで常に不幸な人生を送っていた。
しかし、そんな日常に突如変化が訪れる。
夏休みに入ったばかりの日、彼の部屋に、純白の修道服を着たシスターがいきなり空から降ってきたのだ!
呆然とする"当麻"に向かって、"禁書目録(インデックス)"と名乗る少女――どう考えても偽名にしか思えない少女――は、「自分は10万3000冊の魔道書を記憶しており、そのせいで魔術師に狙われている」などとオカルト発言を連発。
いぶかしむ"当麻"だったが、その日の夕方、彼の前にその"魔術師"が姿を現す。
突然の展開に戸惑う"当麻"に、その魔術師は「魔女狩りの王(イノケンティウス)」を作り出して攻撃を繰り出してくる!
やむなく"当麻"は、"インデックス"を守るべく異能を打ち消す力を持つ右手を握り、立ち向かうが……。
{/netabare}
感想
OP,EDにも力を入れていることが見て取れ、劇中歌も洗練され作品に合った仕上がりになっていてとても良かった。
しかし、序盤の展開は、作品の世界観の認識が追いつかず、
退屈に感じてしまうかも知れない。私自身、本作を魅力的に感じたのは中盤からである。序盤で断念しないで頂きたい。
また、本作はヒロインがとても多く、その口調も独特で、大変可愛らしい。しかしヒロインとの色恋沙汰は描かれず、ひたすらバトルに物語は終始する。
{netabare}
主人公は｢幻想殺し｣という能力を持っており、これを武器に戦う訳だが、右手と拳だけであれだけの強敵を倒すのは現実味が無く、右手の効果範囲も無理があるのではないか。
ただ、バトルアクションという観点で物語を見ると大変面白く視聴することが出来るので、観て損は無い。
インデックスがヒロインと言うより噛ませ犬的存在に成り下がったのが残念。
1期のストーリーについて
ベランダに引っかかっていたインデックスに対し、いきなり親近感を覚え守ってやろうとする上条さんには疑問を抱かずにはいられない。｢何故そこまでするのか?｣と。しかし、その正義感の塊のような性格が彼の魅力であり、物語構成上欠かせない。その為、普段は自分に危害を加えようとする御坂美琴や、会ったばかりの姫神秋沙、御坂妹、風斬氷華なども進んで守ろうとする。彼女らが上条さんに惚れるのは当然である。
原作の設定上複雑な名前や術式などが登場し、名称が難解であるが、見ていれば慣れる。一方通行に人間味があり、彼の性格は大変好感。
{/netabare}
総評
SFやファンタジーを元に製作された世界観の下、個性的な登場人物が数多く登場し、主人公上条当麻による熱い王道バトルアクションにより物語は展開されていく。面白いので、未視聴の方は是非。
