入杵(イリキ) さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
素晴らしいSF作品である
本作は5pb.「STEINS;GATE」を原作に、2010年の秋葉原を舞台としたSF作品である。
大変完成度の高いシナリオ、個性溢れるキャラ、現実味を帯びた科学、虚実混同の都市伝説をモチーフとした様々な設定によって物語が構成されている。
物語の序盤はやや難解な内容であるが、その魅力にずぶずぶと嵌り込んでしまうことだろう。中盤では重い展開になるが、素晴らしい構成の下、作品の随所に張り巡らされた多くの伏線により、一気に終盤の結末へと収束していく。
本作の一番の魅力はこの伏線の回収であると言っても過言ではない。
あらすじ
{netabare}
舞台は2010年夏の秋葉原。
厨二病から抜け出せない大学生である岡部倫太郎は、
「未来ガジェット研究所」を立ち上げ、用途不明の発明品を日々生み出していた。
だが、ある日、偶然にも過去へとメールが送れる「タイムマシン」を作り出す。
世紀の発明と興奮を抑えきれずに、興味本位で過去への干渉を繰り返す。
その結果、世界を巻き込む大きな悲劇が、岡部たちに訪れることになるのだが・・・
悲劇を回避するために、岡部の孤独な戦いが始まる。
果たして彼は、運命を乗り越えることができるのか!?
{/netabare}
感想
本作はタイムトラベル系SF作品として、他作に類を見ない構成、設定の緻密さを誇っている。
緊張感の絶えないスリリングな展開や、個性的な登場人物も大変好感だ。
「世界線の移動」や「アトラクタフィールドの収束」などの専門的用語を使用しつつも、個性的なキャラと張り巡らせた伏線を見事に使用して視聴者に分かり易く論理的に物語を構成し、シナリオを作成した制作陣は賞賛に値する。本作の出来映えは本当に脱帽ものである。
総評
個性的な登場人物が送る緊張感のある展開は観ていて飽きず、一気に観終わってしまうことだろう。
SF作品としての完成度も非常に高く、全てを見終えてからもう一度視聴したくなるほどの緻密な伏線が秀逸だ。
未視聴の方は必ず見るべき作品である。