だんちょー さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

見返すたびに視点が自分の中で変わっていく不思議な作品。（レビュー全面訂正、ネタバレ＆妄想たっぷりなのでご注意をw）

Ｈ23.12.1　書き直し。

全１２話。
原作ゲームは未プレイ。
アニメにそれほど詳しくなかった頃に友人から『ARIAって面白いから見てよ！』っと言われ間違って見始めた作品・・・
ある意味で運命的な出会いでしたwww
もうかれこれ５回は見てます（爆）それほど好きな作品です。

ＡＩＲと言う作品はかなり評価が分かれそうに思いますが、あにこれ内では高評価ですね。
明確な答えが用意されている作品ではないので、個人の解釈により見方が変わる作品だと思います。
さらに１クールで３部構成、１部はヒロイン３人のストーリーを描いてるため展開がかなり早いのも作品を難解にしている要因だと感じます。
私自身、原作ゲームが未プレイだからなのか完全な理解は出来ていないですし・・・

ストーリーの根幹として『翼人伝説』なるものがあり、これをどう受け取るかによってかなり評価の変わる作品になりそうです。遠回しな表現で家族愛を訴えてるストーリーだと思っておりますが。そういう意味ではCLANNADよりも個人的解釈に多数の意見がありそうですね。

ストーリー内容に関しては素晴らしいレビューを書いてる皆様がいるので私は感想だけを書いていくことにします。

○第１部、佳乃編
正直このストーリーを１発目にしたのは失敗だったような感じもします。
恐らく過去に悲しい結末で終えてしまった家族の記憶が神社の羽に触れた事で佳乃に流れ込み、佳乃が母を感じる事で羽の悲しい記憶が幸せな記憶に上書きされて空にいる翼人に戻るという事を言いたいのかな？
２度３度見るとわかるんですが、冒頭の往人の旅の理由を聞いただけではここまで想像できないし・・・

○第１部　美凪編
佳乃編と変わって非常にわかりやすいストーリー。
キーパーソンである『みちる』が別れの寸前に空にいる翼人の事を丁寧に話してくれますからね。
こちらのストーリーも幸せになって空に帰るみちるの描写がありますね。
こちらを先に展開させて佳乃編にいったほうが理解しやすかったのではないかと思う。
今でこそＤＶＤとかで見返せるからいいですがＴＶ放映当時に見ていたらさっぱり理解出来なかったでしょう。

○第２部　過去編
ここで美鈴にかかっている翼人の呪いや往人が何故『法力』なるものを使えるのかがわかりますが、尺があまりに短すぎる。『ＡＩＲ　ＩＮ　ＳＵＭＭＡＲ』で補完されているのでそちらも是非見て欲しいとこである。

○第３部　時間が戻って再び現代
ここからが解釈の難しい部分ですよね。
・結局往人は法力を使って美鈴がどうなったのか？
・何故カラスに往人の記憶があるのか？
・ラストの少年少女はだれなのか？
この３点に明確な答えを作品上の表してないのが難しくしてるんだと思います。
ここからは更に個人的な妄想の部分になってしまうので他の方との解釈と違うかもしれません。

まず法力は美鈴の『他人と仲良くなったら泣き出してしまう呪い』この一部分だけを取り払ったのではないかと思います。法力を使った後でも結局ドンドン衰弱していく美鈴ですが、晴子と近づいていく際には拒絶反応が出ないのは呪いの１点だけが解けたと判断しました。

次にカラスに往人の記憶があるのは、やはり空にいる翼人に会いにいくためだと思ってます。最終話に『翼人は地球の記憶を持っている』だかのセリフがありました。悲しい記憶を持ち続けたため転生しつづける翼人に、母親との幸せを見つけて空に帰った美鈴を迎えにいくために翼を持ったカラスになったのではないかと想像しています。

最後にラストの少年少女。これは往人と美鈴の転生した姿なのかと思います。
『彼らには過酷な日々を・・・　そして僕らには始まりを・・・』
ＡＩＲは悲劇的な作品と言われる事が多いです。
美鈴がゴール（母親との幸せを見つける）して、翼人の輪廻する呪いを終わらせた事がこのセリフに込められているのでしょう・・・　美鈴が一度死んでしまうので難しいのですが、ある意味でハッピーエンドだとも思っています。

私の考えが正解ではないと思います。人それぞれ解釈が出来るところがＡＩＲのいいところだと思います。
しかし作品内で明確に答えが欲しい方には合わない作品でしょう。