「School Days-スクールデイズ(TVアニメ動画)」

総合得点
80.9
感想・評価
3070
棚に入れた
14073
ランキング
424
★★★★☆ 3.4 (3070)
物語
3.5
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

逆説的清涼感

タイトルの「Shcool Days」から察するに、内容は学園青春ラブコメディといったところであるが、決してその様な認識で本作を視聴しないほうが良い。
本作はオーバーフローの18禁恋愛シュミレーションゲーム「Shcool Days」を原作に製作された。
序盤はそこそこだが、中盤から非常に陰鬱な展開へと話が傾倒し、猟奇的かつ衝撃的で残忍な最終話へと話が進む。
アニメ放送時に京田辺警察官殺害事件が発生した為、一部地域では最終話が放映されなかったことが話題となった。

あらすじ
{netabare}
主人公、伊藤誠は登校中の電車で出会う隣のクラスの桂言葉のことが気になっていた。

そんな彼は、携帯電話の待ち受けを好きな人にして3週間バレなければ恋が成就するというおまじないをやってみることにした。

しかしながら、わずか1日で隣の席の西園寺世界に待ち受け画面を見られてしまう。

そのお詫びにと、世界は誠と言葉との仲を取り持つということになったわけだが・・・
{/netabare}

感想

私はドロドロとした愛憎劇は割りと好みなので、本作は引き込まれるように一晩で視聴してしまった。本作のラストが衝撃的なのは視聴前から知っていたので(むしろそれを目的で視聴した節がある)、あまり衝撃は受けなかったが、事前知識無しでの視聴はきついかも知れない。
主人公の誠はTVアニメーション製作スタッフにより、"意図的に"原作以上に最低な男として描かれている。また、主人公の本能に忠実で、女性を性欲処理の道具としか看做していない態度は、「誠死ね」というネット用語が生まれた程である。
しかし、本作の世界設定や展開は非常に現実的で観る者を引き付ける。登場人物達は非常に人間味のある平凡な学生であり、その心情は理解の範疇を凌駕するものではない(最終話以外)。(なぜあそこまでモテたのか不明だが)女性を手玉にとり、自惚れ、貪り、モラルの欠片も無いあの誠も、当初は純真無垢の片思いをする男子高校生であった。
実際に最終話一歩手前の状況ならば全国で幾度と無く展開されてきたであろう現実に十分有り得るルートである。
私が残念に思うのはラストが非現実的過ぎて興醒めしてしまった事である。原作の宣伝にはなったことだろうけれど、インパクトよりも完成度を重視して欲しかった。ただ、終盤の文化祭からの怒涛の展開の末、因果応報の如く惨殺された主人公には溜飲の下がる想いがしたことも評価できるか・・・
本作の登場人物は現代人を象徴する闇を描いている点も注目できる。主人公誠の「厭世的な快楽優先主義」、世界の「狡猾な自己中心主義」、言葉の「コミュニケーション障害と閉塞」、他にもこの精神異常3人衆の周囲にも彼らの関係を看過または助長した人間が居り、彼らもまた精神異常予備軍的位置づけである。

総評

本作の人間関係やその破綻への道のりは、現実的で引き込まれるものがあり、面白くもあった。しかし同時に見ているものを不快にさせ、視聴者によっては視聴を後悔させるような残忍な展開であることを本作の視聴に当たっては留意して欲しい。

投稿 : 2013/04/13
閲覧 : 277
サンキュー:

27

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