「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(アニメ映画)」

総合得点
77.4
感想・評価
1548
棚に入れた
8443
ランキング
611
★★★★☆ 3.9 (1548)
物語
3.6
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

テロメア さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

たった1人、取り残された恐怖

目が覚めると世界は豹変し、自分の持っていたものがすべてなくなっていた・・・
そんな恐怖があり、悲しみが、憂いがシンジを取り巻いている。

新劇場版では影をひそめていたエヴァの謎の摩訶不思議超展開ワールドが復活した、そんな印象です。シンジと同じ{netabare}無知の恐怖{/netabare}に視聴者も巻き込まれます。
状況を理解し、自問自答の末、より深みにはまっていくシンジはホントに見ていられない。

そんな中現れたフィフスチルドレン 渚カヲル
絶望に落ちていくシンジに救いの手を差し伸べる。

「希望は残っているよ。どんなときにもね」

{netabare}僕は君に会うために生まれてきたんだねと確信をもって言うカヲルはまさに天使、使徒でした。{/netabare}


カヲルの静止をふりきり、猛進するシーンは個人的に一番つらかったです。
たった一つ残った希望を信じつつも、またそれに裏切られる恐怖におびえ、否定し・・・。破滅した世界で悲嘆に包まれ茫然自失のシンジは手を引かれどこへ行くのか

エヴァ特有の心理描写の濃さがヤバい。本作ではシンジの心理状態を徹頭徹尾描ききり、他キャラの心理は表面的にしか読み取れません。もうATフィールド全開です。置いてけぼりにされた感がもう、すごい。孤独。

さて作画、演出ですが、さすがの映画クオリティ。見ごたえのある戦闘、メカ。心理描写も抜群です。音楽でも聞き覚えのあるものがあったりと、おもしろい工夫もたっぷりです。


総評ですが、ストーリーは奇を衒ったもので観客置いてきぼりな感じですが、理解しようとせずにシンジと心を重ねて見るといいと思います。憂鬱になりますが。{netabare}その分カヲル君がよりいっそう天使に見える{/netabare}


{netabare}落ち着いて見てみると、一応TV番との類似点が所々見受けられますね。
使徒とか、ストーリー的にも。シンジの孤独感をより一層強く表現する過程でこのような脚本になったのでしょうか。{/netabare}

本筋は少年の成長、苦悩でここは起承転結の転。結末をしれば今作の謎も自然に納得できるものになるはずです。(多分)
いろいろな想像を膨らませつつ、次回作を待ちましょう。

投稿 : 2015/07/16
閲覧 : 355
サンキュー:

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