ギータ さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

アニメの新時代到来か！？

まず１つ。このアニメは断じてイロモノアニメではありません。そのようなイメージを脱却するために血がにじむような努力をしたんだなと思ってしまうほどの作りこみです。

まだ視聴してない人は、だまされたと思って１話を見てみて下さい。このアニメに心魅かれると思います。
あと１つ、びっくりするほど萌え要素ないですよ（笑）タイトルや絵を見て敬遠していた人は、その辺安心していいと思います。


では、このアニメのすごいところをいくつか述べます

・戦車を乙女のたしなみにするという発想力、制作力のすごさ
戦車って戦争以外の使い道あると思いますか？戦車道とか新しすぎでしょ（笑）
また、それを作ってしまうのもすごいです。
戦車って明るいイメージはそんなにないですよね、普通に考えて。作中はその戦車をほのぼのとした空気で、あたかも雪合戦やドッチボールでもしているかのように描写しています。戦争で使用するものを全く逆の印象に変えてしまうのもすごいですよね。そして、ほのぼのさだけでなく、熱い展開、まさにスポ根展開にもしてしまうからこれまたすごい。
題材の発想、イメージを変えてしまう制作力、いろんな面からみても新しいアニメだと思うし、これからの日本のアニメに影響を与える作品になっていると思います。

・ＣＧの使い方、作画、音響、カメラワークの気合の入り方
正直、どのアニメを見てきても、ＣＧには違和感を覚えるし、慣れることができませんでした。このアニメは戦闘シーンでＣＧを多用します。その際、今までの違和感は感じず、むしろ迫力に圧倒されました。ＣＧだけでなく、背景や人物、戦車そのものの作画、戦車の音響なども気合が入っていて、描写がとにかく細かいです。時間をかけてでもいいものを作ろうという制作側の意図が見えます。
そして、カメラワークが本当にすごいです。戦車の下である地面から、空から、砲身からなど、いろんな角度から見せていますが、スリル抜群で、３Ｄ映画顔負けのでき具合です。
１１，１２話なんて本当にすごくて、夜中にひとりで「やべぇ！」「おわっ！」「こえー！」「すげぇｗｗ」などなど、思わず奇声をあげながら見ていました（笑）

・圧倒的不利な状況でどうやって敵を倒すかという見せ方
これが非常に上手かった。おかげでとても興奮してみることができました。見れば分かると思いますが、戦車のこと良く分からない私でも分かります。見ていて無理ゲーだなと（笑）
それをどうやって乗り越えるかという見せ方が本当に上手い。フィクション特有のご都合展開を感じさせない展開でした。冷静になれば、ご都合ですよ。しかし、冷静に見させない、興奮して視聴させるような出来になっていたので、気にする暇もありませんでした。結果、満足して視聴できた、とても面白い作品だったと思うことができたわけです。


もちろん、物語もキャラもとてもよかったと思います。ですが、私としては、物語を進めるまでの準備段階、そして物語を進める上での戦車道という新しいものをアニメとして成立させた制作力を称えたいなという気持ちです。
一見の価値ありです。物語も王道で見やすく、キャラもたくさんでますが、悪い、腹立つようなキャラはほとんどいません。何よりも、新しいものに挑戦して、それをいかんなく発揮しているところに驚きを覚え、楽しめるアニメになっていると思います。