. さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

長門有希の憂鬱　　～恋心はエラーなの？～

ハルヒファンの為に作られたSOS団からの贈り物。それがこの作品だと思います。


(この作品ってどんな作品？)
ご存じ涼宮ハルヒシリーズの劇場版アニメ。上映時間は2時間とんで43分。ん～非常～に長い作品。正直言うと、もうちょっと短くまとめた方が良いなって言う感想は有り。だけど、ストーリはとっても良く練られて興味を引く内容、序盤は少々ゆっくり展開でだるい面もありますが、お話の展開が良い方向に向かう中盤辺りからは急激に加速していきます！ ドキドキ感や緊張を伝える描写も素晴らしいですね。作画も綺麗ですしキャラクタも立っています。なので、この作品が初のハルヒ作品と言う方でも観ていて面白いとは思います。
しか～し！個人的にはこの作品を最初のハルヒ作品にしてしまうのは少々勿体無いと思います。(出来れば)原作やTVアニメシリーズを見てからの視聴をお勧めします。だって、感動や面白さの感じ方が段違いだと思うから・・・。そうですね～、大体当社比10倍ぐらいの感動の違いってところでしょうかね！　なのでハルヒを今まで観ていなかった方は、(お勧めとしては)視聴を後回しにした方が、得られる感動はより大きくなると思いますﾖ。


(お話はどんな内容なのかな？）
いたって普通で常識人。だけど少々理屈っぽいところもあるキョン君(高校1年生)が主人公。物語ではこのキョン君がお話のstoryteller(お話の進行役)を兼ねちゃいます。ま～簡単に言うと、”自分の置かれた状況”、”感情”とかを一人でぶつぶつと誰に話す訳でもなく、勝手に説明しちゃう人な訳です。
彼は高校の部活で、SOS団なる非日常的な体験を楽しんじゃう愉快な？クラブの一員。ところがある日、クラスメートにしてSOS団団長である、”成績優秀”、”スポーツ万能”、”超絶美少女”、”だけどちょっと性格＆行動に難あり”の涼宮ハルヒさんがクラスから消えてしまう。彼女が座るべき座席には別の少女が、そしてキョン君の事を当然知っている筈のSOS団のメンバーさえもキョン君の事を知らないと言い出す始末。なにかがおかしい・・・。そう世界が、ある日突然、自分だけを残して変わってしまっている!？　世界の異変に気がついたキョン君。この状況を打破するべく、彼は行動を起こします。普通の高校生、そして特別な力を持つ訳でもなく、飛び抜けて頭が良い訳でも無い。彼に出来る事はただ一つ、そう”勇気を持って状況に立ち向かうこと”だけ・・・。


(私の感想だよ)
この作品の魅力はなんと言っても”長門有希”さん。SOS団団員にして、無口キャラ。どんな驚くべき状況でも表情さえ変えず、そして感情を表に出す事が無い彼女。そんな彼女の女の子らし～い一面が見れてしまいます。

いつも活動的で明るい女の子。それが涼宮ハルヒさん。問答無用の可愛さには全く異論無し。その一方で無口キャラの長門有希さん。あんまりしゃべらないので、ちょっと彼女の魅力は伝わりにくいかな？　そんな彼女が、この作品では魅力全開なのであります！　なんでも無いキョン君との会話に頬を赤らめ、そしてキョン君の袖をうつむいてそっと掴む仕草・・・。く・・・これは萌え萌えﾃﾞｽﾖ。この作品から長門有希さんファンが激増したとか。うんうん、ホント納得なのです！

この作品では彼女の行動が物語の重要なカギを握ります。
彼女自身の言葉を借りると”エラー”。でもこれはエラーなんて言葉で片付けちゃって良いのかな？私が思うにこれは恋心。長門有希さんの心に芽生えた自然な感情・・・。彼女はキョン君に重要なアイテムを2つ託します。1つは”(文芸部の)入部届”、もう1つは”(本に挟まれた)栞”。この2つのアイテムはそれぞれ彼女自身を表します。前者は(普通の)女の子らしい長門有希。後者はいつものSOS団での無口キャラである(特別な)長門有希。とっても遠回しにキョン君にメッセージを伝えているんだよね。物語の終盤で描写される改札機でのシーンが切なすぎ。長門さん、その手を離しちゃだめ！(涙)　って一人叫ぶアホな私・・・。

でもね、キョン君だって本当は解っているのでしょう？長門さんの気持ちを・・・。解っていても選択は変えられなかったんだよね。だからラストで言ったんだよね。あの一言を・・・。キョン君の精一杯の誠意。精一杯の思いやり。少しカッコ良かったｿﾞ！


恋する女子を観ると無性に応援したくなる私・・・。ま～た応援したくなる人が出来ちゃったﾖ！　ヨシ！長門有希さん！これから貴方の恋を私が応援しちゃうよ！余計なお世話かもしれないけどね(笑)