おかき さんの感想・評価

4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

愛するものを、愛を信じて殺せるか※

前情報一切無く観始めたので、一話目は衝撃でした。公式詐欺（のちにリニューアル）。
時間の順序を少し弄った構成が非常に効果的な役割を果たしています。

カテゴリーＡの危険性も把握できるし、
個人的にこういったサプライズは好み。まんまと心奪われました。

奇を衒った構成の方に目が行きがちですが、起承転結しっかりとした内容になっています。


タイトルから想像できる通り、原作へと繋がるオリジナルストーリー。
退魔アクションですが、メインは対照的な二人（黄泉と神楽）を中心とした人間ドラマです。

繊細な心の動きをじっくりと表現していて、物語に深みを与えていたり、
スリリングで容赦無い戦闘も魅力です。後半の壮絶な展開も痺れる。


仲良しだった義姉妹とその周りの関係が、不可解な出来事によって崩れ始め…
その様子はとにかく悲惨で、ダークサイドに落ちた瞬間はとても辛かった。

微笑ましい姉妹っぷりが丁寧に描かれていたお陰で、後半の悲劇性が際立ち、
ラストで明かされる黄泉の真意にも説得力がありました。


席を外した神楽と一人残された黄泉、決意を表す様に携帯に突き立てたシーンが特に印象的でした。
本人のみの部分だったのがまた切ない…。

全ては殺生石。冥もまた被害者の一人であったのも悲しかった。


ほんの僅かなすれ違いで起きていく悲劇に目が釘付けとなり、終わった瞬間は虚無感に襲われました。
何年か先も繰り返し視聴してそうです。


「妖精帝國」の謳う『霊喰い』は緊張した戦闘にマッチしていて、
妬み等、負の感情のぶつかり合いを非常に良く表している最上級な挿入歌だと思います。


惜しかった箇所は繋ぎの部分。

２話と１０話の繋ぎが流れ的にちょっとした違和感。
紀之を原作へと繋げる為の無茶振り感。そのくらいです。

あとは…
既にキャラ立ちしてた主要人物が…なので、特選四課の物語も楽しんでみたかったです。


マイケル師匠は見なかったことに。