まーさちゃ さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

1話を我慢出来るなら…

確かにグロいが、1話を視聴出来るのであれば最後まで観れる。

この作品を一言で表すならば、過去に止まってしまったルーシーとコウタの関係を、もう一度未来に向かって進める物語…ということになるかと思う。作品全体を通して、グロ・鬱展開が際立っているが、人間社会の汚れを知らない「にゅう」や「ナナ」の存在が良いコントラストとなっており、人間の光・闇の両側面をバランスよくフォーカスすることに成功している。このバランス感覚は凄まじく秀逸である。

そして、この作品に関しては、「にゅう」や「ナナ」の存在こそ全てである。彼女達はディクロニウスでありながら、人間に対する害意を全く持ち合わせていない。それどころか、積極的に人間社会に溶け込み、言語や生活の知識だけでなく、他者への思いやり・哀れみ・慈しみといった人間としての感情、人間らしさまでをも吸収していく（あるいは、本来的に備わっていた人間らしさが覚醒していくとも言える）。

人間は人間に接することでしか成長しないと言うが、この一連の客観的事実・経過こそ、人類にとっての救済であり、人間としての尊厳そのものに他ならない。ディクロニウスと人間という関係を巨視的見地から見たときに、そんなことに気付かされる作品である。