STONE さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

太田 雅彦氏の日常系コメディの原点

　原作は未読。

　のっけからなんだが、太田 雅彦氏が監督を務める作品が好きで、女子キャラ主体の日常系
コメディを扱った時のキャラの可愛らしさ、コメディとしての面白さ、ハートウォーミングな
ストーリー性のバランスが素晴らしいと思う。
　そんな作品群の原点と思うのがこの作品(初監督作品はまた別)で、前述のバランスの良さは
この作品から現れており、後の「みつどもえ」、「ゆるゆり」、「琴浦さん」、「恋愛ラボ」に
繋がるものがここにある。厳密に言うと「琴浦さん」はちょっと毛色が違うと思うけど。

　冒頭で「淡々と・・・」という説明が入るが、それはおおげさだとしても、激しい
アクションやハイテンポの会話で笑いを取るタイプの作品ではなく、各キャラの織りなす、
ずれた感覚が妙な空気を醸しだし、ジワーッと効いてくるような笑いを取る印象。シュールな
カラーも強く、妙な中毒性がある。

　南三姉妹のキャラ立ちが良く、異なるタイプでありながら、それぞれ違った可愛さを持って
いる感じで、いずれも魅力的。
　加えて三姉妹の友人達もなかなか印象的なキャラが多く、それぞれが南宅に集うが、これが
南宅にいることの心地良さ、通じて南家の持つ暖かさを感じる。

　最近の女子キャラ主体の日常系コメディは、主体と言うより女子キャラオンリーの作品が
多いが、この作品は男子キャラもいい味を出している。
　特に春香関係だと保坂、夏奈関係だと藤岡、千秋関係だとマコトが印象的。
　男子キャラがいるということは恋愛感情もかなりの頻度で発生するが、いずれも一方的な
片思いばかり。この片思いの空回りっぷりがまた笑いを提供してくれる。

　劇中劇の「先生と二宮くん」も結構好きでした。