蓬(Yomogi) さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
タイトルなし
シビュラシステムを作ったのは誰の思想か?が最大のオチになると思っていた。
この展開だとそれ以外のオチでは不服。
2期の余地はあるが、あの作崩壊ではあまり期待できない。
作画といえば最近のアニメには珍しいくらいに作画が崩れていた回があった。(シーン内の衣装の間違い、動画がない、セリフが無い所でクチパク)
監督がツイッターで作り直し宣言をしてしまうほどだから、現場のスケジュールがメチャクチャだったのだろう。
IGのシステムでその状態とは少しスタジオが心配だ。
物語について。
正義とは何か?が最近のアニメのトレンドのようだが、これはそれをに応える物ではなかったようだ。
法治国家として、みんなが作った法律は守りましょうというメッセージを最終回当たりで述べていた。
しかしシビュラを許容する法を作ったのはなぜなのか、そもそも法律とは何か?といった抜本的な問題をスルーするのは大人が見るエンタメとして赤点以下ではないのか。
サイコパスの世界はディストピアで現在の人権や倫理が無視されている設定。
だったら主人公はそれを壊して尚、普遍性ある正義を示していただきたい。
槙島がシビュラの枠に嵌らない体質=サイコパス(良心を持たない犯罪者)=世界のアウトローということだろうが、シビュラは人が作り人が運用しているシステムで、無から世界を作った神様ではない。
槇島はアウトローでもなく単に現時点での社会では生きられない指向であるというだけのことだ。
ヒロインが最終回で「尊くあるべき筈の法をなによりも貶める事はなんだかわかってる?守るに値しない法律を作り運用する事よ。人間を甘く見ない事ね!いつか誰かがこの部屋の電源を落としに来るわ」とまるでシビュラに人格があるかのような捨て台詞を吐いていたが、天に向かって唾を吐いているような印象しか残らなかった。
守るに値しない法律を作ったのも運用してるのも甘く見てるのも、全部人間自身、社会自身なのだが。
自分もシビュラの社会システムの上にあぐらをかいて幸せを享受してきたはずなのに、まるで自分は無罪かのようにシビュラを糾弾する主人公が納得いかない。
責任の所在を曖昧にしてて気持ち悪い作品だった。