「王立宇宙軍オネアミスの翼(アニメ映画)」

総合得点
72.0
感想・評価
273
棚に入れた
1123
ランキング
1192
★★★★☆ 3.9 (273)
物語
3.8
作画
4.3
声優
3.7
音楽
3.9
キャラ
3.7

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

大作SFアニメだが内容は地味。よく言えば宇宙という未開の地にストイックに挑んだ作品なんだと思います。

内容は簡単に説明すると皆でロケットつくって宇宙まで飛ばそうぜ!というもの。
テーマからして結構地味かもしれないね。

宇宙に行ったことないのに宇宙軍。
そんな軍隊に所属しているシロツグが宇宙飛行士に志願したことにより、
まわりの仲間まで巻き込んでロケットを開発することになります。
シロツグの声優さんは森本レオさんです、
一番最初のナレーション部分はさすがというか雰囲気出てましたね!

皆で和気藹々とロケットつくってたと思ったら死人でたり、
シロツグが暗殺されそうになったり戦争やってたりと
結構殺伐とした展開もあって、そういうのをすべて飲み込んだうえで
それでもやっぱり宇宙に行くんですよね。
地味で静かなんだけどキャラクターたちの本気度は伝わってきたし
ここまで真摯に宇宙に行くということに注力した作品も稀じゃないかな。

尺はジャスト二時間くらいで、ほぼ最初から最後までロケット開発してました。
時間の使い方は上手に感じました、
最近長編作品一本観たときに思うのが時間の使い方についてなんですが
もっとじっくり観せてほしいシーンなど後半に詰められてることが多い気がするんです。
その点この作品は二時間という長尺ですし
最初から最後までロケットをじっくりつくり飛び立つまでを丁寧に描写してくれました。
まぁ丁寧がゆえに淡々としてて地味に感じることも多々あるのですがね。
なんていうか一本のドキュメンタリー映画みたいでした。

万人受けしないのは目に見えて明らかですよねこれ。
それでいて総製作費は約8億円という大作アニメなのです、
結果はもちろん赤字らしく、その赤字を回収するために製作された
「トップをねらえ」のほうが有名な気がします。
同じSFアニメなのに方向性は真逆といってもいいくらいだよね…
やっぱ地味な作品は人気に火がつきにくいのかね。

個人的にこの作品をつくったスタッフの心意気は評価しますが
内容が面白かったか?と問われると微妙です。
音楽監督を坂本龍一さんが担当されてるだけあって音楽面はよかったのですが、
いまいち人類初の宇宙飛行士になったシロツグに感情移入ができなくて…

宇宙飛行士に志願した理由はリイクニという女性に出会って
一大奮起したみたいな感じなんですが、
そもそもリイクニという女性がよくわからない、
発言が宗教じみているので触りにくい感じはします。
でもシロツグは彼女との出会いによって
自分を見つめなおす切欠にもなってたんですよね。
シロツグが彼女に性的暴行を行おうとしたシーンがあったり、
シロツグの行動が読みづらく感情移入できませんでした。
この時のシロツグは精神的に追い詰められてた感じはしたけど…

この作品は大人のSFなのかな。
人類が誕生してから
人が宇宙に飛び立つまでの歴史を、
たとえその歴史を知らなくても回顧させてくれる不思議な作品でした。

【B+75点】

投稿 : 2014/04/27
閲覧 : 343
サンキュー:

6

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