たんぽぽの花 さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

歌と音の先にある物

この作品は競技かるたを題材にしていますが、内容は綾瀬千早（ちはや）の
成長を描いた作品ともいえます。１期で小学６年生から、かるたに興味を持ちだし、中学、高校と続け、ちはやは高校１年生、幼馴染の太一同じく一緒にかるたを続けていた。そんな二人は高校でかるた部を作り全国大会団体戦、個人戦を目標に日々練習に明け暮れていた。当初かるた部は５名以上集めないと部として認められないと言われたが、小学６年の時に一度対戦した事のある万年肥満児事通称『肉まん君』西田優征、学年２位をキープし続ける駒野勉、そして呉服屋の娘、大江奏を入部させ「団体戦優勝」という目標のもとに、日々の練習を重ね、ついには強豪である北央高校を破って、全国大会に出たが。。。
２期にでは、新入部員を集める所から始まるが、残ったのは太一目当ての女子、花野菫と自信だけは有る筑波秋博の２人だけだったが、全国予選で決勝で負けたが１，２位は全国大会出場で有った為に全国大会に出る事にはなんとか出来たのだが、２期終了までの過程で２年生の成長がすごくたくましく、ちはやはＡ級、太一Ｂ→Ａ級、西田はＢ級、駒野はＤ→級Ｂに、大江奏はＤ→Ｃ級になる。２年生の団体戦は全国予選は２位だったが、ちはやが決勝で
右手人差指を内軟骨腫と言う稀な怪我をするが、苦戦しながらも優勝するのであった。が個人戦で右手が使えない状態で左でなんとか勝ち進むが、クイーン事、若宮詩暢に対戦する事になり怪我を顧みず右手で勝負をするちはやだった。そして、ちはやと太一ともう一人かるたを始めたきっかけを作った新はかるた部ない高校で団体には出ておらず、祖父の死から少しかるたが、とうざかっていたが、ちはや達の活躍やその他の影響も有り個人戦で出場していた。結果は作品にて確認してください（笑）
百人一首自体は一般の家庭ではほとんど知られていないのですが、和歌や俳句とかで知っている人も少なくは無いのでしょう。
実際に１０１人の人の歌をかるたにし上下句にわけ取り合う。普通のかるたとは、違うので、なかなかアニメの題材にはしにくい物だと思いますが、
この作品は見事に表現出来ていたと思います。歌の意味や、競技の事やキャラの設定など、全てにおいて稀に見ぬ名作と言えると思います。

下記は『ちはやふる』の題材の私的な意見や意味を書いております。
興味のある方は見て下さい。

この作品の魅力はかるたと、ちはやが見せる音の先にある物でしょう。
音の先には何も無いのですが、もしかしたら歌を詠む人がそれを読む時の心がそれになるのかも知れません。誰しも自分の思い入れがある歌には、何故が気持ちが入ったりするのと同じかも知れません。ちはやは時折、それを感じるがごとく手が出ます。毎回の歌では無いので、読み手の呼吸や感情が伝わるのかも知れません。それは声、音の先にある物で普通聞き取る事とは違います。枚数が減った時にいちがばちかの時とも違います。そのはやさがちはやのみせる魅力であり、光らせる物であるとおもいます。３期があれば絶対に見る作品です。

後は各歌にある歌の意味や時代背景などがとてもこの作品をひからせたのではないでしょうか？詩は時代を超えて現代にまで残り、そして人の
心に刻まれる。それは芸術と言える事ではないでしょうか？特に日本の詩は
時代を物語っていて、恋愛や詩人のその時の感情を絵や音楽では無く、
ただの文章の並びで表している。これは日本の歴史文化とも言えます。
本や絵、歌などは海外でも何百年も歴史を持つ物も有るが、百人一首のように、短い詩に季節や恋愛、感情を残せる物は類を見ないと思います。
ちなみに百人一首は１番の天智天皇の歌から始まり、知られる有名人では、小野小町、平兼盛、紫式部、清少納言などは皆さんご存知でしょう。

ちなみに、『ちやはふる』の題名は在原業平朝臣もとい在原業平（ありわら の なりひらの和歌１２００年以上前の歌で『（ちはや）ぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは』と言う歌である。意味には２種類の解釈があるので、覚えておいて欲しい実は、この歌は恋愛の歌であるが、それを表に出して歌えなかった、そこで『龍田川の水の勢いは神の言う事すら聞かないぐらいに強い。』と言う意味の歌に相手にしか解からない意味で、『自分の恋はたとえ、帝や周りに引き裂かれようとも、あなたを思う心は勢い強い物です。』と
言う意味を隠して歌った歌である。当時に想い人と一緒になれなくても想う気持ちをそっと、歌に忍ばせた恋歌だったんですね。
そして歌人は気持ちだけでも寄せている事を知って欲しいと言う切な心を歌にした物だったのですね。すこしロマンチックな歌です。
百人一首にはそんな歌が多々にあるので、興味のある人や興味の湧いた人は
各自色々と調べて下さい。（笑）