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「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ(アニメ映画)」

総合得点
72.5
感想・評価
16
棚に入れた
104
ランキング
1108
★★★★☆ 3.8 (16)
物語
3.9
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.6
キャラ
3.8

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大雪海のカイナ ほしのけんじゃの感想・評価はどうでしたか?

うにゃ@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

惑星、地球化を完了

TVからの延長の劇場版。大軌道樹へ行くストーリーなのだが、内容はナウシカの世界観でラピュタする感じのTV版の繰り返しというか延長戦。
設定や展開が似てると言われようが何と言われようが、王道定番大好きなので、楽しく見れる。
TV版の伏線をしっかり回収して大団円なのは良かったが、、映画版と時間が短いのだから内容にもっと偏りがあったほうが良かったかも。色んなところに取っ散らかってしまい内容が若干薄くなってしまった感じ。
なのでTV版と同じ評価。

二人が最後バルスって言ってほしかったなw

100点中85点

投稿 : 2024/04/10
閲覧 : 31
サンキュー:

2

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7
物語 : 1.5 作画 : 2.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

酷評せざるを得ない凡作でした。

 うーん…SF的発想はテラフォーミングの時間の中で失われた文明、ストーリーとしては権力を持った血族の暴走という感じです。雰囲気や世界観は「風の谷のナウシカ」+「翠星のガルガンティア」という印象でしょうか。構造は「ラストエグザイル」かな。

 言葉を飾らずに言えば凡作です。何に類似しているからというのではなく、想像を全く超えてこない作品でした。テンプレも組み合わせ次第で面白くも深くもなるんでしょうけど、テンプレをテンプレ通り作ってしまっています。
 日本語中心の看板のフォントとか設定から言って「シドニアの騎士」の後日譚だという感じはなんとなくありました。船の危機もシドニアそのものの演出でしたし。

 ストーリーが面白ければいいんですけど、正直言えば展開もまったくドキドキしません。主要人物が危険に陥ることはないだろうなあ、という甘い雰囲気です。初めの30分くらいで結末までわかるような雰囲気です。もっとラブストーリーとかヒューマンドラマが入るのかなと思いましたが、それだけ?でしたね。キャラも弱いので感情移入の相手先も見つからないし。

 平凡な中で演出や作画でうなるところもなく。CG臭がある人間とか出来損ないのクリーチャー、どこかで見たことがある絵面で感動はないです。

 テーマ…テーマですねえ…残念ながら読み取れませんでした。環境や権力構造、欲望みたいな平凡なテーマですら感じません。主人公の無垢に意味性があったかどうかですけど…ここの部分が唯一の工夫かもしれませんが、何がいいたかったのかが良くわかりませんでした。反省なんでしょうか?

 今回アマプラで課金して見ましたが、その金額ですら金返せですね。映画に行かなくてよかったです。細かい文句はもっといっぱいありますが、もういいです。

投稿 : 2024/03/31
閲覧 : 79
サンキュー:

6

ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

TV版からの手のひら返し?! 壮大なスケール感は劇場版ならでは

【レビューNo.104】(初回登録:2024/1/21)
オリジナルアニメ映画で2023年作品。100分程度。
(TV版の完結編)

(ストーリー)
地表を覆った大雪原から逃げるように人々は巨樹「軌道樹」の上に「天膜」を
作って生活していた。 天膜に住む少年カイナは、軌道樹の根元から登ってきた
リリハという少女と出会う。
リリハはアトランドの王女で、
・雪海に住む者は水を求め、軌道樹のふもとで暮らしていること
・現在水を巡る争いが起き、アトランドがバルギアと対立していること
・リリハは水を無限に出せるという賢者に助けを求め、天膜に登ってきたこと
が明かされる。
賢者がいないことがわかると、リリハはカイナとともに軌道樹を降り、アトラ
ンドへ戻ろうとする。途中リリハはバルギアにさらわれるも
・カイナはアトランドの人々と協力して、無事リリハを救出。
・バルギアとの戦争にも勝利。
・アトランドの地下にある旗が巨大な軌道樹と水への地図になっていることを
 発見。
 → バルギアの造船技術があればそこへいくことが可能。
劇場版ではアトランドとバルギアが協力して、巨大な軌道樹を目指すところか
ら描かれています。

(評 価)
・TV版からの手のひら返し?! 劇場版は高評価
 ・TV版の方もリアタイで観ていましたが、
  ・はじめは独特の世界観が琴線に触れ、興味深く視聴していたが
  ・次第に間延び感等失速を感じはじめ
  ・最後は「約ネバ2」を彷彿させるような、やっつけ感と「ご都合主義の
   権化」と化して閉口。
  ということで、個人的にはあまりいい印象はなかったので、劇場版も正直
  あまり期待せずって感じでしたが・・・
 ・劇場版はハッキリというと、「ナウシカ」そのものです!!
  まあTV版の頃から「ナウシカ」っぽさがありましたが、劇場版では更にそ
  の傾向が強まり(一部をオマージュしたとかいうレベルではなく)誤解を
  恐れずにいうと、最初から最後まで完全トレースといっていい位のレベル
  だなっとw
  しかし個人的には
  ・その名作をしっかり下敷きにしているからこそ、過不足なく物語が奇麗
   に流れ、一本筋が通った作品に仕上がっている。
  ・それでいて(「ナウシカ」のパ●リを見せられたという感じではなく、)
   ちゃんと「大雪海のカイナ」という作品を観たという満足感が得られる。
  TV版の低評価を手のひら返しするに十分な内容だったかなっと。

・尺の割り振りが丁度よかった
 個人的には(プロフィールにも書いてあるように)劇場版のような長時間の
 作品は苦手なんですが、そんなことも気にする暇がない程、没入することが
 出来たかなっと。その要因の一つが序盤・中盤・終盤がしっかり形成され、
 それぞれに見どころがあり、尺の割り振りも丁度よかったように感じました。
 ~以下重要ネタバレ~
 {netabare}・序盤
  ・アトランドとバルギアが協力体制を築きつつも一枚岩でない不穏な描写
   を挟んでおいて、眼前に現れた「大海溝」に飲まれないようまさに「呉
   越同舟」ともいうべき、両者が手を取ってこの困難に立ち向かっていく。
   そして「大海溝」を乗り切ったと思えば、間髪を入れずに「プラナト」
   という新たな巨大国家の襲撃を受けるという。
   ここまでの展開が大迫力でスピード感もあり、息もつかせぬ勢いで物語
   の中に引き込まれていく仕掛けがホント秀逸。
 ・中盤
  ・「プラナト」を統治する最高指導者は「ビョウザン」。
   彼は世界を作った賢者たちの残した大量の資料を読み解き、世界を救う
   たったひとつの方法に辿りついていた。しかしそれを実現するには、賢
   者の残した古代アイテムが必要なようで・・・
   今回初登場となるビョウザンというキャラや、バルギアとは違う統治シ
   ステムで運用されているプラナトという国に成り立ちや彼らの目的等新
   たな展開を過不足なく、面白く描写していたように思います。
 ・終盤
  ・囚われて「労働者扱い」されていたカイナたちの反撃~ビョウザンとの
   対決、そして賢者たちの残していた世界を救う本当の方法とは・・・
   「壮大なファンタジーここに極まれり!!」
   って感じで、広げた風呂敷を見事に畳んだなっと。
   ラストも物語の締めにふさわしい終わり方だったのでは。{/netabare}

伊達に「劇場版」を語っているわけではなく、純粋に
「これ、劇場で観た方勝ち組やろ!!」
と思える程「劇場映え」する出来だったように感じました。
個人的には
{netabare}・アトランドの親衛隊長:オリノガとバルギアの代表:アメロテのロマンスが
 どうなったのだけが気がかりw{/netabare}
という位で、非の打ちどころがないんじゃないですかね。
メインテーマも「Re:CREATORS」で触れた澤野弘之さんで、こちらも作品を
盛り上げるのに一役買ってたように思いますし。

TV版からの手のひら返しが凄いですが、その位個人的にはよく出来た作品で、
劇場でみせるに相応しい内容だったと思います。
それだけにTV版の失速ぶりが勿体なかったなと。 

投稿 : 2024/01/22
閲覧 : 500
サンキュー:

12

ネタバレ

ZZZxq38369 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

とても良かった。

最後の結婚式は2組でやってほしかった。

投稿 : 2024/01/02
閲覧 : 95
サンキュー:

2

ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

幻想的で美しい独特な世界観。好きです。

その世界観、ヨルシカのOPが好きだった作品。

ラスボスの将軍を倒してアトランドの危機を脱したという
一応の決着で終わったTV版の続きを描いています。

人類存亡をかけての大軌道樹へ行こう!ってとこで終わった話の
続きってことで気になってたので劇場に行ってしまいました。

人類は救われるのか?
賢者とは、進んだ文明の遺物は?
あの不思議な世界はどういうことだったのか?

多くの疑問がこの劇場版で概ねスッキリと出来たのではないでしょうか。
少なくとも自分は観に行って良かったって思いました。

始まってすぐに天膜の上を歩く二人の姿。
ウユニ塩湖のような、あ~、それ以上にどこまでも静かで
幻想的な空間をしっかり踏みしめるように歩いていく姿を見ただけで
一気にこの作品の独特な世界に入った気になっちゃいました。

TV版でもそうだったけどこの美しく神秘的で独特な世界観。
あ~あの作品に似てるって声はどうしたって聴こえそうですけど
良いものは良い!!ってなりますww。

そして好きだったキャラ。
女騎士のアメロテがカッコいいんです!!
今回はアトランドの新鋭隊長、オリノガ
(こちらはイケメンなんだけど名前すら調べないと
分からなかった~~><!)とのやり取りで、少し女性らしさも
見せてくれました。
仲間になると頼もしいってのはこういう事ですよね。

TV版のレビューでやや物足りないって書いてしまった
主人公のカイナ。
今回はリリハが終始受け身な感じの行動だった中
マイペース感はやっぱりあるんですけど、どんなことがあっても
彼女を助ける。
どんな時でも実直に行動しようとするカイナの姿は
気概に満ちてて頑張ってたと思います。

ただ色恋で頬を赤らめて意識しちゃうのは女性ばかりで
カイナにしてもオリノガにしてもこんなに可愛らしい女性を前に
感度が悪すぎますね・・・。
あの馬鹿でかい首長竜?でさえもっと上手に愛情表現
してただけにもう少しドキドキがあっても良かったかも。

敵役は花江夏樹さんのビョウザン。
威力ありすぎる赤いビームを出す
巨神兵!?を動かす力を手にして驕ってしまったか。
世界を救うって名分
をもとに選ばれた人類の世界を作り上げようとする・・・

なんか書いててもあの作品が浮かびますけど、
実は今の雪海が・・とか、天膜、大軌道樹が存在するに至った
意味、人類をっていうか地球を救おうとする壮大な計画が
明らかになっていく展開は、なるほど~~って
妙に納得感ありました。

まあそれだけの文明がどうして滅んだのかとか、光の精霊の存在とか
良くわからないこともあるにはあったんですけどね。

自分的にはこういう終わり方好きだなって感じの
最後までらしさ全開の二人を見届けてのエンディング。
リリハの笑顔が嬉しいんだな~~。

TV版のOPも担当した
ヨルシカの主題歌「月光浴」
静かで詩的な歌いだしからの突然の力強いサビが印象的な楽曲。
エンディングロールの特徴的な字体に目を凝らしつつも
まったりと余韻に浸ることが出来ました。

投稿 : 2023/10/27
閲覧 : 87
サンキュー:

13

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

物語は何かに似ているとしても、この世界観は唯一無二

期待感からちょっと自分のハードルをあげすぎちゃったかな・・・。

大気圏を覆う「天膜」の謎が明かされたときには、なるほどね!って感心しました。
この作品は、雰囲気的には「ナウシカ」、物語的には「ラピュタ」感があります。
足して2で割ったなんて無粋なことは言いません。
でも、その枠内で収まってしまったことがちょっと残念でした。
もう一捻り欲しかったかなと思います。

■主人公の熱量が感じられればもっとよかったかな・・・
{netabare}
王女「リリハ」の、その気丈さはとても良かったです。
本当にこのキャラ好き。

しかし、逆に、主人公「カイナ」の方は、熱量がちょっと足りない気がしました。
主人公は、どうしてもリリハを助けたいって言います。
しかし、その感情が表に出てきていないと言うかなんと言うか・・・。
なんとなく淡々としてしまっている感じなんですよね。
そう言うキャラなので、最初のうちは、それでもよかったのですが。
それでも、終盤にかけて右肩上がりの感情の高ぶり、
そして、その頂点としてのクライマックスがほしかったかなと思いました。

主人公は、いつでも冷静沈着です。
そのためなんとなく感情がフラットのように感じられてしまったのです。
たぶん、焦ったり、失敗して落ち込んだりのような感情の波が欲しかったのかと。
それに、もう後には引けないと言う緊張感と、そこからくる緊迫感とか・・・。

やはり、ここは、正直、「ラピュタ」の「パズー」の方が一枚上手かなと思いました。
{/netabare}

■最後は小さくまとまっちゃったかな・・・
{netabare}
物語の構図は、やっぱり「ラピュタ」。
「シータ」と「パズー」と「ムスカ」、そして、最後は「バルス」。

で、ここで重要なのは、ムスカに相当する敵の親玉「ビョウザン」の役割。
しかし、それが少し弱いのです。

ラピュタでは、最初からムスカが関わっていました。
そして、その関係性が徐々にあかされつつ、物語は右肩上がりで、最後は大団円。
映画と言う短い尺の中で一番面白い展開方法です。

しかし、この作品は、大海溝によって前半と後半で別世界の別物語になっていました。
そして、肝心なビョウザンが登場するのが後半です。
つまり、後半で初めて登場する人物がいきなりラスボスって感じです。
なんの前触れもまなくいきなりラスボスが登場するRPGははたして面白いのだろうか。
つまり、そう言うことです。

最初からもう少し主人公の二人となんらかの関りがあったらよかったと思います。
そうしたら、右肩上がりのストーリー展開になっていたかと。

映画と言う短い尺の中で、話が2つあるのはちょっと難しいかもしれません。
これがクールアニメならこの展開でも良かったと思いました。
{/netabare}

■まとめ

TVシリーズは、結構面白かったので、劇場版もかなり楽しみにしていました。
それだけ期待感があったのできっと私の中のハードルを上げすぎていたのでしょう。
ちょっと反省です。
でも、そんなハードルをも見事に乗り越えてもらいたかったと言うのも本音でした。

物語としては、すごく大風呂敷を広げた世界観でした。
しかし、最後はそれを見事にたたみきったのは見事だったと思います。
物語は何かに似ているとしても、この世界観は唯一無二です。
ですので、そんな世界観を一度は体験してみるのは価値があって面白いと思います。
この世界の謎が分かったとき、本当に「なるほどね!」って感心しちゃいますから。

投稿 : 2023/10/24
閲覧 : 147
サンキュー:

15

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

そういう世界観設定だったのかとすっきりしました。

封切2日めの夕方に鑑賞しました。

お客さんはよくて3割くらいの入りで、人気薄!って感じでした。

TV版は小粒な印象でしたが、それを上書きするアイディアはたっぷり盛り込まれてあったと思います。

ただし、TV版と違って {netabare} 水着回 {/netabare} はありません。

至極真っ当な、正統派ファンタジー作品です。



弐瓶勉氏の原作作品。 実は初見になります。

今回、弐瓶氏は「ファンタジーを描こう」ってことで、その世界観はしっかりと構築されていたように感じました。

劇場で観たのは、やっぱり正解でした。
スケール感はモニターサイズをはるかに凌ぎますし、キャラの演技はさらに微細で、天衣無縫そのものでした。

そして物語は・・・、これは "観た方だけのお楽しみ" ということにしておきます。


あとあと、ひと言だけ。
あの "天膜" のヒミツが、終幕間際になって明かされます。

「え? そうなの?・・そういうことだったの!」と、その大仕掛けにしばらくのあいだ思考が停止してしまいました。

SF的な雰囲気を醸しながらも、しっかりとファンタジー色がちりばめられていたなと感に入りました。



私のお気に入りは、冒頭の映像表現です。

復習のつもりでTV版を観返しておいたのですが、どちらかというと未消化なままの印象が残っています。

それを、のっけから、するどくエッジを打ち込むが如くの映像美術です。

何やら不穏な空気感を打ち出し、やおらに緊張感をブーストする出だしです。

期待値を否応なしにアゲまくる演出。

私はみるみるうちに引き込まれてしまいました。



それにつけても、なにぶんとプンプンするほどにファンタジーしてますので、すべてが理詰めというわけにはいきません。

「うんうん大丈夫。丸のみしちゃうから平気!」って心がまえも必要です。

もちろん、あの作品に似てるとか、説明が足りないっていうのは無粋というもの。

心を広く持って受け止めてくださいね。


滅びかけている世界を、再生へと向かわせる少年と少女の視点。

つまるところ、ボーイミーツガールは "間違いなし" です。

というわけで、カイナ役の細谷佳正氏、リリハ役の高橋李依氏は、この世界観になくてはならない存在感を演じきる難しさがあったのではないかなぁとの思いを馳せました。



TV版の評価は今ひとつでしたが、私は最初から観ると決めていましたので、見届けられたことは十分に満足しています。

ポリゴン・ピクチュアズの3DCG技術は、かなりリアル寄りで好印象。

人物のアクションも、無難にまとまっていて、的を得ていたように感じました。

ただ、デフォルメの面白さという観点では、いささかスポイルされるように見えてしまうのは仕方がありません。

分厚い防寒着だったり、鎧だったりは、もう一つ見栄え性に "華が足りない" ようには感じました。


その分、ストーリーの設定に、そのまま没入することをお勧めします。

とどのつまり、"世界観の余白" を自分なりに咀嚼・解釈すること。

それが弐瓶氏の狙いをキャッチする "確かなキーワード" のように感じました。

投稿 : 2023/10/16
閲覧 : 333
サンキュー:

12

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

知能より心を選抜する驚異の惑星システム

【物語 3.5点】
今冬放送された1クールTVアニメ版の劇場版完結編。

良く言えば王道。悪く言えば昭和のジブリの焼き直し。

超古代文明の知識や力に陶酔した野心家の凶行に、
ピュアなボーイミーツガールが立ち向かう典型的な構図が継続。

本シリーズならではの個性を見出すとすれば、
この星に“賢者”たちが組み込んだシステムが、大願成就の最大の障害を人間の欲望に設定し、
心の清らかな人間にのみ核心的な権限を与える選抜機能を組み込んだこと。

これにより力なき少年少女が奇跡を起こすお約束を、
シナリオの都合ではなく、先人たちが遺したシステムも後押しした必然として展開可能に。

とは言え、マイペースなカイナでも容易に潜入できる警備甘すぎな敵アジトなど、ツッコミ所はチラホラ。

“大軌道樹”での駆け引きも地階と上階を行ったり来たりする、世界の命運をかけるにはスケールが小さく単調な感じ。
正直、結局最後に2人で{netabare} バルス{/netabare} やりたかっただけでしょうwという私が抱いた邪念を振り払うには、もうワンパンチ足りない印象。
例えば最後は天膜上の宇宙空間でやり合うなど、もう少し多彩なロケーションで没入させて欲しかったなとは思いました。


解答編としては、概ね全ての謎について答えを示唆する材料は提供されました。
予想通りの{netabare} テラフォーミング{/netabare} でしたが、{netabare} 磁場の安定{/netabare} までプランに入っていた。
軌道樹に反応する“コンパス”も伏線だったなど意外な設定も開示されました。

一方で“ひかり”を基軸にした心の良し悪しを選抜するシステムのメカニズムなど不明点も残されました。
ただ、こちらについてはオープンにされないままで良かったとも感じています。

深読みすると、心の選抜システム周りには、知識の制限と文明後退により、人類を無垢の赤子に精神浄化するプログラムも含まれると思われるわけで。
これって一歩間違えばクメール・ルージュにも通じる危険思想を“東亜重工”のAIに持たせるってことですからねw
{netabare} 心が汚いとみなした人間の脳を幻覚も交えてぶっ壊す“亡霊”システム{/netabare} とか背筋が凍ります。

本当は怖い『大雪海のカイナ』よりも(※核心的ネタバレ){netabare} カイナとリリハの結婚{/netabare} という若者の前途を祝した方が後味爽やかですから。


【作画 4.5点】
ポリゴン・ピクチュアズによるCGアニメーション。

惑星全体に組み込まれた賢者のシステムが稼働する描写は圧巻。
巨大ロボ枠の“建設者”も大量動員されバトルを盛り上げる。
SFアニメとして申し分ない劇場版クオリティで魅せる。

ですが私がTVアニメ版に引き続き魅入ったのは人物の表情描写。
アメロテさんの面従腹背の表情は相変わらず含蓄があり読み解きがいがあります。

本シリーズは空から少女が降ってこないで浮上して来るなどの逆転発想の映像が面白い要素ですが、
劇場版でもユニークな映像で、{netabare} “大海溝”{/netabare} ってこっちだったのねwって感じで刺激を与えてくれます。

生物では雪海馬の成獣・大雪海馬が活躍。
馬というよりほぼ首長竜って感じで古生物ファンの私の心をくすぐります。
{netabare} 船に大浮遊棒として使用された大雪海馬の首に反応して寄ってきた
大雪海馬の番(つがい)を眺めて、ロマンとカイナへの好意を感じるリリハ様の赤い顔。
そんな乙女心に気が付かないカイナw{/netabare}
大雪海馬を材料に設定面でも恋愛面でも独特かつ印象的な映像が構築されていました。


【キャラ 3.5点】
劇場版のラスボス・ビョウザン。
大きな犠牲を払う“事業”に勤しむ野心家。
TVアニメ版・ボスのハンダーギル同様、人の心を軽んじて墓穴を掘るパターン。
異なるのは、ビョウザンも昔は“ひかり”が見え、純粋に知識で世界を良くしようと行動していた点。
より情状酌量の余地があるボスキャラで、勧善懲悪な明快さはやや弱い印象。

そう言えばハンダーギルには“建設者”の暴力的なシステムに精神を蝕まれ狂気を深めるといった設定がありましたが、
ハンダーギル以上の東亜重工製品ヘビーユーザーであるビョウザンは案外、自我を保っていた感じ。


リリハは自らの判断により人々が傷つくことを悔やみ、これが弱さだと卑下する。
アメロテは先祖伝来の賢者の鎧の力を受け継ぎながら、祖国を滅ぼした敵に助力してきたことを自嘲する。
2人のリーダーの率直な会話が印象的でした。

決断の結果傷ついた人々の心を無視しないリリハは弱くない。
本作や惑星システムが重視する心の在り方を象徴しています。


恋愛面では、カイナとリリハの関係進展の予感を横目に、
オリノガがアメロテさんの攻略を開始。
乙女なアメロテさんを目撃したい方は劇場に急ぎましょうw


【声優 4.0点】
CGの調整力を生かしたプレスコ収録。

ボスキャラ・ビョウザン役には花江 夏樹さんを起用。
割りとヒーロー役も務めることが多い声優さんですが、
本作では外面が優しいサイコパスを好演。

そんな息子を憂う母親役には桑島 法子さん。
清らかな母に語られると、ますますビョウザンが倒し辛くなりますw

主人公・カイナ役の細谷 佳正さんの飄々としたピュアボイスは健在。
{netabare} 精神を蝕む“亡霊”が出る“関門”{/netabare} という極悪なブラック労働環境に放り込まれる時も淡々としていて、
ある意味、頼もしいような怖いようなw

リリハ様の弟・ヤオナ王子役の村瀬 歩さんにも終盤意外と見せ場あり。
{netabare} 建設者と“シンクロ”して絶叫する熱演が様になっていました。
彼の演じるロボットアニメなんかも是非見てみたいです。{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴は長瀬 みさき氏とKOHTA YAMAMOTO氏の楽曲が大多数。
澤野 弘之氏はメインテーマとそのバリエーションを提供するだけという体制が継続。
ですが、そのメインテーマをOP曲にした導入は上々のスケール感。
要所を締める役回りでも結果を出す辺りは流石。

ED主題歌はヨルシカ「月光浴」
一聴しただけでは解釈し切れない詩的なラブバラード。
ただ一つ感じるのはカイナよ、リリハ様の気持ちにようやく気が付いたのかという感慨。

投稿 : 2023/10/15
閲覧 : 434
サンキュー:

16

kuroneko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/04/14
閲覧 : 3

U-yan さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/04/02
閲覧 : 2

蛍火 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/01/07
閲覧 : 4

294EY さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/05
閲覧 : 4

takeo777 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/05
閲覧 : 7

いぬわん! さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/10/15
閲覧 : 13

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/10/15
閲覧 : 10

kunka さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/10/13
閲覧 : 9

大雪海のカイナ ほしのけんじゃのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
大雪海のカイナ ほしのけんじゃのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

大雪海のカイナ ほしのけんじゃのストーリー・あらすじ

雪海に沈んでしまった世界で、人々は“軌道樹”という巨木から広がる世界で暮らしている。文字を読むことのできるカイナとアドランドの王女リリハは、水源を求めて“大軌道樹”を目指す。しかし、そこにあったのはビョウザンが君臨する独裁国家、プラナトだった。“建設者”と呼ばれる兵を自由に操るビョウザンは、人類のためと大軌道樹の破壊を目論む。そんななか、カイナとリリハは失われた文字を解読し、衰退する世界の謎に迫ろうとしていた。(アニメ映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2023年10月13日

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