当サイトはアリフィエイト広告を利用しています

「東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)」

総合得点
77.9
感想・評価
666
棚に入れた
3438
ランキング
571
★★★★☆ 4.0 (666)
物語
4.2
作画
4.1
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

レビューを絞り込む
☆の総合評価
文字数
サンキュー数
視聴状況
表示形式
キーワード
この条件で絞り込む

東京ゴッドファーザーズの感想・評価はどうでしたか?

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

珍しく「大衆向け」の今敏作品。クリスマスに起こった奇跡の話

 今敏作品の中で「パプリカ」「千年女優」に次いで観たので、作品の性質の違いに、少々面食らった作品ではありました。それでも、友人などに何度か勧められたのも納得の「出来のいい」作品であったのは間違いありません。
 ただ、先に観た2作と比べると、個人的には少し物足りない気もしました。ただ、こういう大衆向けの作品を描きつつも、ところどころ「やっぱり今敏さんの作品なんだな~」なんてにわかなりに感じる部分がありました。
 (パーフェクト・ブルーも早く観たい!)

 この作品は、「千年女優」とかと比べて、鑑賞者を考えさせる部分はかなり少なかった気がします。作品に温か味が溢れていて、ある意味「普通のアニメ作品」って感じが強いです。その分、評価が安定しそうな作品ではありますし、珍しく気楽に観れる作品でもあり、「人に一番勧めやすい今敏作品」と言えそうです。

♦物語:奇跡の話なので、悪く言えば「ご都合展開」の連続。気になる人には気になる部分かも知れません。個人的には、家出少女のミユキ関連のパートがグッときます。電話のシーンとかね!
 人間ドラマは丁寧に描かれている作品だと思います。

♦声優:オカマのハナちゃん役の梅垣義明さんが上手いと思いました。(割と「まんま」なので)
 あとは大塚明夫の声が群を抜いて渋い!

♦キャラ:特段好きなキャラはいませんが、総じて面白いキャラ達で物語が進んでいきます。強いて一番を選ぶなら、やはり大塚明夫が演じていた渋い彼で!

♦作画:今敏作品の作画は、苦手な方も多いかもしれませんが、その丁寧さやリアルさはやっぱり魅力的。作画で迷っている方も、観始めたら気にならなくなると思いますよ!

♦音楽:BGMとかは良かった気がしますが…特に印象的な楽曲はないかも。
 クリスマスソングは普通に好きですけど、主題歌は特に好きでもなかったです。

 総評としては、「普通に良作」って感じでした。本当に面白いと思ったのは「パプリカ」とか「千年女優」ですが…よほど自分と趣味が合っている友人とかを除けば、一般的に勧められるのは「東京ゴッドファーザーズ」かなぁ…と。 ←我ながらよくわからん総評だな…。

投稿 : 2017/03/26
閲覧 : 301
サンキュー:

16

ジパミィナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

満足度高い作品 75点

見終わった時の感想としては良くできているなと、正直、そこまで期待していなかったので満足度高かったです。

三谷幸喜監督の作品の様に、なかなかオチにたどり着かない感じが一話完結の中に詰め込まており、良く考えられている作品です。

伏線が回収される作品が好きな方にオススメです。

投稿 : 2017/02/25
閲覧 : 219
サンキュー:

0

ネタバレ

北山アキ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

つまらない

amazon primeで視聴

あらすじを読むと、ホームレス版「赤ちゃんに乾杯」「スリーメン&ベビー」かと思うが、赤ん坊におたおたするファミリーコメディではなく、赤ん坊をトリガー(言い訳)にして大人が自分勝手な願望を走らせる話。

因果と業の物語あるいはクリスマスの奇跡のつもりなのか、ご都合すぎる展開には閉口。
感情的なパンチは皆無で、キャラに血肉を感じない。
娯楽としてイマイチなうえにメッセージ性や実験性も無い。
途中で何度か止めようかやたらと長く感じた。

同じ監督の作品なら「パプリカ」のほうがずっと面白い。

投稿 : 2017/02/11
閲覧 : 360
サンキュー:

1

ネタバレ

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ロードムービー、、

三人のホームレスがクリスマスに
赤ちゃんを拾った事で始まる
人間模様ですね。
とにかく記憶に残っているのが長身のオカマ!
そして元競輪選手と家出娘だったはず。
拾った赤ちゃんの親を探すため、
三人はホワイトクリスマスの東京をかけずりまわります。
満員電車に乗った際には、臭いと非難されながら、、
性別も生い立ちも年齢も異なる
三人のかけあいが物語を推し進め、
広げていきます。
途中雪の為に自分の車に押し潰されそうになっている
ヤクザの親分を助けたり、
ホームレス狩りにあっている同業者にあったりと
幾つもの小イベントを重ね、行き着いた先に
それぞれが達成感に至るロードムービー的な作品です。

投稿 : 2016/12/27
閲覧 : 277
サンキュー:

5

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

クリスマスと言えば、このアニメ!!

クリスマスの時、どんなアニメを観ますか?
僕はコレ!!
東京ゴッドファーザーズ!
今敏監督作品。「PERFECT BULE」や「千年女優」や「パプリカ」や「妄想代理人」などがありましたね。
絵で好みが分かれそうです。独特な雰囲気や世界観と言い、僕は結構好きでしたね。
クリスマスの夜、三人のホームレスが赤ちゃんを拾い、実の親探しに奔走するというストーリー。
絵が綺麗と言うか、ホームレスの描写が生々しいと言うか、その辺りで敬遠される方が居られるかもしれません。パッケージを見て、やめておこう。みたいな?
しかし!
一度観たならば、クリスマスが来る度にこの作品を思い出す事でしょう。
そして!
レンタル店で一本しかないこの作品を見つけて、既にレンタル済みである事に両膝を付いて「うそやん」と嘆く事になるでしょう、去年の僕のように(>.<)y-~
でも今年からは大丈夫!!
DVD買いましたから~!!

投稿 : 2016/12/22
閲覧 : 216

金閣寺 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

完璧です!

大衆向け娯楽作品の頂点の一角であり、完璧と言える完成度の作品です。
迷っている方には観ていただくというほかありません。

正直、評価にばらつきがあるとすれば、「好み」の問題であり、作品の完成度は極まっているといって過言ではありません。

今敏監督作品の中でも最もクセが少ないながら、鑑賞後、彼の才能を改めて思い起こさせる傑作です。

投稿 : 2016/12/14
閲覧 : 180
サンキュー:

2

ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

短文感想

Amazonビデオで視聴

カップルで観るようなロマンティックな映画ではないけれども、
クリスマスや年末に観るのにピッタリな感じの映画だった

感想{netabare}
人物やストーリーが今ドキで風刺が効いてるなと思った
捨てられた赤ちゃん、ドラァグクイーン、家出した女子高生
少年たちから襲撃されるホームレス狩り(この描写は観ていてあまりにも辛い)、コンビニで水を買う際の店員の反応の仕方、ホームレスの社会復帰。
何処を取っても他にはなくて面白い。
終わり方が「えっ」って感じだったので、なんとなくその後を想像してみる。{/netabare}

投稿 : 2016/10/18
閲覧 : 268
サンキュー:

13

ネタバレ

しゃけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

こういう作品もたまには

とても面白かったです。
一時間半の作品でじっくりと演出してる感がすごいです。
最初はすごくゆっくりしていてひとたびスピードがつくと止められなくなります。
ホームレスの話、と聞いただけではつまらなそうですがさすが映画作品です。
原作ありきのアニメ映画とは違いゼロの状態から現状を把握させて物語の渦に巻き込むうまさ、そこらのアニメ映画とは格が違いますね。
クリスマスに彼女と見たい作品ですね…まぁ彼女いないんですけどね

投稿 : 2016/09/20
閲覧 : 218
サンキュー:

2

ネタバレ

ぱ(・ω・)こ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

オッサンのオッサンによる皆のためのアニメ

90分程のアニメ映画。
今敏監督作品。
題材?の「3人の名付け親」未視聴。


東京のとある3人のホームレス、
酒好きなギンちゃん・オカマのハナちゃん・家出女子高生ミユキの凸凹トリオがクリスマスの日に宝発掘(ゴミ漁り)をしていると捨てられている赤ちゃんを発見。
オカマのハナちゃんは子供を産めないこともあり、
「この子は神様が下さったXmasプレゼントよーっ」
なんつってキヨコと命名、親になろうとする。
しかし2人の説得もあってか、次の日から本当の親を探すことになる。

そんな中でのミラクルな騒動に次ぐ騒動、並行して明らかになっていく3人の過去、キヨコの周りに起こる奇跡。だってキヨコはエンジェルだもの!





さてさて、
今敏監督アニメ映画4作品の中で一番好きな作品。
4作品中では1番明るく、見やすい映画だと思います(^o^)

全体像::群像劇でもあり、エンターテイメント性に特化していて更にちょっと切なさも香るような。でも観終わったら少し元気になってる。(私が)

流れ::小さな展開でポンポン進むため、ご都合主義。私は基本、主義支持派ではありませんが、本作のようなエンターテイメント性の高いモノに限ってはご都合主義でこそ楽しめると思うのでプラスポインツ(^o^)

ラスト::若干物足りなさは感じました。
内容は書きませんが、私の願望は3人がホームレスから卒業して行く所が見たかったな。そうなりそうなセリフとかもあったし。
でも卒業パターンだとありきたりだと思うかもしれないし、無い物ねだりかな(^o^)


結局の感想::最初から最後まで笑いながら楽しく観られた(^o^)
まず題材がアニメにはあまり見られないモノだし、主人公3人とか
汚いオッサンと、小汚いおばさんのオッサンと(ガタイ良し)、生意気なちょいデブ娘。
媚びないなww
CVもほとんどオッサン。
監督もオッサン。コラ!
明るく元気なオッサン達が観た人を元気にしてくれる、なんともユーモラスないい映画だ。日本は平和だ!(^o^)

それから泥臭さを感じるような作画やキャラデザもこの作品にぴったり。
作中の音楽もよい!
多分ほとんどの人が思うだろうけど、ハナちゃんがすき。
皆いい味出してんスけどね、あんな明るいオカマちゃんいるならホームレス生活も悪くないんじゃってね。
とっても表情豊かでオカマちゃんがすごくリアルでよいと思いました!(^o^)cv:梅ちゃん
ろくでなし歌っててわろたwww
実写オカマ役は安田顕さんがすき。←関係ない

さらに声優さんは2人も私の好きな人がいて!
キヨコ役のこおろぎさとみ(クレしんひまわり役)
幸子の夫役の石丸博也(ジャッキ-チェン吹き替えのあの人)
テンション上がるでしょうがー!(^o^)
第1声で分かりましたからね!(`・ω・)キリッ


今敏監督はもう亡くなってしまったけど、本当はもっと作品を見てみたかったけど、間違いなくこれからも残っていく日本アニメの作品だと思うので是非観てください(^o^)

投稿 : 2016/09/12
閲覧 : 329
サンキュー:

12

ネタバレ

nao さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ずっと飽きない!

2003年の今敏映画。制作マッドハウス。もとは映画「三人の名付け親」からきている。この映画は東京の新宿に住むホームレスたちが捨て子の親を探しながら、自分のコンプレックスや因縁と向き合い自分なりの答えを導いていく話である。日本の特有の「クズ」的な人生を歩んできた人物、犯罪の起こりやすい関係を持った人物によって関係図は成り立っており、そのキャラクターの魅力を最大限に生かす形でストーリー、世界観、背景、アイテムを配置している。その点が秀逸だ。キャラクターも多く、暗い過去のオンパレードであるがシナリオや絵コンテの力がこの映画を支えている。そのキャラクターは、
①おかまの捨て子、元バーの店員
②ギャンブルおやじ
③家で殺人少女
④病院から盗まれた捨て子
⑤病院から子供を盗み、自殺しそうになった元やくざ嫁
⑥その夫のギャンブル男
⑦撃たれたやくざの若頭
⑧リンチ大学生
⑨看護婦の娘、と結婚する医者
⑩教会(配給所)のヤミ司教
⑪刺されたオトン警官
⑫死んだじじい
⑬やばい奴に絡まれるタクシー運転手    等、

である。濃ゆいキャラしかいない。社会のいやな部分すべてを詰め込んだかのような設定である。このキャラ達は設定上必ず面白い話はできるし、その泣かせる身の上話にどうしたって感情移入するのはたやすいため、キャラの面白さに目が行くが、キャラというよりも、どちらかというとこれらをまとめ、日本らしい話の展開で面白さを残しつつ、過激にならず、嫌みのない話になっていることがすごいと思う。安易に変わったキャラを扱うとそのキャラクター単体の面白さはあっても奇抜さだけが目立ちストーリーとかみ合わず、見ていてイライラしてしまいがちだが、それが一切なかった。それというのもキャラだけでなく、背景やアイテム、カットの構図を洗練しクオリティを高く保っていたことにも要因があると思う。キャラの濃さを衣装や背景で目立ち過ぎないよう抑えつつ、しっかりとやり取りで見せていくことで、目に優しい画面作りができていたのではないだろうか。
しかしながら、良い点とも悪い点とも取れる部分があった。キャラが多いことで見せ場のシーンが多かったうえ、そこからの配慮で一つ一つの見せ場が70%くらいの力で見せてるように見えてしまうところだ。大きな見せ場を作ることはこの映画では必要がないとも取れるが、見終わた後、大きな見せ場がないことや、情報量が多いことによって印象が散漫になってしまうところが何とも悲しくかんじた。

投稿 : 2016/09/03
閲覧 : 227
サンキュー:

5

考え中(←名前です) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

昔の洋画を見ているようだった

金曜ロードショーでやるメジャーどころではなくて、
深夜に放送されそうなヤツですね。
舞台も登場人物もガッツリ日本だけどw

内容は人間味あふれる秀作。
忙しい展開だけど、それなりに面白い。

地味でちょっと大人向けに感じるのだけど、
若い世代が見たら、どんな感想を持つのかなー?

投稿 : 2016/08/19
閲覧 : 230
サンキュー:

4

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

クリスマス 愛の奇跡ね 清子ちゃん。

 2回目視聴。クリスマスの出来事なのですが、前回も夏 今回も夏に観ました。ちょうど冬と奇跡のアニメを観た後で、なぜか無性に観たくなりました。

 何の因果か知らないけれど 飲んだくれのおっさんのギンさんとオカマのハナちゃんとちょっとひねくれた家出娘のミユキちゃん3人が、一緒にホームレス暮らしをしていました。ひもじくも寒いクリスマスの日に 赤ちゃんを拾って…。

 今 敏監督の作品です。(2010年 46歳でお亡くなりになっています。)他の作品にくらべ 東京ゴッドファーザーズは、人情味あふれた こてこてのドタバタコメディの中に ほろっとくるところが好きです。

 素敵なレビューもたくさん出ています。気になる方は ぜひ冬に観てください。



『東京ゴッドファーザーズ』ウィキさんより

第7回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞
第58回毎日映画コンクールアニメーション映画賞
第24回ベルギー国際アニメーションフェスティバルプリベTV映画賞
第18回デジタルコンテンツグランプリ 経済産業大臣賞
第36回シッチェス・カタロニア国際映画祭(スペイン) 最優秀アニメー  ション映画観客賞
Future Film Festival(イタリア) 最優秀作品賞
東京国際アニメフェア2004アニメアワード・コンペティション劇場映画  部門 優秀作品賞
個人賞・監督賞:今敏
個人賞・美術賞:池信孝

 

 

 

投稿 : 2016/08/05
閲覧 : 357
サンキュー:

19

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

リアリティと奇跡

今敏監督ってこんな大衆的な作品も作られていたんですね

クリスマス、三人のホームレスがゴミ捨て場で赤ちゃんを拾ってから
正月、親元に戻すまでの壮絶な1週間がコミカルに描かれます。

日本の12月25日~1月1日と言う期間は、ホームレスにとっては厳しい寒さに堪える季節、一般の人も家族や親戚に会いに行こうかなと考える時期ですね。

人々の流れ、人々の動き、音楽の節々に日ごとの変化が読み取れ
ただの詰め込み過ぎとは違う濃厚な作品になっていたなと感じました。

どこをとってもホント最高の出来でどうにか表現できないかと思ったのですが、どんな言葉も薄っぺらいなと思ったので、

ざっくばらんにリアリティと奇跡という言葉を置いておきますね。

リアリティ(英訳reality)
説明するまでもありませんが、現実性、真実性、実在という意味ですね。
アニメですからもちろん演出として現実から離れた表現も行いますが、風景、背景、音楽、出来事どれをとっても現実的でありそうな範疇でありながらそれを突き詰めているのがこの作品のおもしろポイントです。
要はあるあるネタです。
あるあるネタは知っていた方が当然面白いですよ。
大衆的でありながら視聴者を試しているなんて挑戦的ですよね。

奇跡(英訳miracle / marvel / wonder)
この作品のテーマです。
ですが、この作品でホントにあり得ないことはちょっとした偶然が重なり続けたことと、最終局面{netabare}のビルから落ちて助かったこと{/netabare}だけなんじゃないかと思います。

起こったイベントを時系列でまとめてみました
{netabare}
25日
協会の配給を手に入れる
ゴミ捨て場にて赤ちゃんを拾う
ビルの屋上から落ちてきたペンキを回避する
交差点にて交通事故を回避する
赤ちゃんを清子と命名する

26日
母親を探す旅に出る。
母親が働いていたと思われるクラブの名詞と母親と思われる写真をを入手する
ミユキ、電車内で立ち往生中に別の電車に乗っていた父と遭遇し、逃げたところでミルクを落とす
墓場にてミルクとオムツを入手する
道で車に押しつぶされていたやくざのオッサンに出会う
母親と思われる写真の女性の名前が幸子と判明する
オッサンに連れてきてもらった結婚式場で発砲事件が発生、ミユキと清子が犯人に人質として連れ去られる
ハナとギンが喧嘩
発砲事件の犯人の奥さんが清子に母乳を与えてくれる
ギンが路上に倒れていたホームレスを介抱し手がかりを入手する
ギンがホームレス狩りに合う

27日
ハナがミユキを発見する
ギンが天使に助けられる
ハナが昔働いていた店でギンと再会する

28日
ファミレスで一夜を明かす

29日
泊まった空家が幸子の家の写真と一致する
現住所の手がかりが手に入る

30日
コンビニで酔っ払いのサラリーマンともめる
店を出たところで救急車が店に突っ込む
ハナが倒れる
運ばれた病院でギンと娘のキヨコが再開する

31日
幸子と清子が再開する
清子は幸子に連れ去られた子だと判明する

1日
初詣にてギンとハナ、ミユキが再開する
幸子の乗ったトラックが横転もけが人なし
幸子が清子を連れてビルの屋上から飛び降りようとする
落ちた清子を助けようとしたハナと、清子は風によってゆっくり降りてくる
ミユキが病院で父と再会する

クリスマス・大晦日・正月はちゃんとした描写があるので間違いないのですが、27日から30日は日が立つのが早かったのでもしかしたらずれがあるかも。

いかがでしょうか、銃撃と最後のトラック横転で死傷者が出なかったことと、ビルの屋上から落ちてハナさんが無傷だったことは、ちょっと盛りすぎたなと思いましたが、単体ならどれもあり得そうだとではありませんか。
{/netabare}


印象に残ったシーンは
{netabare}最初のミユキとギンのバトルロワイヤルシーン、連れ去られたミユキを取り戻すためにギンとハナが式場をかけるシーンです。{/netabare}地味なシーンなのに動きが良かったのでなおさら印象に残りました。
節々でも手を抜かない監督の力量を感じました。

投稿 : 2016/06/12
閲覧 : 458
サンキュー:

18

ネタバレ

はちこ風味 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

心がね

展開、終わり方も雑。
でも、なんか見たらフフッて思える。
深くは語るまい。
いい作品である。
とくに、寒い時期にはいいかもね。

投稿 : 2016/02/09
閲覧 : 204
サンキュー:

3

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:----

こんな日くらいは奇跡を信じたい

2003年11月8日公開 上映時間92分

クリスマスの晩、三人のホームレスがゴミ捨て場から赤ちゃんを拾うという小さな奇跡から始まる
喜劇的かつ人情味あふれるジェットコースタームービー。


自称、元競輪選手のギン、元ドラァグクイーンでオカマのハナ、家出少女の高校生ミユキ
生きてきた歴史がまるで違い、各々が複雑な過去を持った三人がホームレスという同じ境遇の下
聖書もドストエフスキーも投げ捨てて、寒さに耐える防寒着と飢えを凌ぐ食べ物を求めながら日々をギリギリで生きてきた。
そんな三人が偶然拾った赤ん坊のためにおむつを替え、ミルクを用意し、本当の親の元へ帰すため東奔西走する。
三人が赤ん坊との関わりの中で忘れかけていた愛情を取り戻し、冒険の中で関わりあう人物との触れ合いで人情を取り戻す。
仄暗く冷たい東京の背景と相まって人の温もりがより強調されているよう。
よく言う「悪い人が一人もいない世界」では決して無いけれど、本作の登場人物はどれも人間臭くて憎めない人ばかり
たとえ自分にとって最悪な人がいても、その人は別の誰かにとっては掛け替えのない人だったりするわけで
そんな当たり前すぎること、故に忘れがちなことを思い出させる作品。


そういう温かさと同時にエンターテイメントとしても非常に良く出来ている。
最初にジェットコースタームービーと言ったように展開が止めどなく流れ続け
シーンとシーンの間の有機的な繋ぎが抜群に上手い。
物語を動かし続けながらも主人公3人の内面を「家族」というキーワードで呼び起こし
しっかり掘り下げることで起伏のある展開なのも良い。
そして感傷的な気分になりかけているギリギリの所で再びコメディパートへ引き戻される。
右へ左へ揺り動かされる感覚はとても楽しいが、やはりこの部分が強引でご都合すぎて気になる人はいるかもしれない。
終盤、一段ギアを上げるようにアクション性を高めたスラップスティックや、画面全体の明度の低さを感じさせない人物の表情作画。
万札の諭吉の顔や、ミユキが何枚も重ね着した衣服を脱ぎ捨てる演出等もストレートかつ効果的に決まっていて
リアリティのある背景やキャラデザの中でアニメ的ケレン味を終始感じさせてくれたのも大きな魅力だった。



【総評】
物語のシンプルさゆえに感想も簡単なものになっちゃうけど、只々楽しい。
笑って笑って、泣きそうになるけどまた笑って、そしてほんのちょっと暖かくなる。
作品を構成する要素の全部がどうしようもなく楽しい作品でございました。
去年の冬に初めて観て今年もまた観てしまって、毎年1回は観たくなる数少ない映画のひとつになりました。

投稿 : 2015/12/25
閲覧 : 391
サンキュー:

28

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ソロソロ今年も終わるな 笑

いつの頃からか、赤い鼻のトナカイにソリを引かせるデブが持て囃される季節が年一でやってくるようになりました。
今回は、そんな赤いデブが持て囃される季節にピッタリの映画をご紹介致します。

この映画は、赤いデブからのプレゼント(出物)を求めてゴミ置場を漁る、仲良しホームレス3人組のお話。その日彼らは、何時ものように向かったゴミ置場で、産まれたばかりの人間の赤ん坊をゲットします。サー、どうなってしまうんでしょーか、という感じで話が意外な方向へと突き進んでいくタイプのドタバタ系コメディです。

BD持ってるんで、取り敢えず今から観ようかなって感じです。

投稿 : 2015/12/24
閲覧 : 150

Near64 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

何かを学んだ気がする。。

何か、人として学んだ気がする。社会人になっても未だに色々と学ぶことがあるが、この作品からは普段日常生活からは学べない事を教えてくれる。登場人物の心情、葛藤、生い立ちなどから感じる”人としての人生”のあり方をおしえてくれてる気がする。大人が観てもなるほどと思える、むしろ大人が見るべき作品だと思う。
(生意気に語ってしまいましたw)

投稿 : 2015/11/02
閲覧 : 286
サンキュー:

4

ネタバレ

くまきっちん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

今敏監督

今敏監督作品はほぼ見ています

まずキャラクターに取っ付きにくい方が多く敬遠されがちですが見始めれば全く気になりません

そして内容も今敏監督の独特の世界が楽しめます

他作品もとても魅力的で面白い内容です

笑いあり感動ありで時間があっという間に過ぎます

投稿 : 2015/10/03
閲覧 : 225
サンキュー:

3

しんばくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

3人のホームレスは捨てられた赤ん坊を見つける

ジャンル        :アドベンチャー、コメディ
原作          :今敏
アニメーション製作 :マッドハウス
監督          :今敏
脚本          :信本敬子、今敏
キャラデザイン    :小西賢一、今敏
音楽          :鈴木慶一

参照元        :Wikipedia「東京ゴッドファーザーズ」

【あらすじ】
 元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾う。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かける。 Wikipedia「東京ゴッドファーザーズ あらすじ」参照

【特徴】
①冒険
②家族、ハートウォーミング
③明るい
④雪の積もる冬の東京が舞台

【特徴の説明】 
①あらすじに記載したところから物語りは始まる。しかし、行く先々で・・・
②マフィア映画ではありません。あらすじから想像し易いかもしれませんが、家族をテーマにした作品だと感じました。
③涙する場面もありますが、ギンちゃん、ハナちゃん、ミユキの3人は世知辛い世の中を前向きに生きており、基本的に会話のキャッチボールは明るいです。
④防寒着無しでは生活できないシチュエーションですが、それがかえって②③を一際温かいものに感じさせてくれました。

【総括】
 面白さをガツンと感じられる作品でした。物語は複雑で難しい訳ではなく、衝撃の展開によりテンポ良く次々に進みます。また、この衝撃が想像を超える展開となり飽きさせません。そして特徴②に挙げた通り、所々感動させられる場面によって素直に良いと思える物語になっていると感じました。因みにキャラクターデザインは一般向けなので、そこはご理解下さい。


【思った事・蛇足】

タイトルに『ゴッドファーザー』が入っているので
ヤクザ映画、もしくはアウトローを描いた物語だと思っていました。
それに
「ゴッドファーザー愛のテーマ」から珍走団のイメージが浮かんできて
ヤンキーの抗争物ものとも思っていました。


けれど違いました。
3人はホームレスになってしまった理由があり
苦悩しながらまがりなりにも生活をしています。
そんなある日のクリスマスに
偶然捨てられたし赤ちゃんを見つけるわけですが
この赤ちゃんには幸運の女神がついているのです。


この幸運の赤ちゃんによって
3人に待ち受ける運命はどうなってしまうのか
という物語。






これは良い話だ。
なんかジーンと来るものがありました。


観終えた後
『ゴッドファーザー』を調べたら
東京ゴッドファーザーズというタイトルの意味も分かりました。






それにしてもTVのロードショーで放送されていないのでしょうか。
物語自体は誰が見ても絶対に良いと思える内容なんでしょうけど
ホームレスが登場するとなると画面映り悪いからでしょうか。
それにもしかすると
視聴者がミユキ以上の年齢じゃないとウケが悪いのかもしれないのでしょう。
何と無くですが
地上波で放送されない理由はこれらの事情かもしれませんね。


最後です。
本作の魅力を上手く伝えられませんが
兎に角温かい。
そして
兎に角面白い。
まだ観ていない方は是非!

投稿 : 2015/05/08
閲覧 : 805
サンキュー:

17

うーろん=ちゃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

たくさんの方に見ていただきたいヒューマンドラマ。

 主要登場人物は3人のホームレスそれと―――1人の赤ちゃん。
 3人のホームレスが置き去りにされた赤ちゃんを見つけたところから、物語が始まります。赤ちゃんをめぐって、やがて多くの人を巻き込んだ大規模な事件へと発展していく物語。主人公の3人がホームレスになった経緯も描かれます。
 物語の流れというかヤマやオチの明確さ、物語のテーマ性、登場人物たちの人間臭い思いや葛藤の描写、全てが秀逸で映画として素晴らしい仕上がりです。少々猥雑な東京の描写も巧みで、アニメーションならではのケレン味もありつつ、現実感の伴う演出もなされており、アニメとしても非常に高級。
 専業声優をあまり用いないキャスティングですが、地の役者をアニメになじませる工夫もなされていますし…演技に関しては不満や欠点は一切見当たりません。
 総合すると、ぜひ金曜ロードとかで放送して、多くの人に親しんでほしい、ということ!

投稿 : 2015/04/10
閲覧 : 286
サンキュー:

5

オールドタイプ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

人間、居場所がないことほど辛い事はありません

これはこれは・・・面白い作品ですよ。
人間味溢れるハートフルコメディーと言ったところでしょうか。
90分映画ですが、あっと言う間に終わった感じがする程、
惹きこまれます。

投稿 : 2015/03/23
閲覧 : 239
サンキュー:

5

あかぶち さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ドタバタ人情コメディ

人は外見では判断できませんね。

投稿 : 2015/01/09
閲覧 : 222
サンキュー:

1

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

笑える

パーフェクトブルーや妄想代理人とは一味違う。ドタバタコメディ。
テンポが良く、キャラクターの表情豊かな所が見所でもあります。

投稿 : 2015/01/09
閲覧 : 173

大蛇 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この時期におすすめ

クリスマスなので観ました。流石、評価されてるだけあって面白かったです。脚本としてはご都合主義な展開ですが、テンポの良さと、キャラの魅力と掛け合い、アクション作画や、BGMでまったく飽きないで観られます。内容も感動的なところがあり、クリスマスに家族で観ても良いのではないでしょうか。

投稿 : 2014/12/23
閲覧 : 201
サンキュー:

2

るすぃー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

THE 次々に訪れる展開に引き込まれる作品

これから見る人へ
●この作品はまさにエンターテイメントだ!
 笑いあり涙あり、作品にぐいぐいと引き込まれる展開あり。と何拍子もそろった作品だ!
 この作品は90分だが、あっという間に90分が経過するぞ!
 アニメ好きな人にも、アニメが好きじゃないけど映画が好きという人にもお勧めできる作品だ!
 こいつを見ていないとなると少しもったいないぞ!
 とりあえず見るアニメがないなーって人はこれを見てみるといい!
 普通に面白いからな!

投稿 : 2014/12/07
閲覧 : 223
サンキュー:

5

神撃のニャンコ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

お~もしろかったな~

メインキャラのホームレスの二人の必至の形相とか
赤ちゃんの為に必死な姿が本当に良かったです

最初観たときは あぁ~どうしようかな 流し見して
部屋の中でも整理してようかなって思ってましたが

気が付けば そのまま画面に釘付けになってました
最後にとても気になる 伏線?って呼べば良いのかな?

って 物があったのですが 結局 回収せずに
終わっちゃいましたね そこは視聴者のご想像にお任せって事ですかね

投稿 : 2014/09/10
閲覧 : 194
サンキュー:

10

ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

さて第九でも聞きますか

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。90分のハートフルコメディ。
 今敏監督作品は、千年女優→パプリカ→パーフェクトブルーに続く4作目になります。
 今敏監督の特徴である厚いシナリオそのままに、笑いあり涙ありの正統派ハートフルコメディに仕上がっていました。シナリオ面に関しては今敏監督作品の中で最も良かったのではないでしょうか。

 今敏監督作品は、映像表現を使って主題を隠すのが非常にうまいという印象を持っていたのですが、この作品では映像表現ではなく、セリフとコメディを使っていたようです。重要なセリフでは、「誰かが誰かに」の「誰かに」の部分が別の人であるのが基本となっていますし、主題となる部分はシリアスにならないように、その後のコメディシーンであっという間に打ち消されたりしますからね。「パーフェクトブルー」も「千年女優」も「パプリカ」も、テーマは前向きなものだと思うのですが、描き方は斜に構えたものでした。クサいことを正面切って言えない監督の照れみたいなものが、この作品ではセリフとコメディに出ていたんだと思います。
 ホームレスを主人公に置いているのに、悲壮感みたいなものがあまりなく、むしろ力強さを感じたりもしますから、あえて言うならそこが映像表現として隠された部分なのかもしれません。

 シナリオの良さ、つまりフラグ回収の巧みさは見れば分かるものですので、細かい部分は省略して、私が注目した部分を少しだけ述べておきます。


オープニングと奇跡:{netabare}
 シナリオの一つの特徴として、徹底したご都合主義があると思います。いわゆる「奇跡」の連続でストーリーが進んでいくのですが、これを許容させる基礎はオープニングにありました。
 オープニングでは劇中劇を使って、奇跡を起こすことが宣言されています。視聴者は、監督が用意した舞台に上がってくることをある意味強要されるわけです。こういう監督側からの主張というのは、個人的には結構好きです。そもそもパーフェクトブルーも千年女優も、劇中劇からスタートしていますし、パプリカは夢の世界からスタートしています。一つのステップを用意してから実際のストーリーに入っていくという「視聴者に対する段階的な意識付け」は、監督自身が狙っているところなのかもしれません。

 こういうオープニングの作り方は、ファンタジーやSFに近いと思います。
 ファンタジー等では、架空設定を視聴者に説明する必要があります。例えば、ラピュタでは「石が浮く」ことをオープニングで説明しているから「城が浮く」ことを受け入れられるわけです。
 一方、時代劇や現代劇などリアルを前提とした作品は、架空設定の説明が不要なため、オープニングでは時代や舞台、キャラクターの紹介が中心となることが多いです。風立ちぬみたいな作品ですね。
 これらに対して現代ファンタジーは、現実の中にファンタジー要素を押し込めるのが基本です。日常の描写の中に魔法の存在を描いている魔女の宅急便などがこれに当たります。

 この作品は、現代劇であるにも関わらず、劇中劇から入っています。つまり、作り方としては、現代劇よりもファンタジーに寄っていて、現代ファンタジーの枠内に入るものだと思います。オープニングを見逃したり、現代劇への先入観が強すぎたりすると、ご都合主義が鼻につくかもしれませんが、オープニングの作り方からすれば、キキが「空を飛ぶ」のと同じ感覚で、「奇跡が起こる」ことを許容出来るようになっていたと思います。あくまでもオープニングの作り方の問題で、この作品がファンタジーだと言っているわけではないですよ。
{/netabare}

ハナと家族観:{netabare}
 ストーリー展開上の重要キャラクターは、間違いなくオカマのハナだったと思います。母親役である彼女(?)がなぜオカマでなければならなかったのかという理由については、消極よりも積極のが多いように感じました。

 まずは、コメディ要因として。オカマというキャラクター自体が非常にコメディ要素が強く、失礼な話かもしれませんが、「いるだけで笑える」という部分は少なからずありました。前2作と異なり、コメディを追及する上でオカマの特異性に白羽の矢が立ったのだと思います。

 次に、ステレオタイプ化です。男性の女性化というのは、大きく分けて二つの方向性があるように思えます。一つ目が、現実の女性に近づく方向で、いわゆるニューハーフのような「綺麗な」タイプです。二つ目が、ステレオタイプ化された女性に近づく方向で、いわゆるオカマのような「汚い(←失礼)」タイプです。この作品では二つ目が採用されていました。
 オカマというのは、誰が見ても女性を目指していることを認識するわけですが、現実の女性にこのようなタイプの人を見たことはないはずです。つまり、オカマというのは、女性を目指していて、かつ女性をイメージしているにも関わらず、現実の女性からは乖離していった存在なのだと思います。ある意味ステレオタイプ化された有り得ない女性像を持っているわけです。
 この作品では、家族というのが、ハナ・ギン・ミユキというキャラクターによって偽装されたものとして登場します。彼らを見ると誰もが家族だと認識するにもかかわらず、実際には家族たり得ないという構造を持っていました。これも家族のステレオタイプの活用であり、ハナの概念と一致します。ハナというステレオタイプ化された存在によって、ステレオタイプ化された家族を演出するという二重構造を作り出したのではないでしょうか。

 最後に、ギンとの関係です。ハナはギンへの恋愛感情を否定しています。実際にどういう感情を持っていたかは分かりませんが、作中では偽装化された家族でなければならなかったというしがらみが確かにあったはずです。つまり、男と女が並んだ際に、恋愛要素が前面に出てきてしまっては、不都合があったはずです。恋人ではなく、あくまでも偽装された家族であり続けるために、現実の家族ではありえない夫(男)と妻(男)という構図が必要だったのだと思われます。

 実際に監督がどういう意図をもってこのキャラクターを採用したのかは分かりませんが、私は好意的に受け止めました。近敏監督のキャラクターは現実感が強すぎるために、突出したキャラクターは存在していなかったように思います。没個性に基づく現実感と言い換えてもいいかもしれません。この作品で初めて突出したキャラクターであるハナが登場したわけですし、描けるキャラクターの幅の広さは確かに感じました。
{/netabare}

ただいまとエンディング①家族関係の成立:{netabare}
 「ただいま」という挨拶は、家族ものにおいては重要なキーワードだと思います。「おはよう」のように誰に対してでも使えるものではなく、家などの「自分の帰る場所」に帰った時のみに使える、家族を象徴する挨拶であると考えられます。
 そんなわけで結構注目していたのですが、この作品で「ただいま」が使われるシーンは、二か所しかありませんでした。一つ目は中盤で、赤ん坊(キヨコ)の自宅である「べき」場所に全員で到着した「廃墟への到着シーン」です。そして二つ目は終盤で、「偽の」母であるサチコの手にキヨコが戻った「疑似母子成立シーン」です。
 いずれにも言えることは、超重要シーンだったということです。どちらのシーンも、「本来であればエンディング」という節目のシーンです。一つ目は廃墟になっていたため、二つ目は、偽の母であったために、念願叶わずでしたが、仮のエンディングという役割を持っていました。

 で、どちらのシーンがより重要かと聞かれれば、迷うことなく一つ目だと答えます。後述しますが、どちらも仮のエンディングであって、重要なのは変わりません。ただし、一つ目のシーンだけは、もう一つの意味を持っていたと思われます。それは4人の「家族関係の成立」です。
 家族関係の成立が描かれたシーンは、この前にもありました。ミユキの夢です。この夢のシーンの前では、言葉の通じない女性を前に、父親を刺したというミユキの告白が入ります。女性はやさしい母親像を持っていますから、母親への懺悔に等しいのものです。ミユキは言葉が通じないからこそ本音を言える環境にいました。このときミユキが見た夢が4人の家庭ですから、ミユキの深層心理上は確かに家族関係が成立していたのだと思います。しかし、あくまでもこれはミユキ個人のものですし、現実における家族としての儀式が不成立であり、片手落ちという状況でした。

 廃墟への到着シーンを整理してみます。4人で廃墟に到着し、ギンだけが家を出て、改めて鍵を使って家に入り、「ただいま」という流れです。ドアが壊れるコメディシーンでぼかされていますが、父親が家に帰ってきて「ただいま」ですから、この時点で、実質的な家族関係の成立を見るべきだと思います。ホームレスが家を獲得しているというメタファーもあります。
 夢のシーンでは、ミユキの心理上の家族関係の成立に過ぎなかったものが、廃墟の到着シーンによって、実質的な家族関係へと昇華されたのだと思います。この後には、ミユキが自宅に電話するシーンが待っており、これは疑似家族からの離脱フラグの訪れです。つまり、このタイミング以外に家族関係の成立を描けるシーンはありませんでした。

 ここで、ミユキの重要性を述べておきます。ストーリー上の重要キャラクターはハナだと思いますが、テーマ上の重要キャラクターはミユキです。
 ギンとハナは、やや短期的にフラグ回収がされていきますが、ミユキのフラグ管理は長期的です。なかなかストーリーが進まない割に、進む時にはかなり前進するのが特徴です。また、帰宅のフラグ成立が最も早いのもミユキです。エンディングもミユキのためのものですし、間違いなくテーマを背負ったキャラクターです。東京ゴッドファーザーズというタイトルからも察することが出来ます。主要キャラクターにも関わらず、ファーザー要素が皆無なミユキは、意味を持ったキャラクターであったはずです。

 で、先に述べた廃墟への到着シーンというのは、ミユキのストーリーが大きく前進する手前、つまり、フラグ的には最も拡散した段階にありました。それゆえに、この時点で家族関係が成立し、あとは徐々に疑似家族が解消していくという流れになるわけです。
{/netabare}

ただいまとエンディング②ミユキのエンディング:{netabare}
 ここで、前述の二つのシーンで「ただいま」を言っているキャラクターに注目してみます。
 「廃墟への到着シーン」はギンです。妻と娘の元に戻りたいギンが、ハナとミユキ(とキヨコ)という妻と娘に対して言っています。
 「疑似母子成立シーン」はハナです。出生(母子)を知らないハナが、キヨコとサチコという母子の間に立って言っています。
 ギンとハナは、この「ただいま」のシーンを通じて、ある意味本懐を遂げていることが分かります。だからこそ、この二つの「ただいま」のシーンが仮のエンディングだと言えるのです。実際、ギンは娘に、ハナはバーのママに再会出来ています。
 唯一言っていないし、再会出来ていないのはミユキだけです。帰宅のフラグが一番早く、受入先が確実にあるミユキだけが「ただいま」を温存したまま、エンディングを迎えてしまいます。
 そして、エンディングで描かれるのは、ミユキと父の再会です。あの後にミユキがどんなセリフを言うのか、描かれていないとしても想像に難くありません。

 ちなみにですが、ミユキの帰宅が確定するのはエンディングではありません。その前の、ビルの階段を駆け上がるシーンです。
 このシーンでは、手すりにコートをひっかけたミユキがそのコートを脱ぎ捨てています。その後は帽子を自分で投げ捨てています。これは、急いでいるという描写でもあるのですが、それより重要なのは、「偶然にホームレスの衣がはがれ」その後「自らの意志でホームレスの衣を捨てた」ことにあります。
 ミユキは常に受動的でした。ハナに引きずられ、事件に巻き込まれ、父親との電車での再会も偶然の産物です。能動的に起こした行動は電話くらいのものですが、予定通りに実行できませんでした。
 このミユキが、階段のシーンでは、受動態から能動態へと一瞬で変貌し、その後母子を救うまでに行動力を見せています。
 つまり、この階段のシーンでは、ミユキの問題が既に解決されていることが再度遡及され、自ら解決のために行動を起こせることが明示されているのです。エンディングにおいてミユキは偶然父に再会していますが、自分からあのセリフを言うだろう、という予測が、階段のシーンから成り立つのです。
{/netabare}


 この作品は、フラグが次々に立ち、次々に回収されるという性質上、他の今敏監督作品に比較すると、エンディングにおけるカタルシスというのは、非常に弱くなっています。最後のミユキのセリフはあった方が良かったんじゃないかなぁとは思うんですが、やはり説明しすぎるのを好まない監督なのかもしれません。とはいえ、そんな私の感想などどうでもいいくらい完成度の高い作品だと思います。
 特に次々に回収されるフラグの中で、回収されないフラグのみでエンディングを作る構成力は、他のどの作品に比べても特筆すべきものだと思います。

 最後に。過去作品とのオープニングの類似性を前述しましたけど、エンディングも前2作と同じ病院エンドですからね。なんかあるんですかね?たまたまだとは思うんですけど。ちょっと驚きましたw


対象年齢等;
 家族ものですし、10代からでいいと思います。奇跡をご都合主義よりはやや柔軟に受け止められる姿勢があれば、確実に楽しめると思います。

投稿 : 2014/09/09
閲覧 : 565
サンキュー:

12

フローズン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

最も好きなアニメ映画

・私が最も好きなアニメ映画です
・初めての今敏作品
・作画も綺麗だし、音楽もセンスありまくり
・ご都合展開極まりない脚本は、逆に清々しさを感じるくらいに嫌味がありません
・主役3人の声は、声優ではなく役者さんですが、とてもマッチしています
・「クズにはクズの 死に場所があるよ クズにはクズの 生きるとこがある」
見るたびに救われる作品です

投稿 : 2014/06/15
閲覧 : 347
サンキュー:

8

ネタバレ

キスショット☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いい!おもろかった!

2003年の日本アニメ 約90分の映画

原作は、1949年のアメリカ映画「三人の名付親」だそうだ。

原作の名前だと落ちがモロバレなので、日本の題名の方がいいかも!


人生一度、いつだってその気になれば、やりなおせる!
って感じかな!


なんとなく、見た映画だったけど、思いのほかおもしろかったよ!

ラストの、その後を見たいけど、そこで終わっているのもイイ終わり方かな!

{netabare}赤ちゃん、落ちる時に、しゃべって天使か!?と思いながらも、恐すぎるw
と思いました((´∀`*))ヶラヶラ{/netabare}

投稿 : 2014/06/04
閲覧 : 369
サンキュー:

21

ラルゴ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

( ^ω^ )

夜中にTVで放送してるのを観たのですが次の日仕事なのにも関わらず最後まで観てしまいました。大人向けのアニメって感じもしますが誰が観ても楽しめるアニメだと思います。

投稿 : 2014/05/27
閲覧 : 185
サンキュー:

2

次の30件を表示

東京ゴッドファーザーズのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
東京ゴッドファーザーズのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

東京ゴッドファーザーズのストーリー・あらすじ

自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。(アニメ映画『東京ゴッドファーザーズ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2003年11月8日
制作会社
マッドハウス
公式サイト
www.sonypictures.jp/archive/movie/worldcinema/tgf/
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%95%...
主題歌
≪ED≫ムーンライダーズ『No.9』

声優・キャラクター

江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山イヌコ、山寺宏一

スタッフ

原作:今敏、 監督:今敏、企画:丸山正雄、脚本:今敏/信本敬子、キャラクターデザイン:今敏、演出:古屋勝悟、キャラクターデザイン・作画監督:小西賢一、作画:井上俊之/大塚伸治/濱洲英喜/安藤雅司/川名久美子/数井浩子/鈴木美千代、動画検査:大島明子、色彩設計:橋本賢、美術監督:池信孝、美術監督補佐:猪田薫/伊奈淳子、撮影監督:須貝克俊、撮影:スタジオイプセ、編集:瀬山武司、音響監督:三間雅文、音楽:鈴木慶一/ムーンライダーズ、制作プロデューサー:豊田智紀

このアニメの類似作品

この頃(2003年11月8日)の他の作品

ページの先頭へ