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「PSYCHO-PASS サイコパス(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
5576
棚に入れた
26360
ランキング
61
★★★★★ 4.1 (5576)
物語
4.3
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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PSYCHO-PASS サイコパスの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

stMUp39627 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

主人公常守朱は優れた直感と理想主義と強い信念の持ち主です。
彼女の前では社会常識や秩序は一つの事象でしかなく、それ故に公安局に配属された彼女は組織の決まりに逸脱した行動を起こします。
けれども彼女の理想を追求し続ける自由な精神は何を侵されたとしても消して濁ることなく、それはシュビラシステムによって肯定され能力を存分に発揮していきます。
最近の若者は彼女のようなユニークな理想主義者が多いと感じます。ルールと秩序に縛られた日本社会で生きづらさを抱える彼らにとって、シュビラシステムによって生き方を肯定される常守朱の姿はまさに理想の生き方のように映るのではないでしょうか。
時代の風刺に合わせた凝った作品だと思います。

投稿 : 2020/03/01
閲覧 : 180
サンキュー:

9

ネタバレ

shion さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

グロ系、濃い戦闘アニメが好きな私から見ると、ゆるいし物足りない。ただそれ以外に、キャラや展開に魅力がある。設定もなかなか面白くて好きかな。最後まで見ない人が割と多そうな気もするけど。

投稿 : 2020/02/25
閲覧 : 262
サンキュー:

2

ネタバレ

もも さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

正義

刑事にとって正義と社会の秩序を守るのは重要だ。しかし、秩序は正義に衝突する時、どうすればいいか誰でも分からない。
興味があれば、是非この物語を見てください。

投稿 : 2020/02/20
閲覧 : 234
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

かっこいい

刑事物なのでそりゃでっかい悪役ポジションがいるんだけどソイツがとんでもなく素晴らしい、強くて頭良くて魅力的でカリスマでサイコ野郎で最高のキャラ。真の意味でコイツが「悪」なのかは人によるのかな、とりあえずカッコよすぎるんだな

投稿 : 2019/12/30
閲覧 : 143
ネタバレ

ユッキン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

★4.0

記録

投稿 : 2019/12/20
閲覧 : 207
サンキュー:

0

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ありえるかもしれない未来を描いた作品。

物語全体の感想
自分は「社会」を題材にした作品が好きなので、この作品の現代社会における問題点の投げかけや刑事アニメであるからこそのサスペンス要素からくる本当の正義にとても感動しました。このアニメの放送時期にこれほど未来を予想できているエンターテイメント作品はこの作品だけなのではないかと感じました。

投稿 : 2019/11/23
閲覧 : 225
ネタバレ

Ryo さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

哲学的な素晴らしいストーリー

何が正義で何が悪かを深く考えさせれる素晴らしい作品。

いままで絶対的な正義だと信じていたシュビラシステムが人間の脳の集合体としっても常森は秩序を維持するために、それを受け入れた、
それが本当の正義なのか、
法を順守すれば正義なのか、
人を殺せば悪なのか、

そんな曖昧な正義(シュビラシステム)の中で自分の信じている正義とは、悪とは何なのか。
そんな常森の葛藤が感じられる

投稿 : 2019/11/08
閲覧 : 228
サンキュー:

8

ネタバレ

へも さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

既視感

評判良いので今頃になって視聴してたんですけど、女学園の猟奇殺人のあたりまでしか見れておりません。。

2012年TV放送時にリアルタイムで見てたらハマったかもですが、どうしても既視感がぬぐえず引っ掛かるんですよね。
いちばん最初に感じたのはダークな画面イメージから「ブレードランナー(1982年)」をホーフツとさせるなぁという点。そしてプロット的には(さんざん語られてそうですが)TVドラマ「ケイゾク(1999年)」と特撮ドラマ「特捜戦隊デカレンジャー(2004年)」とダブって見えてしまうのです。

キャラ設定はケイゾクっぽい。
 ・狡噛≒真山
 ・常守≒柴田
 ・槙島≒朝倉
他キャラも早乙女っぽいな、タン壷っぽいな、などと思いながら見てました・・・

そしてドミネーターによる執行モードは、デカレンジャーのジャッジメントタイムっぽいなと思ってました。(あちらは銃ではなくて警察手帳でしたがw)

ちょうどいまBSで再放送中なので、気が向けば視聴再開するかもです!!
※視聴中断につき評価はデフォのままにしてます。

<2019/11/03追記>
実はけっこう前にAmaプラで視聴完了済みだったのでした。上記の中断以降はストーリーの盛り上がりは上昇基調でしたね。
ただ・・・サイマティックスキャン妨害ヘルメットは萎えましたwww いや内実は超テクノロジーなブツなのかもしれないけど、見かけ上「仮面をかぶればシビュラもお手上げ!」的にしか思えなくて。。
あとラストエピソードはバイオテロによる広範殺人の目論見だったわけですけど、槙島なら相手の顔を見ながら快楽殺人を繰り返すんじゃないかなぁ・・・と思えてなりませんでした。

でも「狡噛に殺されることが槙島の本望」ってとこは納得できました。
細かいところは気にせず、様式美を楽しむアニメだったのかなと思います!!

投稿 : 2019/11/03
閲覧 : 412
サンキュー:

19

ネタバレ

ドリア戦記 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見えるものと見えないもの

2019/10/18追記
感想の続きです。
前回は違和感をいい加減に羅列しただけだったので続きを。
今回はすごいなあと思った点です。
なんか真面目にやることがしんどくなってもう早く済ませたいw
いい加減な人間が真面目にレビューなんかするもんじゃないw

その前に私が一風変わった感想を持つに至った前提を。

IT系の仕事なのですが10年近く前に勉強のために2年ほど学際的な分野にいたことがあります。
元々はマネージメントとかサービスとかありがち平凡な経営系なのですが、
スパコンとかAIを専門の仕事としている人と交わっていた時期があります。
最近、美空ひばりをAIで蘇らせるという企画をNHKがやっていたのですが
あれに近いことが周りで行われていました。
まあ私の専門ではないので密接には関わっていませんでしたが。


NHKでもここ数年特集をやっていましたが、人間をAIで再現するにあたって
今まであいまいだった人間の仕組みに改めて焦点が当たってきています。

例えばAIで人間の会話を再現しようとすると、概念という壁にまずぶつかる
ソシュールの言語論で説明されているアレです。
これはAIの学習機能を用いて現在解決しつつあります。

またスムーズな会話を実現するために、人間の感情とは何かという問題にもぶち当たる
言葉選びの感性にもぶつかる。
ここはまだ解明が追い付いていませんが、もしかしたらAIで解明されるかもしれません。

音楽や味覚を料理等、
感性や感覚が交じり合ったモノが人間から生まれる仕組みもAIで徐々に再現できています。

AIを搭載した人間の手の形に模したロボットを動かそうとすると
身体的な感覚というのが如何に人間の知性に密接に関わっているかということがわかってくる

わかりやすく言うと、子供が両親と手を繋いだ時の手の感触、温かさ、
作って出された料理を食べた時の味覚、嗅覚、
これらを経験してほっとしたり、安らぐ感情、
大人になればsexの問題が絡み、そこから抽象的な愛ということを考え始める
どれも複合的でどう関係しているのかわからない。
でも少なくとも、そういった「愛された」経験が過去にないと
愛という抽象的な概念にも辿り着きづらいであろうことはなんとなく予想できる。

どれも機能レベルではモデルの構築と実験で解明しつつある。
でもそれらが1人の人間の中でどのように統合されて複雑に影響し合って動いているのか
機能の仕組みが1個1個分かったからと言って
それらの統合体である「人間」が分かったとは限らない
なんだか闇の中でよくわからん←New!
なのが今の現状なのだと思います。

この辺の現象の説明を昔ながらの一元論、二元論じゃねぇだろ、
そんなレベルで解決するわけない、未知の領域に突入する必要があるということを
ある哲学者が言っていて面白いなあと思ったことがあります。


作家が作る物語が面白いなあと思うのは
そういう分かっていない部分の限界を飛躍することが許される点です。
根拠がなくても、「だって物語だから」で許される。
それが面白さと所詮作り事という一点で切って捨てられるデメリットにあります。
文学はやはり知的な「お遊戯」の範囲にとどまりますから。


虚淵さんが作ったこのお話の面白さはAIがまだあまり世に知られていない時期から
AIの進化と発展を念頭に「人間ってなんだ!」「社会ってなんだ!」ということを暗に模索している点です。

それぞれ立場の異なる人間を配置し、どのように「社会」と関わるか描こうとしています。
例えば、常守朱は「社会」を守る側の人間。
彼女は子供の頃に祖父母に可愛がられたとあります。
幼少期に周囲の人間と深い信頼関係を築くことができた人間の設定です。
彼女のサイコパス度の安定は、この幼少期の体験から来ているのでしょう。
幼児期に周囲の人間と深い信頼関係を築くことに成功した
彼女の社会への信頼、周囲の人間の信頼はこの経験がベースとなっている設定かもしれません。
地味でありながら自分に与えられた使命を懸命に果たしながら
社会を下から支える人はこういう人なのでしょうね。
キリスト教圏ではこういう人を「地の塩」と呼びます。
昔、上司が言っていた記憶があります。


一方、狡噛慎也は現実的な知性を持つ人間。
シビュラシステムの問題に気がついてはいるが、社会を根底から覆そうとしていない。
彼は知性の高い人間ですが、何より警察組織の人間、仲間と信頼関係で結ばれている。
感情表現にはとぼしけれど誰かと協力して物事を成すことができる人間です。
これが同じ知性の高さがあっても狡噛慎也と槙島の違う点です。


槙島は誰かと協力して物事を成すことができない。誰も道具程度にしか扱えない。
感情や感覚がどこかで欠落した人間で
通常の人間と生物レベルで何らかの差異がある人間であることが暗に示唆されています。
槙島のキャラ設定は5話のルソー引用の裏返しでしょう。

ただこの作品の面白い点は、明らかに通常の人間から外れた
社会を営めない体質の疎外されたサイコキラーである槙島が
人間とは何か?人間の自由意志とは?をあらためて登場人物たちに突きつける点です。
単純ではない作りになっています。
槙島は物語上は「正義」の側ではないのは明白ですが、
彼の主張が間違っているわけでもない。
見ている側は、迷うわけです。

視聴者側の極端な感情移入を避けて客観的な立場で物語の進行を見守らせる。
感情的な流れに任せるのではなく、見ている人間に色々と考えさせる
いわゆる異化効果なのですが
実はこれはシェークスピアが劇作で良く使った手法です。
『マクベス』『ハムレット』『ベニスの商人』もこうした手法を使っています。
まあ、虚淵さんはよう研究しているなあという感想です。

AIという未知の領域を扱い、この技術がこれからの社会の発展にどのように関わるのか
想像力を駆使して様々な問題点を指摘する。

それを高いレベルの劇作で物語として落とし込む

なかなか高度なことをたくさんしているお話だと思います。





2019/10/17追記

やっと1期完走です。ですので感想文を更新します。


うーん、まず気になった点から書きましょうか。
その後でスゴイなと思った点を書きます。


【衒学的というよりサブカル的ごった煮B級的魅力なのでは?】
えらいいろんなところから引用があったなあという。
思いつくまま上げても凄い量です。
プラトン、オルテガ、スウィフト、ルソー、フーコー、マックス・ウェーバー、
シェークスピア、ニーチェ、オーウェル、コンラッド、寺山修司、
キルケゴール、デカルト、ディック、パスカルetc…。
厨二だなあという感想。悪い意味ではないです。
私が10~20代なら面白いと思ったはずです。その頃は厨二的な要素がありましたから。


ただ微妙だなあと思ったのは、引用した箇所は確かに
この作品の思想的な根幹を成す部分を示唆しており重要なのですが
どうしてもセリフとキャラクターが一致しない部分が出ている点です。
哲学的な問題意識とか設定としては、才覚のある構成だけど
お話・物語のお作法としてどうなの?という疑問ですね。


例えばDSM(アメリカ精神医学会)が
反社会的パーソナリティ(いわゆるサイコパス)として分類するであろう
泉宮寺豊久がプラトンを引用するシーン。
「肉体は魂の牢獄」というのは義体化した人間のセリフとしてはアリがちですが、
泉宮寺豊久はプラトンを読むような人間には見えないんですよ。
「このオッサンせいぜいホッブスがいいところやろ?」という感想を抱いてしまう。
違和感が残ってしまって物語への没入感が削がれてしまう。
プラトンというブランドネームが厨二的に欲しくて入れたのではと思います。


征陸智己のルソー引用も気になります。
5話のこの場面での「人間(ホモ・サピエンス)は協力して狩りをしてきた。
協力して物事を成すことで大きな成果を得ることができる。」
この引用は作品の根幹を成す部分です。
外部環境に非力な人間(ホモ・サピエンス)は社会を営むことで発展してきた。
故に言語で媒介する抽象的知性だけでなく
人間同士のコミュニケーションを潤滑にするであろう
「原始的な知性」つまり感情や身体性的知性も同時に発達してきたと言えます。
常守朱や狡噛慎也はそうした部分を多分に持ったいわば人間らしい人間です。
でも征陸智己のキャラとルソー的な啓蒙思想はこの作品ではリンクしないんです。
進行上必要があるから言わせただけで、キャラクターとセリフがリンクしない。

もう1つ、槙島がオルテガからの引用を是とするのも違和感があります。
狡噛慎也が言うなら分かるのですけど。
オルテガは保守の人が好んで読むので過激な書に思われていますがいわゆる「常識人」です。
まともすぎて動乱時代のスペインでは
衆愚から全体主義への危機を予期できてもカウンターとしての効力を持てなかった。
永遠の微調整とか異なる意見の者を排除せずに含むというある種の健全さ
穏健な保守思想というのは地政学的に恵まれた地域で醸成されるもので
近隣同士でギスギスやり合う地域や動乱の時代では育ちにくい欠点があります。
社会や公共に対する信頼感が前提の人の話を
アナーキストである槙島が批判を交えずに引用するのに違和感が残ります。
まあ、人間いつかは惰性から堕落するもので、変化があって当然、
一生完全なままの人間などいねぇだろという考えの私と
相容れない部分はありますが。
エリート幻想ってある種の「思いあがりたい人」に
流行る病だよねえという辛辣な見方の私には賛同しがたい部分があります。
自惚れ甚だしく社会に対して害しかなさなくなった
「逝ってしまった」自己研鑽を忘れた元エリートを
代替するコストは民主制の方が安いだろと思っています。
そういやマルクス・アウレリウス・アントニヌスは
めっちゃしんどそうな日記毎日書いてたやん、
あれぐらい真摯にやる人じゃないと無理でしょと思うわけです。

また脱線し始めたので戻します。
物語上欠かせないキャラクターとセリフの言行一致より
ストーリーの進行上必要だからキャラに言わせたという感じが残ってしまう。
ストーリーへの没入感を削ぐのです。
なんだかこのちぐはぐ感が「衒学的」という批判を受けてしまうんだなあという感想です。


もちろん、フーコーやベンサムを引用したのだから、
そういう衒学的な手法は作品の構造的にも織り込み済みだ!という解釈も成り立つのですが
だったらラストシーンはボルヘスの廃墟や円環までやってもええんちゃう?
なんでそこで映画の『セブン』なん?なんです。ウケたらいいという姿勢が露骨過ぎ…。
『セブン』は総監督の本広さんのフジテレビチックな大衆路線かもしれませんが…。
外部引用というのは作品世界を膨らます手法として効果的という見方や
それに特化した手法も文学であります。でもそこまで徹底してやっていない。
面白そうだから文学(ラテン文学的な)の手法もごちゃまぜにしてやってみた
そんな具合が見えてしまうんですね。でもそこがサブカルB級的面白さなんですけど。

個人的にあんまり衒学的なものが好きでない、むしろ衒学的な要素を抜いて
本人の力で「哲学」「物語」しているのが好きという好みもあります。
上遠野浩平みたいなね。

あと1つこれもおそらく本広さん的感性で追加されたと思うのですが
狡噛慎也と槙島の肉弾戦シーン。
槙島のセリフや行動はあまり身体感覚と結びつかないんですけど…。
むしろ攻殻機動隊SAC2edの合田のように
抽象的思考、観念論の世界だけで生きているように見えます。
昔、合田の「かく言う私は童貞でね」というセリフで爆笑した覚えがありますが
後で良く考えると「観念論に傾倒する人間は
そもそも五感から得られる身体的感覚をあまり大事にしないよな」と
良く出来た人物設定だよな、吉田松陰みたいじゃんと思い直した経緯があります。

槙島は脳神経系統に何らかの分泌異常があって
感情、共感能力を持たない人間として設定されているのではと思うのです。
いわゆる反社会的パーソナリティの人には、生育した環境的な原因以外に
遺伝的な要素で共感力が持てない人がいることがわかっています。
生物の進化と同じくほんの偶然でそうした遺伝情報を持つ人が
ごく稀に出ることがあるのは知られていますが
槙島もそういった例外的な要素を持つ人間であり、
だからこそシビュラシステムで掬い切れなかったという見方が成り立ちます。
生物としての人間の凄みですね。

槙島はフェアプレーの肉弾戦をやるよりは
知性を悪用して刃物振りかざすようなエグいキャラにしか見えんのですわ。
フェアプレーより効率的な勝利への近道を優先するだろという。
まあ、これは勝手な思い込みなんですが、他にも指摘されている方がいて
そうだよなと思いました。



一方、引用を重ねることで
キャラの重層的な内面設定が成功しているのが王陵璃華子でしょう。
シェークスピアの『タイタス・アンドロニカス』、キルケゴールの引用は
既存の社会的規範に従うことを是としない
他人の命を軽視し自己の追い求める耽美的な快楽を
何よりも至上命題とする王陵璃華子の
社会と相容れない価値観を表現するのに向いていました。
この辺りは素直に上手いなと思いましたよ。


シェークスピアは劇作のバリエーションの豊富さだけでなく、研究が進んでいて
劇の構造解釈が優れた面白い論文がたくさん出ている。
何か創作物を作る際に参考になる論文やテキストがたくさんあるんです。勉強になるものが多い。
だから作家を目指す人が読むに向いていると思うのですが、
虚淵さんもアニメ、ラノベ中心でもやはりそこまで手を出しているのかあと思いました。
単純に作品への理解を深める為にも読むと面白いものが多いです。


無駄に長くなりました。全体像への感想はまた後日まとめます。





2019/10/05
昔見たけどすっかり忘れていたので3話まで視聴
最後まで見たいけど時間がとれるか最近は難しい状態なので一旦感想を。
ちゃんと最後まで見たいとは思っているのですが…。

SF的な技術と人間社会の関係について語りたいので、余談ばかりになるかもしれません。
完走したらあとで更新する予定です。
最近、あまりクリエーターの敬意のない
作品に関係のない事ばかり書いている嫌な「批評」を書いている自覚があるので
やりたいとは思います。

【虚淵氏について】
実は虚淵玄が苦手だったんですよね。
苦手の理由は、どうしようもないレベルの虚無感と悲観主義と暗さです。
虚淵氏の作品からは死を絶えず意識した時期があったんじゃないだろうかと
思わせるものがあります。
外から見えている闇の部分は氷山の一角だと思いますよ。この人の場合は。
それがいい加減で楽天的な私をたじろがせていた面があります。
ただこの人の場合、暗いだけでなく、暗い設定には必ず考え抜いた根拠はあるので
一笑にふせない面があるのが厄介です。
例えばオリジナルアニメ『GODZILLA』の序盤の宇宙船による棄民のシーンは
発想が日本人独特の陰惨さに満ちていますが、
確かに下手すれば将来あれと同じことが起こる可能性はあるかもしれないという予感はします。
このアニメ3話の『飼育の作法』も嫌な話でした。
しかし閉鎖社会でいじめられていた人間を一方的に被害者に描かず
悪意は社会で連鎖していくことを描いた点は人間に対する洞察力はさすがだと思います。
口清い事ばかりの偽善に堕ちないところ、誤魔化さず、
冷徹に人の本性を見つめようとする姿勢は作家らしいと思います。


【3話までの流れと常守朱について】
1話の構成は素晴らしかったです。世界観を描き、
キャラクターをキレイに配置してみせました。
諸説あると思うのですが私なりの虚淵さんが描いた常森朱のキャラクター造型を考察してみます。

自身の感情に依って行動するタイプだと思います。
人の感情を参照するのではなく、
価値観のすべてを自身の感情によって決める機能が優勢な女性の設定かなと。
カレーうどんを食べるのも自身の好みや生理に素直に従って生きるタイプだから。

しかし、一件、空気を読まないように見えますが、社会規範には忠実な現実派で、
入室の際にいわゆるリクルートスーツに着替えたり、
TPOに合わせた服装を必ず事前に検討しています。
派手でも独創的でもない。常識的な服装をしています。
独創的な恰好をしている縢秀星と逆ですね。
新入りで監視官という立場もあるでしょうが、立場に合わせた服装をしようとしています。
自身の感情+社会的な行動は世間の基準に合わせる、という2大機能が優勢で、
つまり巷によくいる女性です。一般的な女性だと思います。

この自身の感情を優先するというと何か社会不適応者のような書き方ですが
自身の感情を優先する人は極めて道徳的、倫理的な価値判断が速い傾向があります。
女性専門のスレなんかこのタイプの人であふれていますw
怖いからあまり見たくないけどw

1話で狡噛慎也を撃ったのは常森朱の判断ですが、
彼女はシビュラシステムの判断ではなく、自身の判断で被害者を助けようとした。
最終的にはそれが正しいことが証明されるのですが
実は自身の道徳観、倫理観によって判断するというのは
社会にとってかなり重要な機能を果たす人間である場合があります。

これを映画で描いていたのがオリバー・ストーンです。
例えば『プラトーン』ではゲリラに追い詰められて
村人を虐殺しようとする兵士を止めるシーンがあるのですが
戦術的合理的判断から言えば、
ゲリラ支援をしているであろう村人を殺すのは最短で成果を上げる方法でしょう。
組織的な命令が下れば、命令に従うのが「良い兵士」です。
しかしエリアス軍曹は抵抗します。
組織の命令よりも自身の道徳的判断を優先したわけです。
システムや組織が極限状態に陥った場合、
こうした自身で判断する機能を持った人間が反旗を翻すことは、
「果たしてそのシステムは正しいのか」という
疑問を投げかける重要な役割を果たします。
自身の感情によって判断するというのは人に対する好き嫌いを定めるだけでなく、
人間社会にとってその判断は倫理的、道徳的であるのかということを検討する機能でもあるので
常守朱はこの場面ではシビュラシステムに反旗を翻したわけです。

しかし、彼女にはもう1つ重要な特徴があります。
抽象的思考の世界に生きるよりは、現実の世界に適合して生きていこうとする面です。
本も読まない、読む必要がないからです。
大切なのは現実世界に適合することです。
思考機能が弱いタイプですね。
だから、世界の仕組みがどうだとか、シビュラシステムは間違っているとか
そんな無駄なことは考えない。
シビュラシステムにとってもっとも扱いやすい「従順な子羊」なのです。
現状の社会システムについて深く考えない、疑念を抱かないということで、
彼女はシビュラシステムから最高評価を貰える人材なわけです。
やや皮肉を言えば知的に考える動機もないですから。

2話で常森朱がアバターに相談していたのは職場の人間との「関係性」です。
彼女の悩みは半径数メートルの関係性に限定されるのです。
まさに自身の感情+社会規範で生きるタイプだと思いました。
ただこういうタイプは歳を取ると問題が出てくるのですけどね。
モノを深く考えないというのは、社会の歯車の一員としての効率は良いですが弊害を産みます。
底の浅い人間のまま歳を取る危険があります。
彼女がよりよく自身を見つめるには、人ではなく世界を構造から見つめることです。
半径数メートルの関係性だけの世界からもっと大きな世界を見る必要があります。
世界の仕組みとは何か、シビュラシステムに動かされるとはどのようなことなのかを
深く洞察する必要があるのですが、抽象的な思考が苦手なタイプとして描かれているので
やらないんだろうなあと思ってみていました。

ちなみにですがドラマ『グットワイフ』の日本版脚本家である
篠﨑絵里子さんはアメリカ版と変えてこのタイプの女性を主人公に据え
「中年期の危機」に陥った男女を描いていました。
世界の仕組みを作る男と世界の仕組みに興味がない女であり、
関係性つまり夫の浮気にしか興味のない女の対立軸を用いていました。
このドラマの最終で夫婦は双方考え直すのですね、自分の今までの生き方を。
お互いの世界の一端を知ることで。
このタイプの女性脚本家にとって、興味を引かれるテーマなのでしょう。
中年期の危機とは今までのやり方が通用しなくなり、
自分を見つめ直すという時期でもあると
心理学的にも規定されることがあります。


【狡噛慎也について】
一方、狡噛慎也は男性によくいるモデル像です。
さすがに虚淵さんは観察が細かいですが。

知性派なのですが、彼も常森朱と同じく社会規範を重視し
現実に適合しようとするタイプに設定されていると思います。
抽象的思考よりは目の前の現実なのです。
しかし一方で知性派でもあります。
狡噛慎也と常森朱は同じ課題を持っています。
しかし狡噛慎也の方が知性的ですから
シビュラシステムの全体像や構造性を掴むのは容易でしょう。
あとはその得た推察と自身の知性を使ってどうするかですが
如何せん現実に適合、社会規範を優先しようとする自身の性に流されています。

狡噛慎也は自身で考える知性+社会規範を重視するタイプです。
組織との適合性が高いので
軍人、警察官、職人に多いのですが、口下手で感情表現が下手な人が多い、
手先も器用で運動能力が優れている面が各所で示されます。
反動性も強く、危険を顧みない点もあります。
物事を自身で考える能力は高いので、シビュラシステムの欠点にも気が付いています。
このタイプの人は目敏いですから。
知性優先で感情表現が下手な割には気心の知れた仲間には気を許す一面があり、
常守朱とも信頼関係を結びます。
典型的な一匹オオカミの癖に人懐っこい一面もある。
しかし、現実に適合しようとする部分があるのでシビュラシステムに逆らうことはしない。
「飼い犬」だと自嘲しています。
狡噛慎也は持ち前の高い知性と現実に適合し
社会規範に合わせて生きていこうとする2つの矛盾した特徴の間で悩んでいます。
自前の知性が勝てはこのタイプは無頼になりがちです。
まあ、虚淵玄氏が好きなタイプでしょう(笑)
3話までしかまだ見ていないのですが
シビュラシステムについての是非を問うなら、
常守朱より知性的な狡噛慎也の方が虚淵玄氏の作品にはふさわしいかもしれません。


<<<<<<設定ついて雑感>>>>>>

【進む監視社会化】
このアニメの世界観はAIによって管理統治される世界に近くなっています。
シビュラシステムの価値判断の仕組みや過程がブラックボックスである点も気になります。
判断の仕組みがブラックボックスである点は
AIのディープラーニングの仕組みに近いのは面白いです。

確かに治安を維持するための監視カメラは異常に増加し
監視社会化は進んでいると思います。
AIの発展によって監視カメラの顔認識、行動認識の技術は飛躍的に向上しました。
特に中国、ロシアのような共産圏は国家が個人の顔データを集めるのに障害はありませんから
豊富なデータの蓄積もあって非常に精度の高い顔認識技術を持っています。
皮肉なことにアメリカ等の先進国より、
問答無用に強権を発動して中央に情報を一点に集めて管理する国の方が分析の技術力が上です。
そういや少し前にアメリカの顔認識ソフトで人権委員会の議員28人を審査したら、
半分以上前科持ちの誤判定が出たという「それ、何のギャグ?」てな話もありました。
監視社会化という一面は確かに共産圏のような国だから発展したという見方はできます。

ただ、AIによる信用度スコア判定や個人の信用情報、行動情報の集約、蓄積については別であり
ここも「共産圏だから」「治安維持のために監視されているから」という見方をすると、
今後世界の大きな変化を見逃すと思っています。


【可視化が齎したもう1つの影響】
中国の馬氏率いるアリババがやったのは徹底的な可視化です。
小口預金や決済を中心としたリテール部門というのは、実は投資市場から除外されていました。
資本が少なければ株式や融資斡旋の手数料さえも払えません。
仲介人の労力を考えると一部の潤沢な資金を保持している人のみが
投資市場に参入できたのです。これが格差を拡大させた一因でもあります。

アリババがやったのは、流通部門と結託したこの部分のAI化です。
小口の決済情報をデータ上で積み重ね、
中小企業が50ドル程度の小口融資を多方面から受けられるようAIによって信用情報を自動化しました。
資金が得られるその代わりすべての取引情報がAIによって可視化されます。
個人情報もです。信用に足る行動の持ち主かということまで可視化するために
自転車のレンタル決済情報まで信用情報が仲介の金融機関に渡されます。

ユーザーは監視社会だから自分の個人情報を強制的に徴収されたのではありません。
むしろ利があるから自ら進んで自分の情報を公開し、公開することによって
小口の融資を多方面から集め、
それによって金融機関から信用がまだない人は
ベンチャー事業を起こす資金を得ることができた。
小口の融資も個人の決済情報を公開することで受けることができる。
例えば自転車のレンタルまで真面目に返している人は
行動原理の分析から信用度が高いとAIにみなされるのです。
AIから自動判定されて受けられる小口融資によって生活が少し楽になるのです。
中国のキャッシュレス決済は日本の財務省の統計では
2013年の3兆円から2017年には300兆円に膨れ上がっています。

この信用情報の中身は色々です。
本や自転車のレンタルといった小口決済情報だけでなく中にはweb閲覧記録から、
どのような傾向を持つ人間か行動から対象者を分析しようとしているものもあります。
年齢、職業は言うまでもなく、勤怠記録も分析対象です。
可視化されることで「信用度」が容易に数値化され、
資本を持たない人も資本側に参加できるようになりました。
巨大な中央監視機構のいっちょ出来上がりです。
非常に皮肉ですね。共産主義の平等理想は資本主義的の行動の徹底から体現されるという点が。
まあ、皮肉なことにどちらも合理性を突き詰めることがその神髄ですから
当然の帰結かもしれません。
私は、合理性中心の人間と集産主義には不信感しか持っていませんが。


ただ、怖い一面があります。
もし、倫理観を持たない人間が情報を我が事のみの利に利用したら?
中国の問題例はわかりやすいでしょう。書くまでもありません。
一方、この警鐘を日本で鳴らしたのが
内定辞退確率を売買しようとした「リクナビ」問題だと思います。
高度な情報化社会、第4次産業革命に入る前にこの社会で受け入れられる
「倫理」とは何かについて考えなければならないとは思います。


話がそれましたが、このアニメで描かれた未来は「可視化」された社会です。
すべてが監視カメラに記憶され、人はシビュラシステムによってコントロールされている。
一方で、「人の心は見えないもの」という古典的な見地に立っています。
本来見えないはずの人の心を
AIだけ「見える」ものとして扱っているところに怖さがあるというアニメです。
実際、様々な行動からうかがい知れる人の認知モデルを
コンピューター上で作成し、更に発展させて推論モデルを作り
物事を自動制御しようとする動きは近年は盛んです。
AIのディープラーニングのネットワークニューロン層は
最近では2,000層まで行っているらしいです。人間の場合は5~6層です。

進みゆくAIの認知システムから取り残される人間の認知を描いているというのは
今となってはかなり面白いんじゃないでしょうか。


※もう1つ
信用情報が可視化されるということは、信用を代替していたお金もあり方も変わりそうな気がします。
この辺りはわたしの想像力では無理ですが、AIによって仕事が失われるという巷の説よりも
もっと斜め上の大きな変化が起こりそうな気がしているのは私だけですかね。
そうでもない気がします。

投稿 : 2019/10/18
閲覧 : 267
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2

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ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おもしろい!

観はじめて、直ぐにハマり、一気に観てしまいました。
グロいシーンでけいえんする方もいると思いますが、自分は気にせず、楽しく観れました。
主人公の成長、狡噛のかっこよさ、泣けるシーンもかっこよいシーンも満載で、物語性も良かったです。
善し悪しの二元性だけでなく、第三の存在への抗いのストーリーで、物語性が深いのがはまった理由だと思います。

視聴する場合は、新編集版→二期→劇場版が良いと思います。
本作と新編集版は、どちらか手に取りやすい方を視聴すれば大丈夫ですが。

投稿 : 2019/10/01
閲覧 : 387
サンキュー:

29

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友メロンパン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

違和感

{netabare} 物語の進展とともに善と悪、生と死、現在の社会の在り方など色々描いてきたように思えますが、「???」って感じでした。私の理解が及んでないだけかもしれませんが、シビュラの説明シーンでは難しい用語を羅列しまくって視聴者を煙に巻いているとしか思えませんでした。{/netabare}

投稿 : 2019/09/25
閲覧 : 380
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19

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rFXEy91979 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

血生臭く容赦も無いけど、必見の価値ある傑作!

#01「犯罪係数」
{netabare}やはり思う!面白かった!!

特異な世界観設定を非常に丁寧に紡ぐ手法、『踊る(大捜査線)』の本広監督による、警察ドラマの要所のツボや、炸裂する虚淵玄の三重仕込みのどんでん返し。国民的作品ゆえに『踊る』は制約もあったと思うが、ここでは一切合切の、制約なんかはまるで無かった。むしろ『踊る』でやれないことを、やっちゃっていい自由に(当然限度はあるはずだけど)、異業種揃いが得意分野で舵を握った好例だった!恐ろしいほど容赦もないし、とにかくすべてが最高だった!

かれこれ20回以上はゆうに超えてる視聴だけど、時が経つ度この作品は絵空事になってくれない。むしろ危惧する事態さえも予見しているような気がする。そんな意味でも『サイコパス』には魅力されてしょうがないし、進んで自ら『サイコパス』のバカになるのもしょうがない!そんぐらいに導入として、パーフェクトな出来映えでした!

ちなみにもしオススメするなら、動画配信サイトで是非!『ブレードランナー』が良い例ですが、初放送とBlu-rayには違いがそこらに散見していて、その違いを探す意味でも初放送版は必見です!初放送版は、対象者の断末魔の叫びがあるので(あるなしで印象変わる)。{/netabare}

#02「成しうる者」
{netabare}流暢さと派手さに富んだ1話の後だと、地味には見える。でも改めて拝見すると、誤りだという箇所もあった。

例えばそれぞれ寝ていた狡噛、朱を交互に映したことで、あの一件から一夜が明けた。何が起こったか思い出させる。

陰鬱な気持ちのままで友達と会話をしたり、当直に向かった先で、再確認する自分の決断。で、それがどう影響を与えて、どう受け取ったか?それにますます凹む朱に、周りも色々動いてはいる。

この回って言ってしまえば、"新人ゆえの"ミスの連発、ミスからどう自分は学んで、何を応用できるか否か?新社会人だった人ならスゴくグサッって刺さると思う。何しろ朱は捜査で一回、対話で一回やっちゃってるから(劇中)。

ただ撃たれた狡噛だけは朱の行為を尊重した。かつて自分が同じ立場…だったからこそだとしても、それを許して認めてくれる。そりゃ嬉しくなっちまうよ。

動きに乏しいカットもあるので、第1話には及ばなくても…それでも非常に良いところを、ちゃんと紡いで好感でした!

いや2話って大変だなって、何か最後に思いましたし(笑)。{/netabare}

#03「飼育の作法」
#04「誰も知らないあなたの仮面」
#05「誰も知らないあなたの顔」
#06「狂王子の帰還」
#07「紫蘭の花言葉」
#08「あとは、沈黙。」
#09「楽園の果実」
#10「メトセラの遊戯」
#11「聖者の晩餐」
#12「Devil's Crossroad」
#13「深淵からの招待」
#14「甘い毒」
#15「硫黄降る街」
#16「裁きの門」
#17「鉄の腸(はらわた)」
#18「水に書いた約束」
#19「透明な影」
#20「正義の在処」
#21「血の褒賞」
#22「完璧な世界」

投稿 : 2019/08/19
閲覧 : 361
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3

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ひな花凛 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

久しぶりに心が抉られる作品を見た

世界観が好きだ。ある観点から見れば理想の世界、そして違う角度から覗き込めばそこは立派なディストピア。
潜在犯、執行官、監視官、シュビラシステム、サイマティックスキャン、サイコパス。社会構造について良く練られていると思う。あちらこちらに「ああ、本当に日本は未来ではこうなるかもしれない」というリアルさがちりばめられている。
主人公は視聴前に抱いていたイメージとは大きく離れて非常に頭脳明晰で回復力も桁違いのバケモノ級の凄い奴。また頼れる同僚達はそれぞれキャラが立っており、しっかりと存在感を見せる。てっきり主人公かと思っていたヒロインも、物語が終わりに近付くにつれ成長ぶりが著しく(中の人の演技も相まって)格好いい姉御肌に変貌。


しかし虚淵氏は容赦がなかった。

全話視聴直後にこれを書いている。書きたいことが沢山あるはずだが、とりあえず征陸ハザードが収まらない。犯罪係数うなぎ登り。色相濁りまくり。ぶっちゃけしんどい。
縢ハザードもなかなかだったが…そうか、親子だったのか…。
こんなに苦しく切なく涙が止まらなくなるなんて思いもしなかった。PSYCHO-PASSは思いの外えげつない作品だった。

氏は本当に容赦がない。
だがそれが良い。


繰り広げられる頭脳戦、暴かれる黒幕、問われる社会構造、仲間との死別、離反。
正義とは?悪とは?という命題はとても好みで非常に興味深かった。
しかし総じて結構目を覆いたくなるようなシーンが多くあり、多少のグロ耐性は必要だと感じた。

それにしてもこの作品のスタッフはすごい。キャラ原案・総監督・脚本・キャストの面子はさることながらここにEDでEGOISTをぶち込む勇気。どういう集め方をしたらこんなに豪華な布陣を敷けるのか。イシグロ氏や山本氏のお名前もエンドロールで拝見してテンションが上がった。個人的には夢のようなオールスターだ。

この後、シュビラシステムとの関係性はどうなるのか?狡噛は?朱と新人との関係は?気になることも多い。
心の中できちんととっつぁんとのお別れをし、私のサイコパスが正常な色に戻った頃合いを見て2期に進もうと思う。
それまで泣かせてください。

投稿 : 2019/07/23
閲覧 : 364
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3

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vWSHY97287 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

かっこいい

今まで見てきたSFアニメの中でもトップクラスに面白かった。

投稿 : 2019/07/17
閲覧 : 210
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1

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フウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

難しいアニメだねぇ

まず、SYCHO-PASSの内容を軽くまとめると、刑事と犯罪者の戦いをSF風に落とし込めた作品です。前半は、本作のボスが仕掛けた、ゲーム感覚で殺人を楽しむ犯罪者達と公安局のデカの戦いで、そこから物語が展開されて行きます。個人的に、この作品は犯罪と法という難しい課題を掘り下げている所に心を打たれました。あとは本当に世界観が素晴らしい

投稿 : 2019/07/16
閲覧 : 228
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7

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nan-nan さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

オススメされて観ましたが…。

オススメされて観ましたが「最高」
この一言以外に言葉が出ませんでした!

ストーリーも素晴らしかったのですが、キャラ萌えも凄かったです(^^♪
特に櫻井さん演じる槙島様は神でした✨
それ以外でも、石田さん演じる縢君
沢城さん演じる唐之杜さん…。
声優陣が豪華過ぎて鼻血モノでした!

残念ながら2期は…。でしたが、1期は間違いなく神アニメです!

投稿 : 2019/06/27
閲覧 : 212
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4

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大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

守るべき法が悪だった場合は、はたしてどうすればいいか

1話感想:
作画は高品質。
SFな世界観が面白いですね。男たちが格好いい。
事件の描写などは残虐ですが、まだまだどん底まで落ちる描写などを期待しています。

全話感想:
途中変なところも見られますが、なんだかんだ言って面白かったです。
内容も考えさせられます。

守るべき法が悪だった場合は、はたしてどうすればいいか。
単純な少年漫画なら、とりあえず悪いやつを倒せばハッピーエンドですがそういうわけにもいかないし、と。

悪法もまた法なりと従うのが正しいのでしょうけどね。
現代社会に生きる我々には一見変に見えても、そういう社会になったのはそうなるだけの理由があるはずで、社会の秩序を崩しては結局世に混乱を招くだけなのは確か。
実際悪法だって言うなら皆が変えようと思うはずで、そうなったら法律が変わるのが民主主義ってものなんですよ。

続編も作れそうな内容なので楽しみです。まあこれで終わりでも綺麗にまとまっていると思いますが。

投稿 : 2019/05/11
閲覧 : 232
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8

ネタバレ

ダークフレイムマスオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

節目で王道作品レビューすると宣言したのでそろそろまとも(?)なレビュー書いてみようか、今回は初心にもどりレビューしてみよう一興、戯言でもええわ。ささった作品は何か伝えたい

今回は数作品の作品ネタバレとダスオ節出しまくりですので迂闊に御覧なさった方にはあらかじめレビュー読まないことをお勧めします!(真面目に書こう!お約束のフリですw)ちなみに2期、劇場版もまとめてのレビューです。周回は当然忘却ですw。

平成が終わりを告げる鐘が鳴るのももうすぐです。近未来を描く作品ですがこれから直近に起る現代社会、いや、既に片鱗が出てる社会を痛烈に風刺してると捉えるのが個人的な見方になってます。

元号自体は日本だけになってしまいましたがこれから私たちは何に向進する社会になるのでしょうか?不惑という年齢を経過したにもかかわらず未だに変化に追随してない感があります。

昨年末に「終物語」で相当長いレビューしました。リーハイを引き合いに出させてもらいましたが、この作品の主人公も己の信念を元に行動する点ではドラマのヒロイン(黛真知子)とクロスオーバーしてます。が、こちらは朝ドラヒロインなどと揶揄される要素は皆無です。むしろ
「君は神か?」
と思えます。これは誇張表現ではなく素直にそう思います。

サイコって何でしょうね?善良って何でしょうね?問いがずっと続きます。ストーリーの表層では罪を犯してる犯罪者がサイコパスということになります。表現的には猟奇的であり残虐でもあります

が、視聴してるとこの作品の世界自体がサイコパスだと思います。根幹からして違うというのは世界自体が間違っているのが作品テーマと思います。悪の感情を持たざる精神、法を犯さず生活を送るのがこの世界の日本における善良です。機械でカウンター越しにそれを測定されます。数値が異常ならこの世界では潜在的犯罪者や犯罪者になります。排除対象もしくは強制治療対象です。それ以外で残ったものが社会を形成する理想郷です。

素晴らしい!人生という自由選択を放棄し、何かに導かれるまま一生を終える。何かを変える意思ももたず人生というストーリーを演じる。(ん?これって下セカレビューでも言ったような気が。おっさんだから許して~w)

この世界の一般人はレールガンSの御坂妹です(救済前の)生まれたばかりの彼女等は刷り込みにより自分は実験動物と思いその意味を正しく理解しており単に言うならロールプレイングゲームのNPCです。(未視聴の方いたらすいませぬ。)

転換しましょう。悪を裁く英雄、ヒーロー。軍人、でさえもこの作品の世界においては潜在的犯罪者の烙印を押されます。それすら超越した主人公は神でしょうか?否、この世界における犯罪者とは人としてあるべき姿そのものです。当たり前に存在するものであると思います。描き方、表現は過激でモラルを逸脱ですが法に触れてる以外は人の本能として持っていて然るべきものと思うのです。サイコ野郎の戯言、妄言です。
...いかん!ちょっと箸休めだw

ダスオちゃんらしくない!よ~し右腕の暗焔龍に聞いて何かねじ込もう!

「なんかやばいよ~。らしくないことすると息継ぎしないで水入れた洗面器に顔つけて麻雀打ってるみたいだよ~( ゚Д゚)」
「なんや、もうギブかいな。トップレビュアーさん見てみい。みんな同じ想いでレビュー書いとるんやで。われもこの作品レビューしようと思ったのは節目に爪痕残したいんとちゃうんか?」
「そうだよ~。でも…」
「なら、デモもストもあるか!穿ち貫くのが漢やろがい!ごちゃぬかさんとやってみせんか!」
(わしこの前オネエキャラに挑戦したんだがな~。ハートブロークンだわ。)
「...」

自分の右腕に怒られてしまったw寸劇終了

こうでもしないと自我崩壊招くぐらいの思考のドツボにはまるぐらい好きなんですよ~。そういうのもひっくるめて未視聴の方にはぜひ観ていただきたい作品であります。グロいのだめっ!ていうなら残念ですが見ないでください。無理強いはしませんが世界観は知ってもらいたいです。

あ、劇場版はゲームのバイオ2にラブストーリー要素が絡むが感想ですがこの後の劇場版には期待してます。(こんだけかい!って言われそうですがしゃーないもんそういう風にしか思えなかったんです。)

超話題替えw
「テトリスって知ってますか?」憶測ですがゲームというものを絶対しないという方以外なら多分ご承知だと思います。では「TGM3 SHIRASEって知ってますか?」と言ったら「えっ、なんですか?」ではないでしょうか。ゲームへたっぴな私も6分ぐらいのクリア動画見たインパクトは絶大でした。感想はなしよ!単純に人ってスゲーなだけです。(決して人間卒業、神になれておめでとう!とか、お、思ってないんだからねっw)世界って広いのは知ってるつもりになったと思ってでいても自分の尺度で物事をはかるのは危険だと常々肝に銘じております。

またアニメ例えするならレールガンSの御坂妹と布束砥信の会話は常に心に持っておきたいものです。
布束がクローンを表に出すワンシーンです。
感想を言う御坂クローンが最後に呟く
「…世界とはこんなにも眩しいものだったのですね…」
これがターニングになります。
無粋なので説明はしませぬ。

何かを言わないのは何も言わないよりも残念です。色々な場合沈黙は金ですが、あにこれでは、それが自分で稚拙だ。何も変わらないじゃん?と思っても誰かに何かが伝わり考えを覆す起点になると思ってます。原理、原則、経験則が私の基準点ですが若い才能はそんなものを凌駕するものだと思ってます(レビューなんか目じゃねーぜ!あにこれ席捲ぐらい秒殺だわ!ぐらいの人出てきてもらいたいっていう願望ですよ)

「そもそも才能なんてものはな、自分で掘り起こして創り上げるものなんだよ。」

伊東四朗さんのドラマ中の台詞です。(リーハイ2の8話、30分ぐらいから)中略ですが興味ある方はご覧ください。トップレビュアーさんのランナーぶりは下から見上げ「あの人は天才だから」と思ってしまってる方には是非考えてほしいものです。そしてあにこれという場で貴方の些細なレビューやメッセージを述べてもらえれば幸いと思います。

令和を前に貴方に鐘が鳴らんことを祈り、
とりとめない駄文読了に感謝します。

令和元年みんなで楽しみましょうね!

投稿 : 2019/04/18
閲覧 : 346
サンキュー:

17

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さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

未来形刑事ドラマ

頭があっぱらぱーなので完全に理解はできていません
引用セリフとか

少し違うけど地球へ的な
コンピューターで統括されているような未来の日本で、その真相を主人公は知り、嫌悪したけれども同時に、この世界の平和には必要だとも理解していて、地球へと違い壊す事はしない終わり方でした

最終的にどうなるんでしょうか
それが気になります


(感想メモ)
・思ってたよりグロかった
・主要キャラが死ぬ感じなのね...
・カガリくん死んだのつらい...マサオカさんもほんと...やめて...
・でもマサオカさんが亡くなる時のギノザさんめちゃカワ...って思っててごめん
・OP、EDが変わったりするし意味深なので気が抜けなかった
・ちーちが「あかね!」って言ってたのにちょっとふおおと思いました
遙かなる時空の中で...
・22話のコウガミとマキシマの最後、めっちゃ美しかった...好き...
2人の男と男の戦い良かったです
ホモ的な意味でなく純粋に、胸が熱くなった
・最近特に思うけど、やっぱり生身の身体、自分の頭、精神って本当に大事だなぁと思う 言い方変だけど
誰かに言われたからとか、決められてるからとか関係なく、自分で考えて、誰のせいにもしないで、自分の力でちゃんと生きていければなぁ...

投稿 : 2019/03/25
閲覧 : 316
サンキュー:

5

ネタバレ

きつねりす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人は人を信じていたい

新作ができるということで復習一気見。
リアタイでも見ていましたが、やはり見直してみてキャラの背景やこのアニメが問うているものへの理解が深まり、有意義だったと感じました。
面白かったと思う点を何点か挙げます。

・周辺人物の関係性
仕事の関係上監視官と執行官という上下関係があるものの、教わることは圧倒的に執行官からの方が多い。それは長年の現場経験だったり、元監視官としての嗅覚の鋭さだったり、あるいは持たざる者の嘆きであったり。主人公・朱も次第にタフになっていく様子が描かれ、信頼を置かれる監視官として成長していく姿はなんだか感慨深かったです。監視官だった狡噛が犯人を追いかけるうちに潜在犯扱いされるというのも「正義も一歩間違えば悪になる」という訓示が込められていて見事。狡噛と朱の切れ者コンビ、宜野座と征陸の親子コンビは槙島の一件で戻らない関係になるが、それによって成長した残された人たちが意志を継いでいってくれることでしょう。泣けるなあ。

・悪の正当性
今作で追い詰めるべき悪として描かれていた槙島も完全に頭のおかしい奴ではない、というところもポイント。やり方として結局胸糞悪い殺人犯を生み出すわけですが「シビュラ」というこの世界のシステムにすべての信頼を置いているからこそ、それが安全と認めた赤の他人に対しての危機意識が薄れてしまった世の中に対しておかしいと一石を投じる姿は至極全うでもある気がします。システムの不完全さ、そしてそれに守られていた人間の脆さというものを露見させながら「正義の守るものは果たしてこれで正しいのか?」と問いかける知能を持った犯人としてこのストーリーを面白くしていました。物語の途中で「槙島がなぜ犯罪を助長するか」という問いに対して、狡噛が語った「世間(=シビュラ)から無視されたからこそ自分の存在に価値を見出したくなった」という推論も、死の間際に宿命の敵と互いを認識していた狡噛から「自分の替えはいない」という言葉を引きずり出せて笑みを浮かべたことから納得がいきました。孤独だったんだね。張り合いのある人間、いわゆるライバルがいるからこそ生きている価値が見いだせるというのもあるのかも。

・存在するルールを守るということ
「法で裁けないなら法の外に出ればいい」とは狡噛の言葉ですが、朱もまた物語の中で自分の守っているシビュラというシステムに対して疑問を持つようになります。こんなのおかしいと口では言いながらもそのルールを自分の手で壊してしまうことは出来ない朱。犯罪の連鎖を生む元凶をシビュラのルールで裁けないことに直面しながら、その恩恵を受け安心して暮らしている人たちのことを思うとそれを破ることは出来ないという心の葛藤を描いた20話は神回だと思います。自分では力の及ばないことを知り、シビュラの中で自分なりの正義を貫こうとするそれからの朱の言動は惚れます。カッコよすぎ。

・人は誰も善人になれるという根底
朱の根底には「人は立ち直ることができる」という考えが存在していると思います。最初のシーンでも事件に巻き込まれて精神が不安定になった人に対してシステムから「世間から排除されるべき人間」とされても善人として更生する可能性を捨てなかったし、最後の狡噛が殺人者として立ち振る舞おうとした時も銃を握らせようとしなかった。決定的な抹殺のチャンスで友人殺害の恨みを持っている槙島に止めを刺さなかったという点からも何かそういう部分を感じます。最悪の犯罪者であっても、もしかしたらこの人も必要な人間なのではと思う部分もあるといったような。朱の中に常にそういう信じる心があるからこそサイコパスが濁らないのかもしれないし、犯罪者・潜在犯であっても性根を正すことができるかもしれないと思える考え方が今作の救いの部分なのかもと思いました。


使っている言葉も引用先も知性を感じる作品なので、作品自体にも難しいオーラが漂っていますが、本質的な問題を問い直すからこそこれだけハードコアなものが出来上がったのだろうと思います。無法地帯の混沌、時代錯誤な考え方の是非、生きる意味、自分の価値、命の重み・・・そういったものを描く素晴らしい作品だと思います。

投稿 : 2019/01/25
閲覧 : 311
サンキュー:

7

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

完璧を求める故の矛盾と本能の戦い

1話衝撃的な幕開けですよね。リアルな表情の作画に驚きました。もう、実写といってもいいくらいの迫力で。

犯罪の怖さから守るべくして生まれた管理社会。絶対的管理の元に現れた異質な存在との戦いは、管理社会のルールに従うと負ける。葛藤しながらも主人公含めてどのように制していくのか真理に迫るものがありました。

近未来SFですが、犯罪自体は現実でも起こりうるものばかりで、考えさせられますよね。

キャラクターそれぞれの個性も魅力的で、一見すると特徴のない主人公ですが、それがまた現実味を帯びて、視聴者も同調しながらみれたのかなって思います。

先が読めないアニメって数少なくなってきてるのでこういうアニメは後世まで残したいです。

投稿 : 2019/01/09
閲覧 : 252
サンキュー:

4

ネタバレ

てとらび さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

厨二心を揺さぶる世界観@とっつぁ〜〜ん

近未来系の作品。シビュラシステムという機械ひとつに善悪の判断を任せた世界において、その機械に善と映る悪をどう裁くのか。何が善で何が悪か。こちらまで考えさせられる作品だす。
また、登場人物全員キャラが濃すぎる。言ってしまえば、"狡噛慎也"と"槙島聖護"の2人だけで成り立っていると言っても過言じゃない、、、過言かもしれないです。だけどそれくらい魅力溢れるキャラが多いね。
あと、ドミネーターの声めちゃんこ好き。

投稿 : 2018/12/17
閲覧 : 257
サンキュー:

5

ネタバレ

World さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

テーマと設定の相性200%

シビラシステムという設定が素晴らしい。犯罪係数の計測は、昔から散々転がされたネタだし、現実世界をコンピューターが管理している設定にも既視感がある。
ただ、それらを組み合わせて無理なく調合している。
しかも、その2つの設定が無理なく合わさって、より深みが増している。

そんなディストピアな世界。主人公サイドと槙島サイドの2手に分かれて話が進んでいく。

そこで素晴らしいのが、両視点ともに芯がぶれていない点だ。
主人公サイドは、シビラシステムに懐疑的になりながらも、友を奪われたという共通項を頼りに行動していく。
槙島は、シビラシステムに囚われる事に否定的で、この世界に絶望しているが、人間の可能性を追い求めている。

槙島の魅力は、哲学チックな言動や華麗な身のこなしもそうだが、何より何だかんだで人間臭かった点だろう。
結局、こんな世界は嫌だ。自分の存在が否定される世界は嫌だ。という、少年が抱きそうな些細な苛立ちから、哲学という武装をして、使命を自分に科せていったんじゃ無いだろうかと思う。
私達からすれば、シビラシステムに支配されている世界は病的だし、槙島の感覚はある意味正常だとさえ感じる。だから、見ていて不愉快にならない。

まさに、狡噛、常守と槙島は戦うべくして戦ったのだと、納得できる。


ただ、常守と狡噛より、槙島の方がキャラが立っていたという点だけは、少しだけ気がかりではある。


それでも、ストーリー、設定、演出等全てにおいてハイレベル。 非常にオススメの作品だ。

投稿 : 2018/10/03
閲覧 : 251
サンキュー:

12

ネタバレ

acha さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

見処は最終話
風の音、沈み行く夕陽、流れる雲、美しい旋律
デビッド・フィンチャーの『セブン』を思わせる物別れ
いや、狡咬と槇島の場合はわかり合えたからこそ
あれ以上混ざり合わないあの幕切れが相応しい
光と影と音の美しい調和が、残酷さ救いの無さを
見事なまでに制している

投稿 : 2018/08/22
閲覧 : 231
サンキュー:

5

ネタバレ

プラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

考えさせられる作品

論理的思考・哲学的命題が好きな人にとっては見ててワクワクする作品である。


このアニメが描いている世界は将来やってくるかもしれない世界であることが、よりリアリティを持たせているのだろうか。シビュラシステムは人間の脳の集合体であったが、これがAIに置き換わって実現する可能性は充分にある。

善悪の判断基準・優良個体だけ選抜する単一性・演算処理によって導き出される幸福・人間の尊厳・・・表面的な問いと根源的な問いを考える、とてもいい機会になる。世の中について真剣に議論するがいい。

投稿 : 2018/08/11
閲覧 : 223
サンキュー:

2

ネタバレ

ラグマット さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

全体的に高評価

設定や世界観に違和感を感じるところがなかったわけではないが、全体的に良い仕上がりだった。

アニメというよりは、映画、ドラマのような感覚で新鮮さを感じさせた。特に悪いところも見当たらないが強いていうのなら世界観に矛盾というか違和感が多すぎた。

ディストピアだからといえばそれまでだが、誰一人として得をしないシビュラシステム、欠点と穴だらけな上にシステムに頼りきっているわりには、簡単に妨害されるなど、いまいちディストピアとしても微妙だった。

しかしそれは神の視点から見た場合。

そんな変えがたい矛盾だらけの世界で一つの目的を果たそうとしている主人公の魅力や、手段はともかくその世界を変えようとした槙島の魅力は凄かった。

いずれにしても見る視点を変えるだけで多くのものを感じ取れるアニメでした。

投稿 : 2018/07/27
閲覧 : 224
サンキュー:

5

ネタバレ

miatanlove さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

近未来系アニメの中で特に良かった

執行官3人それぞれが魅力的。
作画が綺麗。近未来感がとても伝わってきた。
音楽も最強で楽しい

投稿 : 2018/05/12
閲覧 : 198
サンキュー:

3

ネタバレ

移リ木うらら さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

なんともいえないよ……

何回も観ようとしては挫折していたPSYCHO-PASSをやっと視聴完了しました。

最終的に、もうなんとも言えないよぉ!!そんなのぉ!!!
っていう複雑な気持ちを抱えてしまったんですけど。
でも作品自体はとっても面白いです。

【みていて気になった言葉メモ】
{netabare}
・槙島が孤独が怖いだけ
→あのラストだと槙島の孤独を癒してくれる存在をずっと探していてそれが狡噛だった。{/netabare}

【以下他作品のネタバレがあるので注意。
 ただの私の感じたことメモ】
{netabare}
【DEVILMAN crybaby】と【<harmony/>】と【虐殺器官】で、全部結末が違うんですけど。こう私は正解をずっと探していて。 PSYCHO-PASSを観て分かったというか、やっと納得がいったのは正解なんてないなってことと。
いろんなことを世界のせいにしないってことは、世界のせいにしたらそれで全部が終わってしまうからなんだなって分かって。
だからこそ批判することとか、一つのことに縛られた考え方だとか、が自分の道を塞いでいくんだなぁ……となんとなく気付かされたので今観れて良かったです。
どんな決断を、選択を自分でするのかということは【選択したこと】そのものに意味があるのではなく、選択をした自分の”心”にこそ意味があって。そこを大切にしていくことしかできないし。結果って操れなくて。だからこそ過程つまりそれを選択する時の心が大切でむしろそこしか人間には選択できない。なぁ……と思いました。
{/netabare}

【本当すっごいどうでもいいこと】
{netabare}
最後の狡噛さんが「あかねぇ!」って名前呼ぶところが声優さんとあかねちゃんの名前のせいで八葉抄になってて笑ってしまった。本当にどうでもいいこと。{/netabare}

投稿 : 2018/04/26
閲覧 : 222
サンキュー:

4

ネタバレ

kolove さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 3.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

槙島

主人公のかっちり感いいね。適性診断に公安出るってことは、正義の意味をその時代にそって考えられてるんだなあと思った。良くも悪くも。
攻殻機動隊とかそこらへんのSF作品が大好きなので観ましたが、なんだこんなもんかという感じ。ハマらなかったなぁ〜

投稿 : 2018/04/19
閲覧 : 219
サンキュー:

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PSYCHO-PASS サイコパスのストーリー・あらすじ

人間の心理状態や性格的傾向を、即座に計測し数値化できるようになった世界。あらゆる感情、欲望、社会病質的心理傾向はすべて記録され、管理され、大衆は 「良き人生」 の指標として、その数値的な実現に躍起になっていた。人間の心の在り方、その個人の魂そのものを判定する基準として取り扱われるようになるこの計測値を人々は、
「サイコパス(Psycho-Pass)」の俗称で呼び慣わした。(TVアニメ動画『PSYCHO-PASS サイコパス』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2012年秋アニメ
制作会社
プロダクションI.G
主題歌
≪OP≫凛として時雨『abnormalize』、Nothing's Carved In Stone『Out of Control』≪ED≫EGOIST『名前のない怪物』、EGOIST『All Alone With You』

声優・キャラクター

関智一、花澤香菜、野島健児、有本欽隆、石田彰、伊藤静、沢城みゆき、櫻井孝宏、日髙のり子

スタッフ

ストーリー原案:虚淵玄、キャラクター原案:天野明、 総監督:本広克行、監督:塩谷直義、脚本:虚淵玄/深見真/高羽彩、キャラクターデザイン・総作画監督:浅野恭司、ドミネーターデザイン:石渡マコト、色彩設計:上野詠美子、美術監督:衛藤功二、3D監督:佐藤敦、撮影監督:荒井栄児、編集:村上義典、音楽:菅野祐吾、音響監督:岩浪美和

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