雲のむこう、約束の場所 - 新海誠インタビュー

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新海誠が語るアニメ作品秘話

雲のむこう、約束の場所

3.新海誠にとっての『雲のむこう、約束の場所』

~僕にとっても好きな作品ですが、率直にいうと反省点もすごく多い作品~

新海さんの目的:
”アニメーション”を作る。1人ではなく、アニメーターと作る。登場人物を3人にする。尺を長くする。

『雲のむこう、約束の場所』は、ちゃんとしたアニメーションを作りたいという想いから創った作品です。
1人じゃなくて、アニメーターの人と作りたいな、と。
内容的にも、『ほしのこえ』は2人だったから、今度は3人にしようと。それで、ヒロキとタクヤとサユリという3人を主人公にしました。

尺も、『ほしのこえ』は22分でしたが、『雲のむこう~』では最終的には90分になりました。実は当初は50分くらいを想定していたんですが、ストーリーを考えているうちにどんどん長くなってしまって。でもそのぶん、結果的に、映画と呼べるスケールに広がったなと思います。
『雲のむこう~』が好きだと言ってくださる方が今でもたくさんいらして、ありがたいなと思いますし、僕にとっても好きな作品ですが、率直にいうと反省点もすごく多い作品でした。

制作後の課題:

『雲のむこう~』では、いきなり普通のアニメーションの作り方に挑戦してみたわけですが、正直、原画の見方もわからないし、演出の仕方もわからないという状態で。スタッフも急に増えて、分業になったことで、今までまったく知らなかった分野に関しても一気に監督として責任を背負い込むことになったんですね。だからもう、ひたすら大変で、なんだかだんだん時間の感覚もおかしくなってきて……。最終的にできあがった作品は悪くないものができたと思うんですけど、僕個人としてはもう息もキレギレというか、満身創痍でした。

なんというか、一気に広げすぎたんでしょうね。スタッフの規模もそうですし、スケジュールもちょっと無茶でしたね。僕もスタッフも何ヶ月もずっと泊り込みで作業していましたから。
だから、次の作品はもっと自分のコントロールがきちんと及ぶ範囲でやりたいと思って、『秒速5センチメートル』に取り組みました。

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