chariot さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

ピュアすぎる中学生のような純愛物。

1クールで放送された「たまこマーケット」のアフターストーリー。
83分の劇場版。

たまこともち蔵の幼馴染コンビの純愛物です。
（うん･･･タイトルでわかるね･･･）

話の筋は王道で特に捻りもなくそうなるだろうね、といった感じ。
･･･なんですが、やっぱり王道で先が見えてても面白い物は面白いんですよね･･･。
いや、王道だからこそ、先にあるのが絶望じゃないのがわかっているからこそ、登場人物たちのもやもやを早く晴らしたい、背中を押したいと思うのか･･･？


高校3年生になり、少しずつ変わっていく日常。
劇場版の短い尺の中でメイン2人の心情に加え、周りの人たちの気遣いまで丁寧に感じ取れる作品です。
ちょっと様子がおかしいたまこに対して、何があったか詳しく聞かず、それでもさりげなく気遣う周囲の優しさが押し付けがましくなくて好印象。

バトン部の活動、進路、恋愛、友達。
絵的な印象が少し高校3年生より幼く見えるせいか、中学生のお話のようにも思えるぐらいの純愛･･･
しっかりしているけど本質は今から変わりたくない子供のたまこが変わって行こうとするもち蔵に答えを出す…
上手く行かないバトンのキャッチ、戸惑いが先行してまとまらないもち蔵への気持ち･･･双方向からの成長を重ね合わせる事で綺麗にラストシーンへと繋げています。

{netabare}隠しすぎず出すぎず。
告白してみたものの、たまこの動揺っぷりに気まずいもち蔵。
自分の気持ちを後回しにして前言撤回する気遣い。
とてもソフトな「押してもだめなら引いてみな」
お前、そんないい男だったっけか？

ラッキーアイテム：糸電話。
たまこマーケットから時々登場する二人の秘密（？）のアイテム。
これを最後にもってくる辺りが上手い。{/netabare}

デラという特殊な存在のあった「たまこマーケット」。
その存在をなくし、ストレートに普通の高校生の青春を描いた本作。
本編を観ていた方が何かと関係性がわかったり、個々の心情に入り込みやすいとは思いますが、これ1本でも十分楽しめる作品だと思います。
カップルでも家族でもお一人様でも、大丈夫！

この先、普通に浮気とかもなく円満な温かい家庭を築いて行くんだろうな･･･と最後まで見通せる王道なラブストーリーでした。


追記：
このサムネ（サントラのジャケ）可愛いね(*^_^*)