「Free!(TVアニメ動画)」

総合得点
82.0
感想・評価
1777
棚に入れた
9013
ランキング
372
★★★★☆ 3.8 (1777)
物語
3.6
作画
4.2
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

確りした根幹の上にある女性向けスポーツアニメ。

【概要】

アニメーション制作:京都アニメーション、アニメーションDo
2013年7月 - 9月に放映された全12話のTVアニメ。

原案は、おおじこうじによる小説、『ハイ☆スピード!』
監督は、内海紘子。

【あらすじ】

水も水泳も好きで才能がありながらも中学1年時から競泳の世界を離れていた七瀬 遙。
遙は、かつての水泳仲間で幼馴染で親友の橘 真琴と共に高校生活を送っていた。

高2の春の新学期、遙の通う岩鳶高校に彼らの後輩の葉月 渚が入学して数年ぶりの再会。
「また一緒に泳げるね!」と言う渚であったが「競泳はもうやめた」と言う遙。

そして、岩鳶高校はプールが古くて使われて無く、水泳部はとうの昔に廃部になっていた。

彼らが小学生時代に通っていて今は廃墟になっているスイミングクラブが取り壊される。
だから、その前にタイムカプセルで埋めた小6時の優勝トロフィーを掘り起こそうと、
渚に誘われて夜中に侵入した3人。そこで彼らは、オーストラリアから帰国していた、
小6時にメドレーで優勝した4人のチームメンバーの最後の1人である、松岡 凛と再会。
昔は明るくよく笑っていた凛は、険がある攻撃的な性格に変わっていた。

凛は岩鳶高校の生徒ではなく、遙を訪ねてきた凛の妹の松岡 江の口から、
兄の凛は、水泳強豪校の鮫柄学園に転入していることを知らされる。
鮫柄学園のプールに不法侵入する3人はそこでまた、凛と出会い、
遙と凛はフリー(自由形)で勝負をする。

それらの出来事をきっかけに、3人は選手として江はマネージャーとして、
長く廃れていた岩鳶高校水泳部を復活させる。
(のちに陸上部の竜ヶ崎怜をスカウトして選手は4人に)

帰国していたものの精神的な理由で水泳部に入部していなかった凛は、
真琴からの「大会で会って、一緒に泳ごう」とのメッセージを留守電で聞いたことで、
「お前らのためじゃねえ!」と言いながらも鮫柄学園水泳部に入部。

大会出場を目指す遙たちの姿、凛の鬱屈など、
スポーツを通した青春の物語が繰り広げられるのだった。

【感想】

原案になった小説は小6児童の物語ということで、
高2から始まるアニメは続編でオリジナルストーリー。

ライトノベルではなくて児童文学であると度々評される原案小説に対して、
アニメならではの独自の解釈と表現が加わったわけですが、
内海紘子監督は只者ではなかった!

氷菓の第7話の「正体見たり」にて絵コンテと演出を担当して、
折木奉太郎がパンツを脱ぐカットを入れて全裸になる脱衣シーンと、
福部里志と二人の温泉入浴シーンにこだわりを見せた内海さんの手にかかれば、
男子水泳という素材は、少年たちの鍛え抜かれた肉体の品評会になるわけですよ?

水泳の筋肉のつきかたとは違うというレビューも見ましたが、
そこは見た目重視で敢えてなのか?キャラデザ時点で気づかなかったのか?

今となっては不明ですが、鍛え抜かれた肉体が躍動する水泳のアクションと、
仄暗い底面から映し出される水面に射す光の表現、波打つ水と動きなどが、
組み合わさって、それが競技シーンの魅力になっている。

スポーツ物は特に運動の描写で会社の地力が出やすいジャンルであり、
京アニの実力を知るという意味では基礎レベルの高さが顕著に出ていますね。

京アニは神作画、京アニクオリティと様々な作品でよく言われますが、
作品ごとにキャラデザのタッチや演出を変えながら最適化する能力があり、
「日常」「氷菓」「Free!」「聲の形」「リズと青い鳥」
などのキャラデザを務めた西屋太志さんは、すべて違う絵柄で表現していて、
本当に本当に本当に本当に、京アニの柱石といえる素晴らしいアニメーターでしたね。

アニメーションが素晴らしいと言えば、水泳部員の紅一点の松岡 江ちゃん。
岩鳶高校の女子の制服はスカートの丈が短いのですが、
しゃがむときは毎回両手でスカートを抑えて中が見えないようにする、
こういう女子のたしなみを当たり前のように表現する動きの細かさに何故か感動したりする。

どの原作でもキャラデザが似通るA社、女性下着を接写で見せつけるのが作風だったりするS社。
などなどアニメ会社も個性は様々なのですが、
中でも京アニのやり方を支持できるのはキャラデザの使い分けやバランス取りが秀逸なんですよね。
そのうえでキャラクターが何を考えているのかをキチンと動きに反映させる。

それは、特定のアニメ監督に限ったことではなく会社の共有の財産として技術継承されている。
「響け!ユーフォニアム」であれ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」であれ、
「小林さんちのメイドラゴン」であれ同じなんですね。

八田英明社長が言う、『夢と希望と感動を与えるアニメを作り続ける!』
その京アニ作品の基幹が、映像の徹底的なこだわりで登場人物を表現していることなわけですね。

キャラクターの話をしますが、
登場人物は均整のとれた肉体美のイケメン揃いなのですが、
そのイケメンたちの多くは、実は非常に繊細で女性的な内面の持ち主ですよね。
繊細だからこそ悩んだり傷ついたりもする。そこを頼れる仲間・友達がいるからこそ、
乗り越えてひとりひとりが昨日の自分より強い自分になれる。

その女性的なメンタルのイケメンの憂いに“わかりみ”を深めたり、
心の曇りを救済する友情に“尊い”を感じ取れるからこそ、
多くの女性ファンが泣いたり作品に魅了されたわけで、
イケメンの半裸や壁ドンなどといった表面的なものだけでなく、
作品のメンタリティそのものが想定されたファン層の嗜好に沿ったという点では極上と言える、
青春エンタメ物として成功するべくして成功したんだなと!
逆にそういうウジウジは嫌いだ!としか受け取れない人には作品を楽しめないと思いますね。

この作品の発表前は美少女アニメに強いというイメージが強かった京アニですが、
今まで会社でやらなかった作風・芸風に次々と手を染めて引き出しをひとつひとつ増やしていく。
その一環として意義がある作品であり、また楽しむには十分な内容であったと思います。

腐女子向けというのは否定できませんが、
普通にスポーツ&青春というジャンルでも推せるというのが、私の評価でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2021/09/22
閲覧 : 544
サンキュー:

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