ムッツリーニ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態：観終わった
あの頃少年だった僕達に送られた傑作
初めてガンプラに触れたのはいつだったか。
私は5歳位の頃に騎士ガンダム物語のカードダスが切っ掛けでSDガンダムのプラモデルを組んだのが最初だったと思います。
その頃は当然知識もないし、綺麗に作ろうという意識も無いわけですから、パーツをランナーから手で引き千切ったり、折れても曲がっても気にしなかったり、合わせ目を無理やり押しこんだりと、随分ムチャクチャな事をしていました。
そこからニッパーやヤスリや接着剤を使うことを覚えて、旧キット→HGときて、中学生の頃にMGに手を出して(当然素組み)からはガンプラから遠ざかっていたのですが、最近もう一度ガンプラ熱が蘇りました。
しかし今度は作り始めると文字通り寝食を忘れてしまい仕事に支障が出てしまうため、余裕がある時にしか作れない始末。
ただ十数年ぶりにニッパーを握った時は、「ああ、俺は本当にガンプラが好きなんだな」としみじみ思いました。
さて、そんな私にガンプラ熱を呼び戻してくれたのがこのビルドファイターズです。
ガンプラを作ったことがある諸兄ならば誰でもガンプラを「ギューン、ドドドッ」と戦わせる真似事(ブンドドと言うらしい)をしたと思いますが、この作品はそのブンドドを発展させてスポーツにした世界で世界大会優勝を目指すという物語。
自分で作ったガンプラを実際に動かして戦うという設定は、かつてブンドドして遊んでいた子供の頃の妄想そのままでそれだけでも嬉しいのに、往年のガンダムファンに向けた小ネタが随所に散りばめられているのが更に嬉しい。ストーリー展開や絵柄は少年漫画的で一見子供向けですが、子供向けであるが故に熱さと情熱がストレートに表現されていて、童心に還る思いに胸が躍ります。
そして何よりも、作品の隅々その全てが「ガンプラが大好きだ」という思いに満ちていて、販促だけではなく本当に愛されて作られているのだと解ります。
昔ガンプラが好きだった人にも今ガンプラが好きな人にも是非観て欲しい傑作です。
