ムッツリーニ さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
神話になれるのは立ち向かった者だけ
奇抜でグロテスクな映像と謎の多い展開によって放映当時社会現象にもなった本作。
昔の友人に「面白いから見てみろ!」と勧められ、小遣いをはたいてレンタルしたものの、抱いた感想は「意味不明で気持ち悪い」でした。その感想は今でもあまり変わっていないと思います。
私の中ではとにかく、キャラクターが受け入れられないのが大きいと思います。
「逃げちゃダメだ」と連呼する割に逃げてばかりの主人公はもとより、性格に難がありすぎるヒロイン二人と何がどうしてそうなったのか知らないがキチってしまった父親。唯一のマトモ枠だと思っていたお姉さんさえも遠くに行ってしまい、もうどの視点で見て良いのかさっぱり解らない。
おまけに物語の要であるバックボーンが一切明かされないので、大人達の取る行動が理解できないばかりか、それに対して見向きもしない少年少女達。
「おいおい、仮にも人類を守る戦いしてる奴らがそんなんでいいのか」と子供心にツッコミましたね。今にして思えばそれはそれで人間的で良いとは思いますが。
そしていつか理解できるはず、いつか解るはずと最後まで見続け、訪れたのがあの伝説の拍手エンド。ブラウン管の前で呆然とする私はさぞかしアホな顔をしていたと思います。
「いや、おめでとうってなんだよ……「僕は僕だ!」ってそんなの当たり前だろ何言ってんだこいつ……」
というのが、まぁ当時小学生だった私の感想であり、多分今見返しても殆ど変わらないと思います。
何というか思うに、この理解不能なアニメを理解するための考察が盛り上がった結果があの異常な社会現象なんではないか、と当時を振り返り愚考する次第。
「庵野はガンダムの暗黒面を受け継いだ」と誰かが言いましたが、まさにその通りだと思います。
…………なんだかレビューというよりは思い出語りでしたね。失礼しました。