「アイドルマスター シンデレラガールズ 2ndシーズン(TVアニメ動画)」

総合得点
67.0
感想・評価
579
棚に入れた
3007
ランキング
2569
★★★★☆ 3.8 (579)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.8

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ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

Stairs to Cinderella(1st+2nd SEASONを合わせて評価)

原作のゲームは未プレイだが
本家にあたる『THE IDOLM@STER』が楽しめたので
期待を込めて視聴する事にした
2015冬アニメで1クール+同年夏アニメで1クールの
計分割2クール作品

■Stairs to Cinderella■
今や3次元のみならず2次元でも
歌って踊れる華やかなアイドル業界は
女の子が憧れを抱く人気稼業であるのは世の常。

本作品は本家『THE IDOLM@STER』と同じく
アイドルを夢見る少女達の成功と絆を描いた物語だ。

基本構造は本家とさして変わらず
1st SEASONと2nd SEASONに分かれた
二部構成をベースに展開され
1st SEASONはキャラクター紹介を兼ねたエピソードを軸に
仕事や日常における場面が程好く入り交じり
アイドルとして動き始める初々しい日々を
テンポ良く進行させている。

一方 2nd SEASONに入ると重々しい雰囲気にシフトし
1st SEASONとは対照的にシリアスパートが多くを占め
自身を見失ってしまった島村 卯月を
ストーリーの中心に構成されている為か
全体を通してトーンは暗めとなっており
似たり寄ったりの演出が続くので
少々のくどさとテンポの悪さを感じてしまうのが難点である。

音楽面については後に記載するが
本作の目立った持ち味と言えば"キャラクターの記号化"が
より際立って表われている事だ。

キャラクターの特徴をややオーバーに表現した事で
容姿や性格がキャラクター同士で被っておらず
テンプレ設定に輪をかけて推し進めた結果
オリジナリティを生み出していると言えるだろう。

ただし 登場するキャラクターが多い為
個々の内面までがじっくり描ききれているとは言えず
「これだけ登場するアイドルがいれば一人くらい
 お気に入りになるキャラクターが見つかるだろう」と
"アイドルのカタログ化"が図られている点は
本家に引き続き相変わらずであり
良くも悪くも数に頼っている印象は強い。

とはいえシンデレラプロジェクトに加わる各アイドル達に
スポットを当てたエピソードがそれぞれ設けられているので
設定上「島村 卯月」「渋谷 凛」「本田 未央」の3人が
メインキャラクターの立ち位置ではあるものの
本作に限ればアイドル全員が等しく主役と言える構成である。

時に喜び 時に衝突し 時に挫折を味わいながらも
最後は笑顔で締めくくってくれたアイドル達。

「Stairs to Cinderella」
そう アイドルというシンデレラへの階段を
足並みは異なっていても確実に一歩ずつ登っていく
彼女達の輝かしいステージは始まったばかりなのだ。

■惜しい点■
お気に入り作品になる程楽しめていたが
手放しに評価し難い部分もあったのは否めない。

気になったのは主に2点あり
まず一つ目は作画である。

2nd SEASON以降は1クールの充電期間を挟んでいるおかげか
目立った崩れは感じなかったが
1st SEASONとなるとお世辞にも安定しているとは言えず
特に正面から見た表情のバランスが
回によって差を感じる事がしばしば見受けられた為
円盤での修正が期待されるところだ。

二つ目はプロデューサーの上司にあたる
美城常務の存在である。

シンデレラプロジェクトに対抗するかの様
プロジェクトクローネを立ち上げる常務だが
成果を第一に求める常務と個性を尊重するプロデューサー
二人の理想とする方針は違えど
仕事における利害が346プロ全体で見れば一致しているだけに
物語を盛り上げる為の一波乱起こす存在であったのは分かるが
自らの経営方針を貫く冷徹な姿しか描かれておらず
ただの障害役に収まってしまった点が惜しまれる。

頑なに成果に拘る姿勢なのは何故なのか?
もしもその背景に触れられていたならば
常務の行動がまた違ったものとして映っていただろう。

また常務と相反する場面が幾度と描かれているが
本作の主軸はやはりアイドル達であるので
常務とのやりとりに時間を割くよりも
アイドル達の活躍する場面又は日常描写に
もう少し尺を費やしてもらいたかったものだ。

多くを明かさない事で魅力を増す場合もあるが
行動の真意が見えてこなければ
後に残るのは謎だけになってしまう為
作中で目立つ人物であっただけに
人間味を感じられなかったのが心残りである。

■Power of Music■
本作に惹きつけられて止まない要因は
そのものずばりキャラクターと
各アイドル達に沿った"らしさ"が表現された音楽面である。

楽曲毎のらしさをストーリーと丁寧に絡ませており
全曲挙げたいくらいだがキリがなくなってしまうので
中でも印象に残った曲を3曲程
短めの感想を挟みながら挙げてみたい。

〇「夕映えプレゼント」
1st SEASONのEDに流れる楽曲。

ED時では止め絵を用いたカットで躍動感こそないが
「黄昏に染まる世界が好き」と歌詞にある様に
明日のアイドルを夢見る彼女達の日常から
夕闇に包まれては希望を抱いて家路へと向かう
歌詞とメロディ合わせてもっともお気に入りの1曲だ。

〇「S(mile)ING!」
本作のハイライトにもなった第24話EDで流れる
タイトル通り笑顔に満ちた島村 卯月の楽曲。

それまでの不安や恐れを卯月が自身に問い掛けながら
ありったけの愛を込めて歌う懸命な姿に
思わず「おかえり卯月!!」と口に出さずとも
ステージ袖で見ていた凜と未央
二人と同じ様に自然と涙が溢れてきてしまったものである。

この時 裏で見守っていたプロデューサーが
卯月の復活を確信して小さくガッツポーズをするシーンに
優しさが垣間見れてまたしてもグッとさせられるのだ。

〇「M@GIC☆」(第25話)
最終話のライブシーンにて大トリを飾り
シンデレラプロジェクトの集大成が詰め込まれた
彼女達の絆を感じられる楽曲はまさに魔法。

「ココニアル きっとこの気持ちがチカラ
 だってシンデレラはがんばりや、でしょ?」
上記のフレーズ時に指をハート形にしたきらりから
同じく指をハート形にした杏へと繋ぐカットがとてもキュート。

第24話で卯月の復活を経てから観ると
センターに位置している彼女の姿を見ては
感慨深い気持ちにさせられるのと同時に
物語が終わりを迎えてしまう寂しさも相まって
何度聴いても解けない魔法にかけられてしまうのだ。

他にも1st SEASONのOPを飾った「Star!!」や
最終話でのライブにて流れた「流れ星キセキ」等
聴く側の趣味趣向は勿論あるものの
所謂捨て曲といったモノが1曲も無かったのには
惜しみない賛辞を贈りたい。

付け加えるならば楽曲の影に埋もれがちであるが
BGMの質も勝るとも劣らない出来映えであり
穏やかな曲調からオシャレなサウンドと幅広く
劇伴として申し分ない素晴らしい完成度であった。

とりわけ第24話で自身を見失いかけた卯月が
プロデューサーに心の内を吐露する場面にて流れる「A Lost Princess」は
憂いを滲ませつつも春の訪れを待つ様で
そっと温もりを感じさせる音色が印象に残る。

作中でプロデューサーの理想方針が「Power of Smile」であるが
アイドル達の輝く笑顔も然る事ながら
なにより一段と本作を魅力的に磨き上げたのは
紛れもなく音楽面の力があってこそと言えるので
「Power of Smile」ならぬ「Power of Music」と称しても
決して大げさな表現ではないだろう。

■あとがき■
魔法の時間は過ぎるのが早いもので
1stと2nd SEASONを合わせた全25話とTV未放送回の第26話を
惜しいと感じる面は正直ありましたが
キャラ萌えだけに留まらず音楽面が非常に秀逸でしたので
最後まで予想以上に楽しむ事が出来てお気に入り作品となりました。

最終回のエピローグでは
シンデレラプロジェクトのメンバーそれぞれが
次のステージへと踏み出し
これからの活躍を想像させてくれるラストが
心地良い余韻を残してくれましたね。

またアニメ本編の裏側をボイスドラマ形式にした
『NO MAKE』や『マジックアワー』といった
オマケコンテンツが充実していたのも嬉しいところです。

ただ 本編でも組み込んでもらえたなら
もっと感情移入出来たであろうエピソードが幾つかありましたので
充実していた反面ちょっと勿体無くも感じてしまったかな。

さて 魅力的で可愛いアイドル達が多数登場した本作ですが
皆様は誰が1番お気に入りとなったでしょうか?

紆余曲折を経てなんだかんだで「頑張ります!」が口癖の
「しまむー」こと島村 卯月に惹かれてしまいました。

元々落選してしまったオーディション
再選考の末に補欠合格という形でシンデレラプロジェクトへ加入し
決して才能に恵まれてる訳ではなかった
真面目で普通な女の子の卯月ですが
凛をアイドルの道へと踏み出すきっかけとなった
彼女ならではの笑顔と持ち前の頑張り屋さんな姿を見ていたら
気がつけば自然と応援していたものです。

ルックスであったり性格であったり
好みはそれこそ十人十色あるものですが
やはり応援したいと思わせてくれる気持ちが
アイドルにとって1番重要なファクターなのかもしれないですね。
Power of Smileを体現した笑顔が
本当に素敵な女の子でした。

そして1番驚いたのはプロデューサー役の武内 駿輔さんが
放送当時で17歳であると分かった事。
とても歳相応には思えないくらい
渋みのある低い声で堂々と演じられ
貫禄を感じさせていたのが印象に残り
今後が楽しみな声優さんの一人となりましたね。

ついでと言ってはあれですがSMAPの中居くんがCMしている
リズムゲームアプリ通称「デレステ」こと
『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』

こちらのゲームをプレイしてから本編を改めて観てみましたところ
知らなければ素通りしてしまいかねない
キャラクターや楽曲に目が留まる様になり
「こんな所にあのキャラが!?」と発見する面白みが増え
本作を視聴するにあたって予備知識があるとないとでは
楽しみ方が大きく変わってくるなと感じました。

より一層本作を楽しめる様になるので
時間に余裕があるならば本編とセットでオススメしたいゲームです。

いつの日か346プロと765プロによる
夢の豪華競演を観てみたいものですね。

ところで346と765を足すと
ぴったり「1111」になるのは何か意図があるのでしょうか?
考えても答えが出せそうにないので
各アイドル皆がNo.1と都合よく解釈していますが(笑)

最後に3期又は劇場版にて輝くシンデレラ達に
再び会える事を期待したいものです。
制作スタッフの皆様方!何卒よろしくお願いシンデレラ♪

満足度 ★★★★★★★★★☆ (9)

投稿 : 2016/03/10
閲覧 : 429
サンキュー:

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